コロナという「非日常」を生きる

曽野綾子 著
定 価:
本体900円+税
判 型:
新書判
ページ数:
280ページ
ISBN:
9784898318287
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B29の空襲からコロナの恐怖まで、
「死」に直面した時、人は何かを学ぶ。

若者にはとくに「非常事態」の体験を。
「いざという時」を全く知らない若者は「教育貧民」なのだから。

多分、今度のコロナ騒ぎは、不発弾のように、騒ぎ立てたほどのことはなく呆気なく終息するだろう……。私たちの多くは死を意識せず、死から学ぼうともせず、死ぬまでに愛を示すこともなく、死ぬまでの時間を有効に使おうとも考えず生きている。そして悔やみもせずに人生の持ち時間を終えるのである……。

著者プロフィール

作家。1931年、東京生まれ。聖心女子大学文学部英文科卒業。ローマ法王庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。日本芸術院賞・恩賜賞・菊池寛賞受賞。著書に『無名碑』(講談社)、『神の汚れた手』(文藝春秋)、『風通しのいい生き方』『人間の愚かさについて』(以上、新潮社)、『人間にとって成熟とは何か』『人間の分際』(以上、幻冬舎)、『夫婦、この不思議な関係』『沖縄戦・渡嘉敷島「集団自決」の真実』『悪と不純の楽しさ』『弱者が強者を駆逐する時代』『想定外の老年』『安心と平和の常識』『出会いの幸福』『曽野綾子 自伝─この世に恋して』(以上、ワック)など多数。

目次

第1章 コロナという「非日常」 

 若者に「非常事態」の体験を

 ズル休みの才覚

 零下二十度のオーロラの地で

 国境の街のかすかな光

 インドの子供たちの歌声

 地雷の村の〝平和〟

 硫黄島の運命

 童は見たり、野中の薔薇

 十字路の少女

 「明日がある」と思える暮らし

 

第2章 人生の持ち時間

 荒野と人間──本能の囁き

 面会室のアクリル板

 故人の思い出と遺品

 風通しのいい土

 オリンピックにわか記者

 人生の持ち時間

 英作文恐怖症

第3章 家族の体温

 夫・三浦朱門の死

 夫のへそくり

 「直助」と「雪」

 一家の厄介者の役割

 メロン一切れの大きさ

 

第4章 二番手の愉しみ

 人を助けるという得難い機会

 沈みながら咲いた桜と湖底の十字架

 日本の大勝利と青い眼の修道女

 イタリアの乞食人形

 二番手の愉しみ

 『新潮45』の悲しさ

 自分は何かの役に立っている

あとがき

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