地層処分とは何か?
原子力発電所の稼働によって発生する“高レベル放射性廃棄物”。地層処分とは、この放射能が強い廃棄物を地下深くに埋設処分する技術である。そして今、”原発のゴミ”ともいわれるこの存在をどう処分するかがすべての原発保有国にとって大きな課題となっている。そうした中、日本はこの課題にいかに取り組んでいるのだろうか。
日本の処分計画
日本では再処理技術を用いて、使用済み燃料から高レベル放射性廃棄物を抽出し、ガラスと混ぜ一体化する事により“ガラス固化体”として封入。その周囲を“人口バリア”“天然バリア”と呼ばれるバリアで幾重にも取り囲む事で、地層処分の安全性を高めようとしている。喫緊の課題は、この地層処分を実施する場所の選定である。
フィンランドの事例
フィンランド語で“洞窟”を意味する「オンカロ」 。フィンランド南西部の町エウラヨキの地下400mに作られた総延長約5kmの大規模な研究トンネルでは、放射性廃棄物の最終処分用地層としての特性調査が最終段階をむかえている。世界に先駆けた研究を行うフィンランドでは、どのようにしてこの処分地が決定されたのか、そのプロセスについて紹介する。
処分地選定の新たな方針
日本では処分地選定方法について、従来はまず「公募」という方法で各地方自治体の自発的な「申し出」を待つという方法で進められていた。しかし、この方法を巡って2015年5月に新たな方針が打ち出される。新たな方針とはどのような内容なのだろうか。
主な取材先
オルキルオト原子力発電(フィンランド)
雇用経済省(フィンランド)
エウラヨキ町会議議長(フィンランド)
栃山修(地層処分技術ワーキンググループ)
近藤駿介(原子力発電環境整備機構)