虫にも“社会”がある!?
ヒトの共同生活を総称する“社会”。広く人間の集団としての営みや組織的な営みを意味する社会の中で、私たちは多くの他者とともに集団生活を送っています。
そんな“社会”と呼ぶべき組織的な営みが、実は身近なアリや蜂にも存在しています。研究者らの間で“社会性昆虫”とも呼ばれているかれらの社会とは、一体どのようなものなのでしょうか?
“リーダー”なき虫の社会
集団の中でまず求められるのは、それを率いる“リーダー“という存在。では、数万ものアリやハチが生活するコロニー(巣)は、一体だれがどのように統率しているのでしょうか?
あまり知られていませんが、女王アリや女王バチには集団を指揮する統率力がありません。実は、かれらの社会には”リーダー“がいないのです。
女王の知られざる特殊能力
社会性昆虫はコロニーという集団の中で、それぞれの個体がそれぞれの役割を分担して果たす、いわば器官の一つにすぎません。
そんな集団の中、“繁殖”という役割を独占的に担う女王には、他の生物ではなし得ない驚くべき能力が備わっています。
リーダーのいない集団では“個性”が活きる!?
アリやハチの社会にリーダーはいません。しかし、彼らは数万からなるコロニーを実に効率よく、機能•運営しています。では、なぜかれらの社会はリーダーがいなくとも効率よく機能するのでしょうか?
そこには、皆一様ではない個体ごとに異なる“個性”が大きく関係しています。
主な取材先
後藤 彩子 さん (甲南大学)
中村 純 さん (玉川大学ミツバチ科学研究センター)
長谷川 英祐 さん (北海道大学大学院)