1964 to 2020
日本中が熱気に包まれ、多くの感動をよんだ1964年 東京オリンピック。そして56年の時を経て、再び開催される2020年 東京オリンピック・パラリンピック。
世界でもっとも大きな祭典といっても過言ではない大会の開催を前に、意外にも街行く人々は、どこか冷めた見方をしていた。テロや事故など、治安を心配する声が多く上がっているのだ。
しかし大会運営側も、不安の声を前に、ただ手をこまねいているわけではない。最先端のデジタルテクノロジーを警備に導入し、世界でも例のない強固なセキュリティーを実現しようとしていた。
最先端のデジタルテクノロジー
デジタルテクノロジーの最たる例の中に、”映像解析”と”顔認証”がある。そして、そのどちらも、日本は世界でトップレベルの技術をもっている。
なんと現在の映像解析技術では、防犯カメラの映像から自動的に、不審者や不審物を知らせるシステムだけでなく、人の転倒や、混雑状況を検知するシステムが開発されているのだ。
”映像解析”と”顔認証”、まずは最先端の映像解析技術へ迫る。
世界をリードする日本の顔認証技術
顔認証とは、あらかじめ登録した顔の画像と、カメラが捉えた顔の映像、または画像から自動的に、本人か他人かを識別するシステムのこと。そして顔認証といえばセキュリティ対策、だとお考えではないだろうか?
実は、いま顔認証技術を使って、防犯カメラの映像から、迷子の子供を探す技術や、街行く人々を瞬時に識別していく技術など、セキュリティへの活用だけでなく、日常生活を助ける技術としても進展しているのだ。顔認証技術を使ってどんなことができるのか?
世界をリードする日本の顔認証技術に迫る。
顔認証のメカニズムとはどんなものか?
顔認証の対象者が、下を向いている場合や、笑っている場合など、機械からすれば、人の顔は、環境によって大きく違った見え方がするはず。世界トップクラスと自負する日本の顔認証技術は、そういった環境の変化に対して、どのぐらいの精度で識別できるのだろうか?
また顔認証は一体どのような仕組みで自動的に本人か他人かを識別しているのだろうか?
顔認証の研究者にそのメカニズムと精度を解説してもらう。
デジタルテクノロジーで本当に社会が変わるのか?
一年後に、東京オリンピック・パラリンピック開幕を控えた2019年現在。デジタルテクノロジーの活用で、社会は既に、変化のしつつある。とある地域で今、顔認証を導入するこで、町全体で、今までになかった、おもてなしのサービスを実現する試みが行われているのだ。
2020年を契機に、社会へと浸透していくと期待されている、顔認証や映像解析などの、デジタルテクノロジー。その進展によって社会は大きく変わっていくに違いない。
その兆しは既に現れている。
主な取材先
夏野 剛さん(慶應義塾大学)
岩下 剛さん(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)
長嶺 七海さん(NEC)
今岡 仁さん(NEC 中央研究所)
森重 良太さん(南紀白浜エアポート)