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<アンコール>ソフトロボティクスの世界 やわらかさを目指す最新ロボット研究

BSフジ
本放送:10月07日(日)昼11:30~12:00

硬く頑丈な材質で作られ、力強く精密な動きが求められてきたロボット。そこに「やわらかさ」という概念を加えた「ソフトロボティクス」という新しい技術分野が注目を集めている。それは、文字通り「やわらかいロボット」のことであり、さまざまな場面で「ほどよい加減」で柔軟に対応することができる。 従来のロボットには困難だったことを克服する、新たな可能性を秘めたソフトロボティクスの開発現場に迫る。

形が決まっていないものに柔軟に対応する“ソフトグリッパー”
やわらかいロボットの活用が期待されている場面の一つに「食品の運搬」がある。食品は同じ種類でも決まった形ではなく、一つ一つの形状が微妙に異なる。さらに持ち上げるときの力加減も対象を傷つけないような繊細さが求められる。
「掴むものの形も、掴むときの力加減も曖昧」というのは、従来のロボットにとっては非常に困難な場面だったのだが・・・。

柔らかさと硬さを兼ね備えた“オムニグリッパー”
やわらかいロボットは対象物に、ほどよい力加減で柔軟に対応することができる。それは時に対象物をしっかりと押す必要もある。
そこで開発されたのが、柔らかくなり対象を包み込む能力と硬くなり対象を押す能力を切り替えることができるロボットだった。
ロボットの硬さを変化させることでさまざまな場面に柔軟に対応することができ、災害現場という状況が予測できない場面でも活躍が期待されている。

まるで生き物のように動く“空気圧人工筋肉”
しなやかなでやわらかい動きを得意とするソフトロボット。まるで生物のような動きをするロボットが数多く研究開発されている。
そのような動きを可能にしているのが人工筋肉だ。これを使ったロボットの一つに、人間の動作をアシストするパワーアシストスーツがある。
しなやかな動きが特長の人工筋肉を使うことで、人間にとって自然なアシストができるという。

束ねて・編み込んで“細径人工筋肉”
人工筋肉の一つに外径が最細2mmというものがある。この細径人工筋肉は量産化がなされ、複数本を束ねることで力加減を調整することができる。さらに束ね方を工夫することで一本の太い筋肉のようにも、薄く広い筋肉のようにもすることができるという。
しなやかな動きで人や生物になじみ、もしもぶつかっても相手を傷つけることがない。そんなやわらかいソフトロボットこそ、人間の身近な場所で活躍するロボットだという。


主な取材先
鈴森 康一さん (東京工業大学)
平井 慎一さん (立命館大学)
中村 太郎さん (中央大学)
新山 龍馬さん (東京大学大学院)
多田隈 建二郎さん (東北大学大学院)

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