地衣類とは?
地衣類は、一見コケ植物のように見え、そして名前に”コケ”が入っている種が多い。
ところが植物ではない。しかし光合成し栄養を得ている…
その正体は「菌類」と「藻類」の共生体。菌類は菌糸を用いて藻類を守り、藻類は光合成で得た栄養を菌類へ与える。そうして2つの生物が支え合いながら、まるで1つ生命のように生育している。では一体、地衣類の“中身”はどうなっているのか?顕微鏡を使って地衣類の断面を覗いてみる。
地衣類はどのように増えるのか?
菌類と藻類の共生体である地衣類。2つの生命が混在する中で、どのように繁殖しているのだろうか?その繁殖方法を知ると、私達のような動物とも、植物とも違った珍しい生態が見られた。
謎多き地衣類の正体
かつて地衣類は植物として分類されていた。しかし、およそ150年前、菌類と藻類の共生体であることが判明し、今日に至る。ところが最先端の研究では、地衣類の共生関係の中に、菌類と藻類以外の、何らかの生命が関与している可能性が見えてきたという。
辞書の中、地衣類の項目が書き換わる日は近いのかも知れない。
沖縄の森深く、珍しい地衣類を求めて
地衣類の一種であるウメノキゴケは、大気汚染を知る指標となり、またアミモジゴケという地衣類は温暖化の現状を知る指標になる。
地衣類の中には、特殊な生態を持つ種が存在し、自然環境の現状を知る上で、様々な指標になるものがあるのだ。
そんな中、極めて良い状態の自然環境を知る、新たな指標となる地衣類を探すため、沖縄の奥地に足を踏み入れる一人の学生がいた。
主な取材先
大村 嘉人さん(国立科学博物館 )
近 芳明さん(東京都立一橋高校)
河野 美恵子さん(総合研究大学院大学)
宮澤 研人さん(筑波大学大学院)