ガリレオX

ロボット技術で人命を救え 次世代レスキューロボットへの挑戦

BSフジ
本放送:08月13日(日)昼11:30~12:00
再放送:08月13日(日)昼11:30~12:00

世界の中で災害頻発国として数えられている日本。今後、首都圏の直下地震などの大災害の危険性が指摘されており、その対応策が迫られている。 そんな中、世界の技術者たちが注目する日本の技術があった。それは災害等の極限環境で活躍するレスキューロボットの技術だ。そうした研究の拠点となっているのが東北大学だ。ここではこれまでのロボットの常識を覆すようなタフで障害をものともしないロボットの開発が進められている。 災害救助の現場ではロボットに何が求められているのか? 具体的にはどのような技術が生まれているのか? 次世代レスキューロボットへの挑戦に迫った。

災害現場で活躍するロボット
地震や台風、洪水など、世界の中で災害頻発国として数えられる日本。
被災し助けを求める人々に対して、ロボット技術を用いて救助をする“レスキューロボット”の研究が東北大学で行われていた。
レスキューロボット「クインス」は、全身をクローラーに覆われた特徴的な形状のロボットで、それにより階段や自分の身長より高い段差を乗り越えながら進むことができる。そして搭載されたカメラで、災害現場で崩落の可能性のある危険な場所や障害物の位置を外部に伝えることが可能となっている。
この「クインス」のように災害現場でロボットに求められる能力は、瓦礫をどけたりすることよりも、災害現場の状況を把握することや被災者を発見することだという。

進化を続けるレスキューロボット
1995年に起きた阪神・淡路大震災をきっかけに開発された、レスキューロボットの原点とも言えるロボットがある。索状ロボット「能動スコープカメラ」だ。
細長いヘビのような形状のロボットで、倒壊した建物のわずかな隙間から挿入し、内部に被災者が取り残されていないか等の状況を知ることができる。
現在はさらに改良が進み、ロボットが撮影した映像からリアルタイムで三次元地図を作成する技術の開発が進んでいた。ロボットで捜索をすると同時に災害現場の地図を作ることで、より効率的な救助活動が期待される。
さらにこの能動スコープカメラには、今までのロボットにはない、世界初の技術を搭載することで、飛躍的に運動性能を向上させ、より効率的に捜索ができるようになった。

次世代ロボットハンド
災害現場の内部の状況がわかっても、どうしても人間が入れない場合がある。
建物内部に水が溢れ出していたり、ガスが充満している場合だ。そのような災害現場にはまずロボットが向かい、水やガスを予め止めることができれば救助隊はより安全に救助に向かうことができる。しかし、普段私たちが何気なく行っている手の動きは非常に複雑だ。
災害現場の扉を開け、障害物をどかしながら進み、水やガスのレバーを操作する。そして時には災害現場から小さなサンプルを持ち帰るなど、「掴む・摘まむ・捻る」という繊細な動きができる画期的なロボットハンドの研究が進んでいる。

救助犬とロボット技術の融合させる
現在、瓦礫や雪山もものともせずに俊敏に移動し、嗅覚で遭難者を捜索する能力で活躍している救助犬。しかし、この救助犬にも苦手とする部分があるという。
発見した遭難者の状態を救助に向かう人間に情報として伝えることが難しいのだ。
もしその救助犬が苦手とする部分をロボット技術で補うことができれば、救助犬が今以上に災害現場で活躍してくれるのではないか? 救助犬と災害現場の状況を周りに伝えるための装置を融合させた“サイバー救助犬”の研究が進んでいた。


主な取材先
田所 諭さん(東北大学)
昆陽 雅司さん(東北大学)
大野 和則さん(東北大学)
多田隈 建二郎さん(東北大学)
安部 祐一さん(東北大学)
岡田 佳都さん(東北大学)
岡谷 貴之さん(東北大学)

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