ガリレオX

銅は文化なり 電線からIoT、そして将来 <アンコール>

BSフジ
本放送:05月20日(日)昼11:30~12:00

鉄に比べるとやや地味だが、実は「銅」は人類が初めて利用した金属で、銅利用の歴史はほとんど人類史と重なると言っていい。 近100年でみると、銅は電線などの社会インフラを支えるのに欠かせない金属であった。これからは、電子データの運び手として、情報社会をさらに発展させるための需要が高まっていく。電気と電子情報が世界中に張り巡らされ、コンピュータやロボットが日常生活にも急速に普及している現在、そして未来の世界において、銅は重要な金属材料であり続けるだろう。 この100年で培われた銅の精錬技術と、最先端の銅加工技術を追いかけ、「銅」の素顔を改めて探っていく。

銅は文化なり
 硬いにも関わらず、複雑な形に加工することができる銅は、青銅器文化を生み、貨幣や武器、装飾品や建造物に利用されてきた。そして産業革命以降には機械部品に重用され、19世紀の電気時代の到来により、電気機械産業の主役となっていく。早稲田大学の所教授によれば、「鉄は国家なり」になぞらえるならば、「銅は文化なり」と言えるのだという。

100年にわたり操業を続ける銅製錬所
 銅を電線などの材料として使える純度にまで精錬する方法は、どのようなものなのか?遠く南米のチリから輸送してきた銅の原料を、高温の炉でドロドロに溶かし、さらに電気分解も使って銅純度は高められるのだという。九州、大分県にあり、100年の歴史をもつ佐賀関製錬所を案内してもらった。
 
銅利用の主役は?
 産業の近代化に欠かせない社会インフラである電気。それを支えてきたのが高品質な銅の電線だ。さらに近年需要を伸ばしているのが、マイクロメートルやナノメートルにまで加工された銅だ。ICチップと基盤とを繋ぐ超極細線や、銅箔で作られる配線基板などがそれにあたる。歴史ある電線工場と、最先端の超極細線工場のそれぞれにカメラが入った。


持続可能な社会と都市鉱山
 今日の金属資源を語る上で欠かせないのが、「都市鉱山」の問題だ。そこで、銅を含むリサイクル原料を、エネルギー効率よく低コストで粉砕する技術に注目が集まっている。銅も限りある天然資源であるため、持続可能な社会を築くためにも、都市鉱山からできるだけ多くの銅を回収し、社会に再び還流する仕組みづくりが求められる。


主な取材先
◆澤村一郎さん(JX金属)
◆所千晴さん(早稲田大学)
◆安田豊さん(パンパシフィック・カッパ―)
◆竹林一彰さん(パンパシフィック・カッパ―)
◆堀江周さん(パンパシフィック・カッパ―)
◆タツタ電線
◆タツタテクニカルセンター

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