満洲帝国の遺産が
現代中国をつくった!
現代中国をつくった!
「王道楽土」とまで呼ばれた、今はなき満洲帝国──。なぜ日本人は満洲にむかったのか? それは、日本と満洲の関係だけでなく、清朝中国、モンゴル、朝鮮、ロシアそれぞれの思惑と利害を眺めてこそ見えてくる。「歴史に道徳的価値判断を介入させてはいけない。歴史は法廷ではないのである」と語る著者による「満洲」入門書。これを読めば、歴史認識問題に決着がつく!
著者プロフィール
宮脇淳子(みやわき・じゅんこ)
1952年、和歌山県生まれ。京都大学文学部卒業、大阪大学大学院博士課程修了。学術博士。大学での専攻は東洋史であるが、従来の東洋史の枠組みを越えて、中央ユーラシアの視点にたった遊牧民の歴史と、草原と農耕地帯を総合的に見る中国史を研究している。現在、東京外国語大学・国士舘大学非常勤講師。著書に『モンゴルの歴史』(刀水書房)、『最後の遊牧帝国』(講談社選書メチエ)、『朝青龍はなぜ強いのか?』(ワック)などがある。
目次
第一章 満洲とは何か
──もともと種族名だった満洲。地名になったのは日本がはじまり
「満洲」と「マンジュ」
「満洲」という民族名の誕生
「満洲」はいつから地名になったのか
第二章 満洲の地理と古代
──中国文明とは「漢字」と「都市」と「皇帝」
中国東北地方の地理
ロシアの沿岸州とアムール河沿岸の地理
内蒙古自治区の地理
河北省東北部の地理
中国文明の発生
中国人とはだれか①──漢字の特性
中国人とはだれか②──都市に住む者
中国人とはだれか③──中華と夷狄
満洲の先住民
勿吉と靺鞨
第三章 東アジアの民族興亡史
──日本人と朝鮮人は、中国から同時に独立した“双子の関係”
「中国」は二千二百年
朝鮮半島と日本列島
高句麗の反撃
百済の滅亡
日本誕生
新羅の半島統一と日本人の形成
渤海国と日本の修好
契丹の大帝国
女直の金
第四章 元朝から清朝へ
──モンゴル人の元朝、満洲人の清朝による中国の支配
モンゴル帝国の建国
モンゴル帝国のしくみ
元朝がもたらした「パクス・モンゴリカ」
モンゴル支配下の満洲と朝鮮半島
日本への蒙古襲来
明朝と北元
明代の満洲
清朝の建国
明清交代
「満洲人」すなわち「旗人」
清朝時代の満洲
第五章 ロシアの南進と日露関係
──ロシアが奪うアムール北岸と沿海州
モンゴル帝国を継承したロシア
ロシアのシベリア進出
ネルチンスク条約にいたる露清関係
清朝の最大領土
ヨーロッパ列強の進出
ロシアの黒龍江進出
ロシアの満洲進出
初期の日露関係
第一章 満洲とは何か
──もともと種族名だった満洲。地名になったのは日本がはじまり
- 「満洲」と「マンジュ」
- 「満洲」という民族名の誕生
- 「満洲」はいつから地名になったのか
第二章 満洲の地理と古代
──中国文明とは「漢字」と「都市」と「皇帝」
- 中国東北地方の地理
- ロシアの沿岸州とアムール河沿岸の地理
- 内蒙古自治区の地理
- 河北省東北部の地理
- 中国文明の発生
- 中国人とはだれか①──漢字の特性
- 中国人とはだれか②──都市に住む者
- 中国人とはだれか③──中華と夷狄
- 満洲の先住民
- 勿吉と靺鞨
第三章 東アジアの民族興亡史
──日本人と朝鮮人は、中国から同時に独立した“双子の関係”
- 「中国」は二千二百年
- 朝鮮半島と日本列島
- 高句麗の反撃
- 百済の滅亡
- 日本誕生
- 新羅の半島統一と日本人の形成
- 渤海国と日本の修好
- 契丹の大帝国
- 女直の金
第四章 元朝から清朝へ
──モンゴル人の元朝、満洲人の清朝による中国の支配
- モンゴル帝国の建国
- モンゴル帝国のしくみ
- 元朝がもたらした「パクス・モンゴリカ」
- モンゴル支配下の満洲と朝鮮半島
- 日本への蒙古襲来
- 明朝と北元
- 明代の満洲
- 清朝の建国
- 明清交代
- 「満洲人」すなわち「旗人」
- 清朝時代の満洲
第五章 ロシアの南進と日露関係
──ロシアが奪うアムール北岸と沿海州
- モンゴル帝国を継承したロシア
- ロシアのシベリア進出
- ネルチンスク条約にいたる露清関係
- 清朝の最大領土
- ヨーロッパ列強の進出
- ロシアの黒龍江進出<
- ロシアの満洲進出
