「日本の時代」と世界の動き!
現在、EU、ロシア、中国、新興国と、どの国を見ても、多くの国が深刻な経済的・社会的問題を抱え綻び躓き始めている。世界の中で、日本とアメリカだけが何とか小康状態を維持していると言っても過言ではない。しかし、そのアメリカも国内に大きな社会的問題を抱えている。それは、極端な格差社会の誕生であり、年間60兆円という膨大な軍事費はむしろそうした格差是正の一環として、社会保障費にまわしたいくらいなのである。つまり、かつての覇権国家・アメリカは、いまは存在しないのである。
そうした世界状況の中で、著者はかねてから、いずれ「日本の時代」がくると主張していたが、本年、2016年は、まさにそれが証明される年であると断言する。その根拠はどこにあるのか? それは、本書を読んでのお楽しみである。
日本の新聞を読んでいると、国内問題ばかりの解説に終始して、「世界の中の日本」が見えてこない。本書を読めば、「日本の時代」と世界の動きがよくわかる。
著者プロフィール
日下 公人(くさか・きみんど)
評論家。日本財団特別顧問。三谷産業株式会社監査役。日本ラッド株式会社監査役。1930年、兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。日本長期信用銀行取締役、㈳ソフト化経済センター理事長を経て東京財団会長を務める。ソフト化・サービス化の時代をいち早く先見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍。未来予測の正確なことには定評がある。近著に『大東亜戦争「失敗の本質」』(PHP研究所)、『世界は邪悪に満ちている だが、日本は…。』(ワック)などがある。
目次
まえがきに代えて
第1章 二〇一六年 「日本の時代」が始まった
- 世界の国がすべて崩壊し始めた
- 安倍総理の指導力が世界をリードしている
- アメリカにもヨーロッパにも、もう力はない
- 埋蔵金があるからヨーロッパ人は働く気がない
- ギリシャ問題を悪用しようとした中国
- 多くの日本人がいよいよ目を覚ました
- 「日本の時代」には、たかりに気をつけないといけない
第2章 日本が目覚め、アメリカ、中国が報いを受ける
- アメリカは「テロとの戦い」に一番弱い国
- アメリカは中東からは退かざるを得なくなる
- 戦死者を出せないアメリカは「鎖国」に入る
- アメリカはもともと分裂した国だった
- 非合法活動の報いを受けるアメリカ
- 「グローバリズム」に代わるのは「ローカリズム」
- 世界を脅かす中国の病原菌・ウィルス管理の危うさ
- 「やりたい放題」の中国は報いを受けている
- 日本企業に続いてアメリカ企業も中国を逃げ出した
第3章 腹黒いアメリカとどう付き合えばいいか
- 国家への無条件降伏要求という非常識をやったアメリカ
- アメリカの策略に乗ってしまった日本
- どうしたら、あの戦争に勝てたのか?
- 欧米の腹黒さには「前期」と「後期」がある
- 日本はアメリカと貿易をやめてもいい
- 主権を奪うTPPは即座に撤回してやめるべき
- 「グローバリズム」を理解するにはユダヤ人の歴史を知る
- ユダヤ人が金に執着するのは仕方のない面がある
- グローバリズムの本当の目的が隠されてしまっている
- 日米関係を楽観視しないほうがいい
- 開国と鎖国以外に「限定開国」の道がある
第4章 なぜ、日本はこれほど素晴らしいのか
- 「ロジカル」だけの欧米、「ロジカル」も「ポエム」もできる日本
- 日本は多様な「ローカリズム」も持っている
- インドからも中国からも文化を取り入れた二千年の歴史
- ほとんどのビッグシステムが信用されている唯一の国
- 天皇の存在がすべてのシステムの信用を高めている
- 二千年の文化の熟成が「超先進国」日本を生んだ
第5章 なぜ、日本はアジア諸国から尊敬されているのか
- アジア諸国の独立を真剣に考えていたのは日本だけ
- 占領中でも日本式のやり方を押しつけなかった
- 日本の「独立支援」でアジア諸国は目覚めた
- 日本は旧ドイツ領の所有を断り、「委任統治」に変えさせた
- インドネシア、マレーシア、インドは日本に感謝している
第6章 「日本的」であることが、
そのまま世界戦略になる
- 子供たちから始まっている世界の「日本化」
- 世界の人が「日本式」を学びたがっている
- 「直観力」を持った日本人は世界一頭がいい
- 日本人の「直観力」が創造性を生む
- 「仲良く暮らそう」が日本の長期戦略
- 初戦は負けても、二回戦は必ず日本が勝っている
- 世界中で日本ほど自由な国はない
- 西洋のオリンピックよりも日本式のほうがいい
- 「情緒教育」が日本人の高い創造性を支えている
- 「日本人はなぜ親切なのか?」答えがないのが日本のよさ
- 金を出すのも、受け取るのも、日本人は理念を大事にした
- 「普通の国民」がみんな賢いのが日本
第7章 品のある日本の「文化」が世界を幸せにする
- 東大を「慶応的東大」に変えていく
- アメリカは「大衆文化」の発明で金持ち国になった
- アメリカの大衆文化を日本人はさらに高めた
- 古代から「文化」を売る国が繁栄してきた
- 「育ち」のいい日本人だから高級品をつくれる
- 日本人がつくると、どんなものも「文化的」になる
- 日本がつくる質の高い「文化」を世界の人が求めている