ハンバーグで考える電源のベストミックス
日本はエネルギーを作り出す資源の乏しい国で、石油、石炭、天然ガスなどはほとんど輸入に頼っているが、これらは中東情勢で価格が大きく変動するし、CO2を出して環境負荷が高い。太陽光や風力は、気象条件に左右されて大きな力にするのは難しい。原子力という縁の下の力持ちのような電源のうえに、これらがうまくミックスされて、資源のない日本も電源の心配をせずに暮らしていたのだ。原子力への批判は大きいが、もう一度、新しい日本の電源のミックスを、ハンバーグのように、ボールの中で作り上げなければならないのだ。
著者プロフィール
神津 カンナ(こうづ・かんな)
エッセイスト、作家。1958年、東京生まれ。
作曲家の神津善行、女優の中村メイコの長女として生まれる。東洋英和女学院にて、幼稚園から高等部まで学び、その後、渡米。アメリカのサラ・ローレンス・カレッジにおいて、演劇を学ぶ。帰国後第一作の『親離れするとき読む本』は、体験的家族論として注目され、ベストセラーとなる。以後、執筆活動の他、テレビ、ラジオの出演、公的機関や民間団体の審議委員なども数多く務めている。さまざまな分野をクロスオーバーさせて問題提起する、その発言や文章は、豊かな感性と冷静な視点に支えられ、幅広い層から支持されている。
また、長年、勉強を続けているエネルギー・環境問題、社会福祉関連、そして、家庭論、男女共同参画問題などの講演も積極的に行なっている。
著書に『美人女優』、『パープル・ドリーム』、『長女が読む本』、『あなたの弱さは幸せの力になる』、『メイコとカンナのことばの取説』などがある。
目次
- まえがき
- ハンバーグで考える電源のベストミックス
- 百九十三人の子どもたち
- 幸せのかたち
- 婚活
- 人間という生物
- ほんとうの防潮堤
- 柔道と「八百万」
- ささやかな一見
- カーナビの中に残る町
- マニュアルと情報開示
- 菌の効用
- 夜想曲・交響曲・狂想曲
- 「あの人は今」
- 白鳥の水かき
- エネルギーは社会の土台
- リスク分散と利便性
- 誰がスマートになるのか
- オーマイゴッド!
- ビッグデータの陰で
- ホテル・読書・三の丸
- 警鐘の鉢
- ナスカの地上絵
- ハンモックの下には何がある?
- 当たり前という帽子を取って
- 諸刃の剣
- 「隠れ君子」はどれだけいるか
- ガソリンスタンド過疎地問題は「日本の縮図」
- ●スタンドの「2013年問題」とは何か
- ●ライフライン集積所の役割を担う
- ●燃料の配送をメインにして経営を支える
- ●問われる日本人の見識
- マツダのクリーンディーゼル技術に見る「人間の力」
- ●CX-5と恋に落ちた私
- ●昔のディーゼル車とは隔世の感
- 石油探訪 東日本大震災現地ルポルタージュ
- 冷蔵庫が壊れて
- 三が日の出来事
- 「もの作り」と「もの使い」
- 五輪談義
- 「のりしろ」とおおらかさ
- 相撲と三味線
- IT時代の悩み事
- 匙とスプーン
- 現代人の落とし穴
- 宝石の在りか
- ガラクタの居場所
- プライベートブランド
- 甘い話
- 手間の価値
- 便利の反対側
- フードファディズムから見えること
- 伝統の守り方
- 「ねんかく」
- 近代町づくりの原型
- 大海原への道のり
- 私の期待する未来像
- グレーゾーンの人々
- 糸がつながる限り