ガリレオX

“ガイア理論”再び ラブロック博士が語る生きている地球

BSフジ
本放送:12月25日(日)昼11:30~12:00
再放送:01月01日(日)昼11:30~12:00

この広い宇宙の中で、なぜ地球には多くの生命が断えることなく維持されてきたのか? その謎を50年以上も探り続けてきたのがイギリスの科学者ジェームズ・ラブロック博士だ。彼は1960年代にそれまでの常識を覆す「ガイア理論」を提唱する。そしてまるで生命体のように、生きている存在としての地球像を描き出したのだ。 ラブロック博士が人々に語り続けてきたことは何なのか? 生きている地球という考え方の原点に今、改めて迫る。

今、地球環境に起こりつつあること
私たち人間は、ラブロック博士の「ガイア理論」を改めて見直すべきなのかもしれない。
今、地球環境が大きく揺れ動いている。特に地球上の生命に大きな被害をもたらすのは水不足だ。アメリカのカリフォルニア州では、2014年以降に深刻化した干ばつに悩まされていた。
なぜ雨が降らなくなってしまったのか? はるか以前から人間の営みが地球環境に与える影響を訴え続けてきた伝説の科学者ジェームズ・ラブロック博士の考えは?

ガイア理論の提唱者・ラブロック博士
イギリスの南西部にあるドーセット州。自然豊かなこの地域にジェームス・ラブロック博士が暮らしている。97歳となる現在でもパソコンを使いこなし、研究や執筆活動を続けている。
ラブロック博士の最も大きな業績の一つは、従来の常識を覆す「ガイア理論」を提唱したことだ。博士はそれまで“物質の固まり”と捉えられていた地球を、ある種の生命体として捉え直し、ギリシャ神話に登場する女神の名になぞらえて地球をガイアと呼んだのだ。
そんな「ガイア理論」が誕生したのは1960年代の事だったと言う。

生きている地球という考え方の原点
ラブロック博士は、科学者でありながら著名な発明家でもある。自宅には「ガイア理論」の原点ともなった自らの発明品が飾られていた。
この発明品は電子捕獲型検出器という観測装置。地球や様々な惑星の大気を精密に分析することができる画期的な機器だった。例えばフロンガスの影響で起こったオゾン層の減少やアメリカの生物学者レイチェル・カーソンが警告した農薬による大気の汚染は、ラブロック博士の発明によって明らかにされた科学的知見だったのだ。
そしてこの観測装置を使って、火星の大気を分析することで「ガイア理論」の基盤が作られていくのだった。

ラブロック博士が今、語りかけること
現在、起こりつつある地球環境の変化を、50年以上も前から警告し続けてきたのがラブロック博士だった。
ラブロック博士は語る。「このままでは やがて地球を傷つけることになります。 私たちは地球と共にあります。このままでは危険な状況に陥るかもしれません。」
人間は長い歴史のなかで、その生活様式や文化を大きく変えながら地球上に子孫を残してきた。しかしその反面、人間の営みの変化が地球環境に悪影響を与えるのではないかとラブロック博士は警告する。
97歳を超える孤高の科学者は今、何を見つめているのか?ラブロック博士の現在の想いに迫った。


主な取材先
ジェームズ・ラブロック博士(イギリス・ドーセット州)
松井孝典さん(千葉工業大学 惑星探査研究センター)

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