ハエトリソウの記憶
葉で虫を挟み込み捕食するハエトリソウは一度、葉に触れただけでは何も起こさない、しかし二度触れると葉を閉じるのだ。つまり一度目の刺激を記憶しているということになる。しかしハエトリソウに脳はない。ならばこの記憶は一体どういうもので、何によって制御されているのだろうか?最近の研究から、そこにはある化学物質が関係しているという可能性が示された。
種分化の現場
ニューカレドニアには、一見、違う種類に見えるほど大小様々な形のウツボカズラが生育している。現在ひとつの種と見なされているそれらのウツボカズラを詳細に調べた研究から、進化の道筋の一つの可能性が見えてきた。ニューカレドニアのウツボカズラは、今まさに種が分かれつつあるところだというのだ。何故、1つの島でそのようなことが起こるのだろうか?
進化の道筋
あるものは獲物が滑り落ちる落とし穴に、またあるものは獲物を挟み込む形に。食虫植物は、虫を捕える戦略に合わせて葉を独特の形に進化させた。
しかし、普通の葉からどのようにしてこうした形の葉に進化したのかは未だに謎が多い。そんな最中、サラセニアという食虫植物のツボ状の葉がどのように形作られるのかが世界で初めて明らかになった。今後、遺伝子を用いた研究によって、普通の植物から食虫植物に至る進化のメカニズムが見えてくるのではと期待されている。
食虫植物が持つ知られざる姿とはどんなものなのだろうか?
主な取材先
上田 実(東北大学大学院)
倉田 薫子 (横浜国立大学)
土居 寛文 (兵庫県立フラワーセンター)
長谷部 光泰 (基礎生物学研究所)