- >初期の日露関係
第六章 日本の大陸進出──日清・日露戦争
──近代化できない清国・朝鮮にロシアの触手が……
国民国家を生み出したアメリカ独立とフランス革命
清帝国の変質──五代種族の同君連合から国民国家への志向
日本の開国と清国と朝鮮
日清戦争(一八九四〜九五)
ロシアによる東清鉄道の敷設
朝鮮の鉄道と閔妃事件(一八九五)
義和団事件(一九〇〇)
日露戦争にいたる日本とロシア
日露両国の兵力
日露戦争(一九〇四〜〇五)
第七章 日露戦争後の満洲と当時の国際情勢
──欧米列強が承認、南満洲と韓国という日本の勢力圏
日露戦争当時の満洲
日本の満洲経営のはじまり
関東州と関東軍
満鉄誕生
満鉄の業務内容
満鉄調査部の役割
日本とロシアの密約
日韓併合
辛亥革命(一九一一)
袁世凱の専制君主化と軍閥の抗争
二十一カ条要求と反日運動
ロシア革命(一九一七)とシベリア出兵
モンゴル独立宣言と満蒙独立運動
モンゴル人民共和国成立
第八章 満洲帝国の成立
──ソ連の謀略と中国の排日運動、満蒙権益を守るための満洲建国
満洲帝国をめぐる歴史学の立場
中国共産党の成立と第一次国共合作
中国の軍閥
満洲の軍閥・張作霖
蒋介石の北伐
張作霖爆殺される
排日運動の激化
満洲と朝鮮人
満洲事変
関東軍の満蒙領有論
満洲国の建国
日満議定書
満洲国をめぐる対外関係
第九章 日本史のなかの満洲
──官・民あげて満洲投資、最大二百二十万人の日本人が満洲に
日本史のなかの満洲
満洲の人口
満洲青年連盟と大雄峯会
満洲国の行政組織
日満一体の行政へ
三期にわたる経済建設
満洲への日本の投資
産業開発五カ年計画
満洲への移民
教育・文化行政
モンゴルの民族運動
ノモンハン事件
関東軍
第十章 日本敗戦後の満洲
──満洲帝国の“遺産”が現代中国をつくった
日本の敗戦と満洲帝国崩壊
開拓団の悲劇とシベリア抑留
満洲引き揚げ
国民党軍と共産党軍の国共内戦
モンゴルの戦後
その後の満洲=中国東北地方
第六章 日本の大陸進出──日清・日露戦争
──近代化できない清国・朝鮮にロシアの触手が……
- 国民国家を生み出したアメリカ独立とフランス革命
- 清帝国の変質──五代種族の同君連合から国民国家への志向
- 日本の開国と清国と朝鮮
- 日清戦争(一八九四〜九五)
- ロシアによる東清鉄道の敷設
- 朝鮮の鉄道と閔妃事件(一八九五)
- 義和団事件(一九〇〇)
- 日露戦争にいたる日本とロシア
- 日露両国の兵力
- 日露戦争(一九〇四〜〇五)
第七章 日露戦争後の満洲と当時の国際情勢
──欧米列強が承認、南満洲と韓国という日本の勢力圏
- 日露戦争当時の満洲
- 日本の満洲経営のはじまり
- 関東州と関東軍
- 満鉄誕生
- 満鉄の業務内容
- 満鉄調査部の役割
- 日本とロシアの密約
- 日韓併合
- 辛亥革命(一九一一)
- 袁世凱の専制君主化と軍閥の抗争
- 二十一カ条要求と反日運動
- ロシア革命(一九一七)とシベリア出兵
- モンゴル独立宣言と満蒙独立運動
- モンゴル人民共和国成立
第八章 満洲帝国の成立
──ソ連の謀略と中国の排日運動、満蒙権益を守るための満洲建国
- 満洲帝国をめぐる歴史学の立場
- 中国共産党の成立と第一次国共合作
- 中国の軍閥
- 満洲の軍閥・張作霖
- 蒋介石の北伐
- 張作霖爆殺される
- 排日運動の激化
- 満洲と朝鮮人
- 満洲事変
- 関東軍の満蒙領有論
- 満洲国の建国
- 日満議定書
- 満洲国をめぐる対外関係
第九章 日本史のなかの満洲
──官・民あげて満洲投資、最大二百二十万人の日本人が満洲に
- 日本史のなかの満洲
- 満洲の人口
- 満洲青年連盟と大雄峯会
- 満洲国の行政組織
- 日満一体の行政へ
- 三期にわたる経済建設
- 満洲への日本の投資
- 産業開発五カ年計画
- 満洲への移民
- 教育・文化行政
- モンゴルの民族運動
- ノモンハン事件
- 関東軍
第十章 日本敗戦後の満洲
──満洲帝国の“遺産”が現代中国をつくった
- 日本の敗戦と満洲帝国崩壊
- 開拓団の悲劇とシベリア抑留
- 満洲引き揚げ
- 国民党軍と共産党軍の国共内戦
- モンゴルの戦後
- その後の満洲=中国東北地方