ガリレオX

農業と漁業の融合 アクアポニックス 水と物質を循環させる新しい取り組み

BSフジ
本放送:07月28日(日)昼11:30~12:00
再放送:08月04日(日)昼11:30~12:00

今、農業や漁業の姿が変わりつつある。農業の分野では、屋外の畑ではなく建物の中で人工的な光を与え育てる野菜工場が登場した。また漁業の分野では、建物の中の水槽で最適なエサと水温によって海水魚を育てる陸上養殖が広がりつつある。そして今、魚の養殖と野菜の栽培を同時に行うアクアポニックスが注目されている。それはいったいどのようなものなのか? 現在、各地で進められているアクアポニックスの取り組みを取材し、その実態と可能性を探った。



養殖の為にたどりついた技術 アクアポニックス
茨城県、筑波山のふもとにあるビニールハウスで飯島さんは、トマトやピーマン、スイカを育てている。そして、そのビニールハウスでは野菜を育てるだけでなく、なんと魚のチョウザメも同時に育てている。このちょっと変わったビニールハウスをつくるまでには、様々な試行錯誤があったという。

アクアポニックスとは
アクアポニックスとは「魚の養殖」を意味するアクアカルチャーと、「植物の水耕栽培」を意味するハイドロポニックスから作られた言葉で、養殖で汚れた水を捨てるのではなく水耕栽培に利用する。すると、植物は汚れた水に含まれる栄養分を吸収し育つことによって水が綺麗になり再び養殖に使うことができるのだ。このようにアクアポニックスは、水を捨てずに循環させ魚と植物の両方を育てる仕組みなのだ。

海水魚の陸上養殖とアクアポニックス
東京海洋大学の遠藤さんは、海水魚の陸上養殖にアクアポニックスを利用できないかと考えている。しかし、海水をそのまま植物に与えるとその塩分によって植物は萎れてしまう。そのような課題を解決し、どんな魚と植物の組み合わせでもアクアポニックスが可能にする仕組みを目指しているという。そのために必要な技術とは。

アクアポニックスを使った宇宙での食料生産
地表から約400キロメートル上空を周回している国際宇宙ステーション。そこで宇宙飛行士が生活するための食料は補給船によって地球から届けられている。大阪府立大学の北宅さんは、こうした宇宙のような閉鎖された環境の中で自給自足をする方法としてアクアポニックスを利用しようとしている。はたして宇宙では、どのような野菜と魚が食料になりえるのか。

山の中でのアクアポニックス、その秘密は「水」
岡山理科大学の山本さんは、山の中で海水魚が育てられればどんな場所でも魚の養殖ができると考え、今、アクアポニックスを使った研究をしている。なんとそこでは通常、海で生活している紅鮭の水槽の上でトマトが育っているのだ。この海水魚とトマトのアクアポニックスを可能にしたのは、特殊な水だった。

アクアポニックスからできた料理
アクアポニックスは野菜と魚を同時に育てることが出来るため、次世代の食料生産の方法として注目されている。そして実際にアクアポニックスで育てた野菜と魚を使った料理が作られている。
このような農業と漁業を融合させたアクアポニックスの今後の可能性とは。


主な取材先
飯島 朗さん  (エコファーム 飯島)
遠藤 雅人さん (東京海洋大学)
北宅 善昭さん (大阪府立大学)
山本 俊政さん (岡山理科大学)

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