新しい楽しみ方の水族館
「カワスイ 川崎水族館」は、これまでにない新しい方法で生き物の展示をおこなっている。それは、水槽を撮影したライブ映像にその中で泳いでいる魚の情報をリアルタイムで合成するなど、現実空間とデジタルな仮想空間を重ね合わせた展示方法だ。今後このような、現実空間と仮想空間の重なりは、ますます広がっていくと考えられ、その二つの空間をつなぐ新たな技術の研究が進められている。
仮想空間で現実の服のように試着ができる!?
人が着ている服を、仮想空間で別の服に置き換える“仮想試着”の新しい手法を、東京大学の五十嵐さんは開発した。それは、“計測服”という服を着てカメラの前に立つだけで別の服へ着替えた姿がディスプレイに表示されるというものだ。しかも、そこで表示されている服は体の動きに合わせて動き、“しわ”や“たるみ”さえも再現されている。そのような技術の開発の背景には、五十嵐さんが重視している「考え方」があるという。
現実の動きのある物体へ仮想空間の情報をプロジェクターで投影する!?
東京工業大学の渡辺さんは、動きのある物体に対してプロジェクターで映像を投影する“ダイナミックプロジェクションマッピング”の研究を行っている。あらゆる動きのある物体に仮想空間で作る映像を投影することができれば、あるゆるものの見た目を自由自在に変えることができるようになるという。そしてこの技術を進展させることで、もっと手軽に、現実と仮想という二つの空間が行き来できるようになるという。
立体映像が現実空間に浮かび上がる新しい3Dディスプレイ
京都橘大学の吉田さんは、新しい仕組みの3Dディスプレイを開発し、性能を向上させる研究を行っている。そのディスプレイの特徴は、なんと360度どこから見ても、その場所に応じた立体映像を見ることができるという点だ。特別なメガネなどを着用する必要もないという。今後、この技術でどのようなことが可能になるのだろうか…。
主な取材先
五十嵐 健夫さん(東京大学)
渡辺 義浩さん(東京工業大学)
吉田 俊介さん(京都橘大学)
カワスイ 川崎水族館