「太平洋戦争」は無謀な戦争だったのか

ジェームズ・B・ウッド著/茂木弘道訳
定 価:
本体1600円+税
判 型:
四六版上製
ページ数:
304ページ
ISBN:
9784898311370
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歴史の常識は覆された!
米国人歴史学者が検証した
「太平洋戦争」の真実!

運命は決まっていたわけではない!──「太平洋戦争」は日本にとって、勝てるはずのない無謀な戦争であった、と誰もが思い込んでいる。だが、実際は必ずしもそうではなかった。米国人歴史学者が、その真実を検証した!──日本に勝利の可能性はあった!

著者プロフィール

James B. Wood(ジェームズ・B・ウッド)
米国ウィリアムズ大学教授。近代初期のフランスが専門の優れた歴史家であり、若い頃から軍事史に興味を持つ。最新の著作『国王の軍隊:1562─1576年 フランス宗教戦争の間の、戦闘、兵士、そして社会』は、1998年、軍事歴史協会優秀書籍賞を受賞。『太平洋における日本の軍事戦略:敗北は必然だったのか』は、現代軍事史に関する本として最初の試み。1973年以来、ウィリアムズ大学で、第一次世界大戦、第二次世界大戦、ヨーロッパ史における戦争、近代戦争と軍の統率力、アメリカの小さな戦争の諸講座の教鞭をとる。戦争に対する長年の関心にもかかわらず、一度も兵役に服していない。マサチューセッツ州ウィリアムズタウンの自宅で、妻のマーガレット、三人の子供の末っ子、イエローラブラドール犬と一緒に、静かな生活を送る。

茂木弘道(もてき・ひろみち)
昭和16年年東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。富士電機、国際羊毛事務局を経て、平成2年、㈱世界出版を設立。日本の漫画を英語に対訳した日本語学習/日本情報誌「漫画人」をアメリカMangajin, Inc. と協力して発刊。「史実を世界に発信する会」(代表・加瀬英明)事務局長。「南京事件の真実を検証する会」監事。著書に『文科省が英語を壊す』(中公新書ラクレ)『小学校に英語は必要ない。』(講談社)『ゆとり教育の落とし穴』(国民会館叢書)。共著に『小学校での英語教育は必要ない』(慶応大学出版会)『ゆとり教育が国を滅ぼす』(小学館文庫)『論争・英語が公用語になる日』(中公新書ラクレ)『日本産業再構築の戦略』(エイデル研究所)ほか。

目次

序 論 運命は決まっていたわけではない
なぜ日本が敗れたかについての諸説
日本に勝利の可能性はあったのか
太平洋戦争は、最初からその運命が決まっていたのではない
第1章 日本は絶好のタイミングを選んだ
それはまさしく計画された賭けであった
日本の国家的存続が脅かされているのは紛れもない事実
この時をおいて開戦の絶好のチャンスはなかった
従来の伝統的作戦からの逸脱
大きな戦略的失敗であった「外郭要地攻略」作戦
司令長官・山本五十六は過剰拡大路線を推し進めた
戦争の焦点は突如として中国から太平洋に
ガダルカナルへ米軍上陸
第2章 本来の基本戦略をなぜ守れなかったのか
本来の戦略を実行していたなら
潜水艦と爆撃機の開発は新たな戦略的問題を提起した
ガダルカナルは撤収したが
「絶対国防圏」構想の破綻
アメリカは日本の敗北について、明確な予定表はなかった
第3章 日本軍に勝利の可能性はあった
個別的出来事の「もし、〜だったら」では意味がない
初期の勝利に酔い、絶好の機会を逃した
一九四二年半ば、日本に戦勝をもたらし得る戦略
太平洋防衛拠点は日本本土から外に向って構築すべき
日本軍の勝利の可能性を高めるチャンスがあった
第4章 商船の損耗が日本の降伏を早めた
一九四二年末までの船舶損耗の少なさが誤解を生んだ
遅すぎた船舶護送対策
護送船団方式は勝利をもたらす戦術だった
大規模護送船団の想定効果
護送船団方式が敵の潜水艦を引きつける
日本の敗北をあと一年は先送りすることができた
第5章 運用に失敗した潜水艦隊
失敗に終わった日本の潜水艦攻撃
技術的問題よりも戦略思想が問題だ
日本の潜水艦部隊にとっての好機
アメリカのシーレーン破壊に十分な潜水艦はあった
対潜防衛作戦おける潜水艦の重要性
序 論 運命は決まっていたわけではない
  • なぜ日本が敗れたかについての諸説
  • 日本に勝利の可能性はあったのか
  • 太平洋戦争は、最初からその運命が決まっていたのではない
第1章 日本は絶好のタイミングを選んだ
  • それはまさしく計画された賭けであった
  • 日本の国家的存続が脅かされているのは紛れもない事実
  • この時をおいて開戦の絶好のチャンスはなかった
  • 従来の伝統的作戦からの逸脱
  • 大きな戦略的失敗であった「外郭要地攻略」作戦
  • 司令長官・山本五十六は過剰拡大路線を推し進めた
  • 戦争の焦点は突如として中国から太平洋に
  • ガダルカナルへ米軍上陸
第2章 本来の基本戦略をなぜ守れなかったのか
  • 本来の戦略を実行していたなら
  • 潜水艦と爆撃機の開発は新たな戦略的問題を提起した
  • ガダルカナルは撤収したが
  • 「絶対国防圏」構想の破綻
  • アメリカは日本の敗北について、明確な予定表はなかった
第3章 日本軍に勝利の可能性はあった
  • 個別的出来事の「もし、〜だったら」では意味がない
  • 初期の勝利に酔い、絶好の機会を逃した
  • 一九四二年半ば、日本に戦勝をもたらし得る戦略
  • 太平洋防衛拠点は日本本土から外に向って構築すべき
  • 日本軍の勝利の可能性を高めるチャンスがあった
第4章 商船の損耗が日本の降伏を早めた
  • 一九四二年末までの船舶損耗の少なさが誤解を生んだ
  • 遅すぎた船舶護送対策
  • 護送船団方式は勝利をもたらす戦術だった
  • 大規模護送船団の想定効果
  • 護送船団方式が敵の潜水艦を引きつける
  • 日本の敗北をあと一年は先送りすることができた
第5章 運用に失敗した潜水艦隊
  • 失敗に終わった日本の潜水艦攻撃
  • 技術的問題よりも戦略思想が問題だ
  • 日本の潜水艦部隊にとっての好機
  • アメリカのシーレーン破壊に十分な潜水艦はあった
  • 対潜防衛作戦おける潜水艦の重要性

