感動の半生記!
日本はこんなに素晴らしい国だった!
日本はこんなに素晴らしい国だった!
多くの人たちが親しく、やさしく接してくれるものの、こちらから深く入ろうとすると、みんながみんな、なぜがスッと心を閉ざしてしまう。いまから思えば、韓国人のようにベタベタとした関係を好まず、相手との適当な距離をとろうとする日本人特有の態度なのである──本文より。留学生として来日した著者は、時を経るにしたがって、日本人と韓国人、日本と韓国の違いを様々な場面で感じ、認識していく。しかし、「悪魔の国」と教えられてきた日本は、じつは、素晴らしい国だった。日本人にも、韓国人にもなりきれない著者の苦悩。その深い隔たりに悩み続け、精一杯ぶつかりながらも、最終的に日本定住を決意する、感動の半生記!
著者プロフィール
呉善花(お・そんふぁ)
拓殖大学国際学部教授。1956年、韓国・済州島生まれ。83年に来日し、大東文化大学(英語学専攻)の留学生となる。その後、東京外国語大学大学院修士課程修了。著書に『攘夷の韓国 開国の日本』(文藝春秋、第5回山本七平賞受賞)、『スカートの風(正・続・新)』(三交社、角川文庫)、『韓国併合への道』(文春新書)、『恋のすれちがい』(角川書店)、『日本が嫌いな日本人へ』『日本人を冒険する』『日本的精神の可能性』(PHP文庫)など多数がある。
目次
プロローグ はじめて知った日本- たった一人の韓国人
- 「日本教」への深い共感
- 不思議に印象のよかった日本
- 日本語が聞き取れない
- 夢のような民間アパートの生活
- 牛肉と真っ白なご飯をお腹いっぱいに食べられる感動
- なぜ日本では都会の商人が良心的なのか
- 教育で知る日本と実際に知った日本との大きな落差
- 海と山が入り組んだ夢のような自然風景
- 日本人の温かさは表面だけのこと?
- 八百屋さんの誇り
- 大学入試に失敗する
- 外国人クラブの体験
- 習慣の違いへの生理的な嫌悪感
- 消しゴム事件
- 弁当事件
- 「じか箸」を嫌う日本人
- 友だちに冷たい日本人という印象
- フランスのパリへ
- ロンドンの英語学校
- 貿易商社でのアルバイト
- 仕事か家族か、二者択一の選択
- すぐに援助しない日本人
- 親しい相手に心を開かない日本人
- 「韓国人差別」の誤解の構造
- 神社への抵抗感
- 無意識のうちに相手を身内世界に取り込む
- 「来日二、三年」がもっとも日本を嫌になる時期
- 日本滞在二年半の体験を綴った「日本誹謗の書」
- 語学教室の開校と日韓ビジネスコンサルタント業のはじまり
- 行くも地獄、帰るも地獄の感覚
- 日本人にも「異邦人としての悩み」があることを知って
- 韓国人ホステスに日本語を教える
- 日常的に日本と韓国を往復する語学教師の仕事
- キムチを断つ決意をする
- 日本人の気持ちを知ること
- 日本の陶器を趣味にする
- 韓国人ホステスたち
- 日本人ビジネスマンたちとの出会い
- 韓国勉強会でのスピーチ
- 日本の風景と絵画の好み
- 「日帝三十六年」についての無知を悟る
- 植民地体験者の生の声を聞きたい
- 日韓のはざまで自分を見失う
- よき他者を求める切実さ
- NHKテレビの歌舞伎町取材
- 本の企画をもちこむ
- 原稿執筆
- 『スカートの風』の出版
- 韓国人ホステスたちの反発
- ノイローゼに陥った日々
- あの本は嘘だといい触らす留学生たち
- 留学生たちの糾弾行動
- 日本人からは好意的な評価
- 独善でやがて哀しい韓国人
- 悪気のない「裸の王様」
- 「日本人が書いた」と報道した『韓国日報』
- 「呉善花はいない」というデマ
- 「第二の従軍慰安婦」
- 取材に来てボロを出した韓国テレビクルー
- ジャーナリスト失格の韓国テレビマン
- 安企部の暗躍
- 韓国人の意識の深層を形づくる中華主義
- 経済危機をきっかけに、ようやく変化を見せはじめた韓国
- 私はどうやって自民族優位主義を脱することができたのか
- 済州島の太陽
- ミカンがおいしくて、いつもお風呂に入れる国
- 日本語のうまい子
- 学があることは反日であること
- 済州島の女たち
- 明るく楽天的な働き者
- 韓国人の「恨」と日本人の「もののあわれ」
- 女の苦労と女の開放性
- ソウルのお嬢さんのように
- 外へ外へと向かう心
- 文通で恋をした思い出
- 高校卒業後の進路
- 看護大学に入学するが……
- どこに活路を見いだせばいいのか
- 軍人になりたい
- 韓国陸軍軍人となる
- 軍人生活のはじまり
- 潔癖なまでの整理整頓の生活
- 司令部から大学へ通う
- 過酷な軍隊生活
- リベラルなジェントルマンだった高級将校たち
- 軍隊は反日よりは反共だった
- 一般の会社とは逆の軍隊
- 私の恋愛
- エリート将校の大胆な誘い
- 民間エリートを狙う女性軍人たち
- 三、四年でやめる女性軍人
- 臨床病理士の資格をめざして
- 病院勤務と日本語学校
- 英語学校で売春婦を教える
- 恋人との別れ
- 日本への慰問旅行
- 東京経由アメリカ行き
- 東京の月、済州島の月
- 大自然との贅沢な接触の日々
- よき人との出会い