私は、いかにして「日本信徒」となったか

呉善花(拓殖大学国際学部教授) 著
定 価:
本体933円+税
判 型:
新書版
ページ数:
272ページ
ISBN:
9784898316443
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感動の半生記!
日本はこんなに素晴らしい国だった!

多くの人たちが親しく、やさしく接してくれるものの、こちらから深く入ろうとすると、みんながみんな、なぜがスッと心を閉ざしてしまう。いまから思えば、韓国人のようにベタベタとした関係を好まず、相手との適当な距離をとろうとする日本人特有の態度なのである──本文より。留学生として来日した著者は、時を経るにしたがって、日本人と韓国人、日本と韓国の違いを様々な場面で感じ、認識していく。しかし、「悪魔の国」と教えられてきた日本は、じつは、素晴らしい国だった。日本人にも、韓国人にもなりきれない著者の苦悩。その深い隔たりに悩み続け、精一杯ぶつかりながらも、最終的に日本定住を決意する、感動の半生記!

著者プロフィール

呉善花(お・そんふぁ)
拓殖大学国際学部教授。1956年、韓国・済州島生まれ。83年に来日し、大東文化大学(英語学専攻)の留学生となる。その後、東京外国語大学大学院修士課程修了。著書に『攘夷の韓国 開国の日本』(文藝春秋、第5回山本七平賞受賞)、『スカートの風(正・続・新)』(三交社、角川文庫)、『韓国併合への道』(文春新書)、『恋のすれちがい』(角川書店)、『日本が嫌いな日本人へ』『日本人を冒険する』『日本的精神の可能性』(PHP文庫)など多数がある。

目次

プロローグ はじめて知った日本
  • たった一人の韓国人
  • 「日本教」への深い共感
第1章 不思議な国の住人たち ──東京下町の生活
  • 不思議に印象のよかった日本
  • 日本語が聞き取れない
  • 夢のような民間アパートの生活
  • 牛肉と真っ白なご飯をお腹いっぱいに食べられる感動
  • なぜ日本では都会の商人が良心的なのか
  • 教育で知る日本と実際に知った日本との大きな落差
  • 海と山が入り組んだ夢のような自然風景
  • 日本人の温かさは表面だけのこと?
  • 八百屋さんの誇り
  • 大学入試に失敗する
  • 外国人クラブの体験
  • 習慣の違いへの生理的な嫌悪感
  • 消しゴム事件
  • 弁当事件
  • 「じか箸」を嫌う日本人
  • 友だちに冷たい日本人という印象
  • フランスのパリへ
  • ロンドンの英語学校
第2章 どこまでも深い日韓の谷間 ──アイデンティティの喪失
  • 貿易商社でのアルバイト
  • 仕事か家族か、二者択一の選択
  • すぐに援助しない日本人
  • 親しい相手に心を開かない日本人
  • 「韓国人差別」の誤解の構造
  • 神社への抵抗感
  • 無意識のうちに相手を身内世界に取り込む
  • 「来日二、三年」がもっとも日本を嫌になる時期
  • 日本滞在二年半の体験を綴った「日本誹謗の書」
  • 語学教室の開校と日韓ビジネスコンサルタント業のはじまり
  • 行くも地獄、帰るも地獄の感覚
  • 日本人にも「異邦人としての悩み」があることを知って
  • 韓国人ホステスに日本語を教える
  • 日常的に日本と韓国を往復する語学教師の仕事
  • キムチを断つ決意をする
  • 日本人の気持ちを知ること
  • 日本の陶器を趣味にする
  • 韓国人ホステスたち
  • 日本人ビジネスマンたちとの出会い
  • 韓国勉強会でのスピーチ
  • 日本の風景と絵画の好み
  • 「日帝三十六年」についての無知を悟る
  • 植民地体験者の生の声を聞きたい
  • 日韓のはざまで自分を見失う
  • よき他者を求める切実さ
第3章 転機のための『スカートの風』 ──生きられる場所の手応え
  • NHKテレビの歌舞伎町取材
  • 本の企画をもちこむ
  • 原稿執筆
  • 『スカートの風』の出版
  • 韓国人ホステスたちの反発
  • ノイローゼに陥った日々
  • あの本は嘘だといい触らす留学生たち
  • 留学生たちの糾弾行動
  • 日本人からは好意的な評価
  • 独善でやがて哀しい韓国人
  • 悪気のない「裸の王様」
  • 「日本人が書いた」と報道した『韓国日報』
  • 「呉善花はいない」というデマ
  • 「第二の従軍慰安婦」
  • 取材に来てボロを出した韓国テレビクルー
  • ジャーナリスト失格の韓国テレビマン
  • 安企部の暗躍
  • 韓国人の意識の深層を形づくる中華主義
  • 経済危機をきっかけに、ようやく変化を見せはじめた韓国
  • 私はどうやって自民族優位主義を脱することができたのか
第4章 済州島の女たち ──その逞しき生活力の秘密
  • 済州島の太陽
  • ミカンがおいしくて、いつもお風呂に入れる国
  • 日本語のうまい子
  • 学があることは反日であること
  • 済州島の女たち
  • 明るく楽天的な働き者
  • 韓国人の「恨」と日本人の「もののあわれ」
  • 女の苦労と女の開放性
  • ソウルのお嬢さんのように
  • 外へ外へと向かう心
  • 文通で恋をした思い出
  • 高校卒業後の進路
第5章 島から半島へ ──軍人・学生として生きた日々
  • 看護大学に入学するが……
  • どこに活路を見いだせばいいのか
  • 軍人になりたい
  • 韓国陸軍軍人となる
  • 軍人生活のはじまり
  • 潔癖なまでの整理整頓の生活
  • 司令部から大学へ通う
  • 過酷な軍隊生活
  • リベラルなジェントルマンだった高級将校たち
  • 軍隊は反日よりは反共だった
  • 一般の会社とは逆の軍隊
  • 私の恋愛
  • エリート将校の大胆な誘い
  • 民間エリートを狙う女性軍人たち
  • 三、四年でやめる女性軍人
  • 臨床病理士の資格をめざして
  • 病院勤務と日本語学校
  • 英語学校で売春婦を教える
  • 恋人との別れ
  • 日本への慰問旅行
  • 東京経由アメリカ行き
エピローグ 定住すること
  • 東京の月、済州島の月
  • 大自然との贅沢な接触の日々
  • よき人との出会い
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