天気予報と気象衛星
天気予報ほど私たちの日常生活に欠かせない情報はないだろう。その情報は、地上での気象観測と宇宙からの気象観測から組み立てられており、地上では主に降水量やその範囲、風速、気圧などがアメダスや気象レーダーを用いて測定している。そして宇宙からの情報を発信する役割を担っているのが気象衛星。超高空から地球の撮影を行えるという特徴から、雲の様子はもちろんのこと、黄砂、火山灰などを観測しゲリラ豪雨などの自然災害対策などにも用いられている。
世界一の気象衛星ひまわり8号
2015年7月に本格運用を始めた気象衛星「ひまわり8号」。様々な最新鋭の機能を搭載し、従来の気象衛星よりも詳細かつ多量の情報を送信することが可能になり、その性能は「世界一」といわれ、天気予報の精度はこれまで以上に高くなることが期待されている。果たして、ひまわり8号はどのような機能を搭載し、それによって何が可能となっているのか?
日本の気象衛星の苦難と努力
日本の気象衛星「ひまわり」シリーズ第1号は1977年に運用が始まった。当時の日本の宇宙技術はアメリカに比べて10数年近く遅れたものであった。しかし、台風や大雨による災害が多い日本の風土において、衛星による気象観測は自然災害対策の大きな柱となる。そんななかで、1人の日本人がアメリカに渡り、苦難の末に完成させたのが「ひまわり」だった。開発初期から運用開始後の様々な苦労など、ひまわりが「世界一」と呼ばれるにいたるまでの軌跡を辿る。
主な取材先
堀川康(宇宙航空研究開発機構)
西山宏(三菱電機)
大友猛(気象庁)