ウズベキスタンとはどこにあるの?どんな国?
ユーラシア大陸の真ん中、中央アジアに位置し、ソ連崩壊(1991年)と共に独立したウズベキスタン共和国。国民の約9割がイスラム教徒のこの国には、世界遺産に登録されている数多くのモスクが存在し、また日本からビザなしで入国できるようになったため、現在、観光立国としても注目されている。そんな”イスラム”教徒達が住まうウズベキスタンの地に、多くの”仏教”遺跡が眠る砂漠の街があった・・・
ウズベキスタンで挑戦する日本の研究者
ウズベキスタンの仏教遺跡を発掘し、大きな成果を上げてきた「立正大学ウズベキスタン学術調査隊」。そして今回、彼らが発掘対象としたのは、中央アジア最大級の大きさを誇る仏塔である“ズルマラ仏塔”だった。
一体なぜ、イスラム教徒達が住まうウズベキスタンの地に、仏教の建造物である仏塔が存在するのか?その答えは、古くからシルクロードの要衝であったウズベキスタンの地の歴史を紐解くことで見えた。
ズルマラ仏塔の発掘調査に密着取材
これまで仏教遺跡の発掘で大きな成果を上げてきた調査隊。今回のズルマラ仏塔の発掘も慣れたもの・・・っとはいかなかった。
灼熱の太陽の下、39度にも上る気温。噴出す汗をも奪う乾いた空気、吹き荒れる砂塵。すべて手作業で進む発掘の現場は、想像以上に過酷なものだったのだ。
一体、ズルマラ仏塔の発掘調査はどうなってしまうのだろうか・・・
発掘で何が見つかるのだろうか?
ズルマラ仏塔が建立されている周りには、綿花畑が広がりこれといったものはない。調査隊がズルマラ仏塔を発掘調査する理由はここにあった。実は、ズルマラ仏塔付近に存在している仏教遺跡のほとんどは、“仏塔”と“僧院(寺)”がセットになり見つかっているのだ。それはつまりズルマラ仏塔周辺の何もない土地の下に“僧院が眠っている”可能性があるということ。調査隊はそこ注目したのだ。果たして調査隊は僧院が存在する手がかりを見つけることはできるのか?
二人の協力者
2014年よりウズベキスタン最大級の仏教遺跡“カラテペ”を発掘してきた調査隊には、欠かせない二人の協力者いた。一人は、戦後シベリア抑留を体験したのち、考古の道に目覚め、多くの仏教遺跡を発掘してきた、国立民族学博物館名誉教授の故・加藤 九祚さん。
残念ながら、加藤さんは2016年にウズベキスタンで発掘調査中に逝去されたが、今回長年、加藤さんと一緒に発掘調査をしてきた、調査隊のもう一人の協力者であるウズベキスタンの考古学者シャキル・ピダエフさんに、カラテペ遺跡を案内してもらうことができた。
そして今回番組では、世界ではじめてアフガニスタンとの国境近くにある“カラテペ遺跡”の空撮に成功した。
主な取材先
立正大学ウズベキスタン学術調査隊
駐日ウズベキスタン共和国大使館
テルメズ大学
テルメズ考古学博物館
ウズベキスタン歴史博物館
ウズベキスタン科学アカデミー考古学研究所