第6章 史上最強の日本海軍の敗因
歴史上最強の帝国艦隊
国家の偉大さは偉大な海軍にある
一流艦隊の建設を主導した日本とアメリカ
アメリカの「リスク艦隊」戦術の成功
どうすれば異なった結果が生まれたか
日本海軍に可能であった道
アメリカ軍の能力の限界と弱点
日本海軍は、戦略的な奇襲をかけ得る能力を持ち続けていた
太平洋におけるアメリカ軍の戦略的選択肢は限られていた
第7章 制空権をめぐる攻防戦
沖縄特攻出撃とアメリカ軍の甚大な損害
有利な航空戦力を過剰拡大と消耗戦で失った日本軍
日本の航空戦力につきまとう構造的弱点とは
構造的制約に悩まされなかったアメリカの航空戦力
日本海軍航空戦力の墓場と化した南太平洋の戦い
急増する戦闘以外での航空機の損失
神風特攻は戦争に勝つための武器ではなかった
日本本来の戦略的意図を、より厳格に固持すべきだった
第8章 太平洋に大量投入すべきだった日本陸軍
一九三九年にノモンハンで戦った陸軍と同じものだった
太平洋に不適切な規模とタイミングで投入された日本陸軍
太平洋に日本陸軍を初期から大量に投入すべきだった
米陸軍にとっても長く困難だったサイパン島攻防戦
太平洋における日本陸軍の数の不足は致命的
防衛体制がつくられていない日本軍支配下の重要地域
一九四三年半ば以前に、もう二十個師団を投入していたら
結 論 採用されなかった勝利への道
太平洋戦争は単なる生産力の戦争ではない
根拠のある可能性
日本がよりよい戦争を戦う機会が、歴史の中に実在していた
第6章 史上最強の日本海軍の敗因
  • 歴史上最強の帝国艦隊
  • 国家の偉大さは偉大な海軍にある
  • 一流艦隊の建設を主導した日本とアメリカ
  • アメリカの「リスク艦隊」戦術の成功
  • どうすれば異なった結果が生まれたか
  • 日本海軍に可能であった道
  • アメリカ軍の能力の限界と弱点
  • 日本海軍は、戦略的な奇襲をかけ得る能力を持ち続けていた
  • 太平洋におけるアメリカ軍の戦略的選択肢は限られていた
第7章 制空権をめぐる攻防戦
  • 沖縄特攻出撃とアメリカ軍の甚大な損害
  • 有利な航空戦力を過剰拡大と消耗戦で失った日本軍
  • 日本の航空戦力につきまとう構造的弱点とは
  • 構造的制約に悩まされなかったアメリカの航空戦力
  • 日本海軍航空戦力の墓場と化した南太平洋の戦い
  • 急増する戦闘以外での航空機の損失
  • 神風特攻は戦争に勝つための武器ではなかった
  • 日本本来の戦略的意図を、より厳格に固持すべきだった
第8章 太平洋に大量投入すべきだった日本陸軍
  • 一九三九年にノモンハンで戦った陸軍と同じものだった
  • 太平洋に不適切な規模とタイミングで投入された日本陸軍
  • 太平洋に日本陸軍を初期から大量に投入すべきだった
  • 米陸軍にとっても長く困難だったサイパン島攻防戦
  • 太平洋における日本陸軍の数の不足は致命的
  • 防衛体制がつくられていない日本軍支配下の重要地域
  • 一九四三年半ば以前に、もう二十個師団を投入していたら
結 論 採用されなかった勝利への道
  • 太平洋戦争は単なる生産力の戦争ではない
  • 根拠のある可能性
  • 日本がよりよい戦争を戦う機会が、歴史の中に実在していた
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