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地球史にその名を刻め“チバニアン”  千葉の地層から浮かび上がる77万年前の地球

BSフジ
本放送:05月13日(日)昼11:30~12:00
再放送:05月20日(日)昼11:30~12:00

 今、千葉の山奥が注目されている。地球史のある時代を表す基準の地層として、国際機関からに認められようとしているのだ。正式認定されると、“チバニアン”という名前が地球史に刻まれることになる。  “地球は大きな磁石”という言葉を聞いたことはないだろうか。いまでは常に北を指すコンパスが、かつての南の方向を指していた時代があったのだ。千葉の山奥に眠る77万年前の地層“チバニアン”にはこの逆転現象の真っただ中が克明に記録されていると言う。  77万年前の地球は一体どんな姿だったのか。認定に向けた研究者たちの取り組みを通して、その実像に迫る。

地球史に名を刻む?
46億年に渡る地球史を115に区切ったうちの一つに、いま千葉県の「チバニアン」の名が刻まれようとしている。歴史を区切る元号のように、時代を示す代表として世界中の地層が認定されてきたが、日本の地層ではまだ例が無い。チバニアンが認定されれば、まさに歴史的な快挙となる。

チバニアンとは
千葉県市原市の田淵を流れる養老川の岸壁に湿った地層が姿を現している。いったい、この場所の何が特別なのか。一見すると面白みのない泥の壁のように見えるこの地層だが、かつて地球のN極とS極が反転していた時代から現在の方向に変わる瞬間が記録されているのだ。最新の反転が記録されているこの地層よりも古い、下部の地層を調べるとこの反転が度々起こっていたことが分かった。

なぜ千葉県?
この地層がなぜ千葉に眠っていたのか。千葉県だけが特別であるその謎は海の底にあった。房総半島は世界的に見ても稀なほど地殻を形成するプレートのすぐ近くに位置しているのだ。この特徴こそが比較的新しいとされる77万年前の地層を現在の位置に押し上げている理由だった。

77万年前の地球
 チバニアンが地球史における一つの境界線と認められるには、地球の磁場が反転する瞬間の記録と共に当時の環境を推測するための証拠が地層に残っていることが必要だった。77万年以上前に降り積もった火山灰や、海底だった時のプランクトンの化石、そして降り積もった花粉などの分析によって当時の地球の姿が浮かび上がってきた。
 認定が間近に迫るチバニアン。果たして地球史にその名を刻まれるのだろうか。


主な取材先
岡田 誠さん (茨城大学)
管沼 雄介さん (国立極地研究所)
宍倉 正展さん (産業技術総合研究所)
宮腰 剛広さん (海洋研究開発機構)
鈴木 直樹さん (千葉県立中央博物館)
奥田 昌明さん( 千葉県立中央博物館)

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