ガリレオX

類人猿は心を読めるか? 科学者たちの映画づくり

BSフジ
本放送:02月11日(日)昼11:30~12:00
再放送:02月18日(日)昼11:30~12:00

熊本県に日本のチンパンジーの15%が暮らす場所がある。京都大学野生動物研究センターの付属施設である熊本サンクチュアリだ。この施設では類人猿たちの行動を探る研究が続けられている。この研究分野で40年近くもの間解決していない難題がある。それは「類人猿は他人の心を理解できるのか」という問いだ。この難題に挑んだ熊本サンクチュアリの研究者、狩野文浩さんは新たな実験技術であるアイトラッカーという装置で様々な実験を開始した。 はたして類人猿は他人の心を理解できるのか?心をさぐる研究の最前線に迫った。

熊本サンクチュアリ
 類人猿の研究施設である熊本サンクチュアリでは57人のチンパンジーと6人のボノボが生活している。そしてその生活ぶりを観察しながら類人猿の行動を探る5人の研究者がいる。この施設の所長である平田聡さんは、人間に非常に近い類人猿たちに敬意と親しみを持って生活を共にしながら実験を行っていた。

心を探る
 類人猿は動物の中で最もヒトに近い動物であるものの、我々と言葉を交わすことはできない。そのため従来は類人猿の心を探るためには行動を観察するしかなかったのだ。熊本サンクチュアリではより正確に、そしてより科学的に心をとらえるために様々な最新技術が駆使されている。

目は口ほどにモノを言う?
熊本サンクチュアリで研究を行っている狩野文浩さんは、赤外線を使って目の動きを記録する「アイトラッカー」を類人猿向けに初めて応用した研究者だ。目の動きを正確にとらえて視線がどこに集まっているかを記録することのできるアイトラッカーは正に「目は口ほどにモノを言う」を実現する技術であり、これによって心を探る研究の糸口が見えてきた。

科学者たちの映画づくり
狩野さんはアイトラッカーを使って、40年近くもの間解決されてこなかった「類人猿は心を読めるか?」という難題に挑んだ。しかしこの挑戦は新技術をもってしても難航し、研究は大きな壁にぶつかってしまう。そんなとき、研究を大きく進展させるきっかけとなったのが類人猿のための映画づくりだった。
自由な発想と大胆な行動によって明かされつつある類人猿の心に迫る。


主な取材先
平田 聡さん(京都大学)
狩野文浩さん(京都大学)

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