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国産バナナが農業を変える!? 生物学の常識を覆す大発見

BSフジ
本放送:10月14日(日)昼11:30~12:00
再放送:10月21日(日)昼11:30~12:00

熱帯の植物であるバナナが、なんと日本で栽培されているという。本来、常夏の国でしか育たないはずのバナナが、なぜ冬は0度近くまで冷え込む温帯地域の日本で栽培することができるのか? その秘密は、植物が持つ潜在的な能力を呼び覚ます「凍結解凍覚醒法」という新技術に隠されていた。そしてこの新技術はバナナだけでなく、あらゆる作物にも応用することができ、農業を大きく革新するとして注目されている。 はたして「凍結解凍覚醒法」とはどのような技術なのか?生物学の常識を覆す新たな農業の可能性に迫る。

人気のフルーツ バナナは熱帯の植物!?
日本での果物消費量1位を14年連続で獲得しているフルーツがバナナだ。手頃な価格と食べやすさ、そしてその味によって長年高い人気を誇っている。実は日本国内に流通するバナナのほとんどが赤道付近の熱帯や亜熱帯の国で栽培され、輸入されている。
そのような温かい地域の植物であるバナナを、冬は雪が降るほど寒くなる日本で育てることに成功した人物がいた。

バナナの起源は氷河期だった
国産バナナの栽培に成功した田中節三さんは今、岡山県の農園でバナナを育てている。
田中さんがバナナを日本で育てる取り組みを始めたきっかけは、インドネシアでバナナの歴史を知ったことにあった。人類がバナナを食べ始めたとされる、およそ1万3000年前のインドネシアは、なんと氷河があるほど寒い地域であり、日中の気温は10℃、夜は氷点下という環境だったのだ。だったら日本でもバナナを育てることができるのではないかと考えたのだった。

バナナの持つ潜在的な能力を呼び覚ます
田中さんは現代のバナナに氷河期の環境を再び経験させることで、寒い環境でも育つようになるのではないかと考え、バナナの成長の基となる細胞「成長細胞」を凍らせる実験を始めた。が、凍った細胞は破壊され死んでしまうことが続いた。試行錯誤の末、地球の環境が変化するほどの、非常に長い時間をかけ細胞を凍らすことを試したところ細胞が死なず、寒い環境でも生育する能力を持つことを突き止めた。生物学の常識を覆す新技術の誕生である。

凍結解凍覚醒法の農業革命!?
田中さんは、植物の細胞を凍らせることで潜在的な能力を呼び覚ますというこの発見を「凍結解凍覚醒法」と名付け、バナナ以外の作物にも応用が可能かを研究した。その結果、今、農園にはパパイヤやコショウ、カカオが収穫に向けてすくすくと育っている。
さらに今後は、寒い地域でも生育可能な麦やトウモロコシ、大豆といった穀物への応用の可能性を探っていくという。


主な取材先
田中 節三さん(D&Tファーム) 
ASCO・D&Tバイオセンター
GPファーム

 
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