送るためにどうすべきか──
「若さ」「アンチエイジング」を
追求する必要なし!
「喜怒哀楽」の数が人生を
美しく磨きあげるのです!
現在83歳で「生涯現役」を貫く金さんから読者へのメッセージ──
今の自分に満足できるのは、歳をとることを肯定し、喜び、むだな抵抗をせず、むだに歳をとらないで来たからだろう。歳をとるのが楽しかった。私は自分の上に美しく刻まれた年輪が自慢なのだ……私の葬儀では、祭壇には菊のような寂しい花ではなく、色とりどりの薔薇の花でかざってほしい。でも、”そのとき”までは、もう少し待ってほしい。まだ、数年は、少なくとも九十歳までは現役で働くつもりでいるのだから──。
著者プロフィール
評論家。1934年、台湾生まれ。1959年、早稲田大学第一文学部英文科に留学。1971年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。1975年より英・ケンブリッジ大学客員研究員。早稲田大学講師などを経て、評論家としてテレビ、雑誌等で活躍。JET日本語学校理事長。2000年5月〜2006年5月まで台湾総統府国策顧問。主な著書に、『鬼かあちゃんのすすめ』『夫婦純愛』(小学館)、『凛とした生き方』『凛とした日本人』(PHP研究所)、『日本人の覚悟』『戦後日本人の忘れもの』『私は、なぜ日本国民となったのか』(ワック)などがある。
目次
はじめに 歳をとることはすばらしい
「放蕩息子の帰還」の前に立って
「喜怒哀楽」の数が人生を美しく磨きあげる
第一章 「家族という病」はありえない
── 声高な少数派の主張を「常識」にしてはいけない
ノイジー・マイノリティ
家族は個人の敵か
上野千鶴子さんへの違和感
「戦後民主主義」の虚妄に絶対的価値観を見出した人
摩擦や軋轢は人間を成長させる砥石
第二章 人生の喜び、人と出会う喜び
── 歳を経るごとに輝く一生ものの友情、信頼
「金さまに言われた言葉がずっと心に残っていました」
大家族から学んだ人間関係の機微
運命の男性との出会い
歳を経るごとに輝く一生ものの友情
育児を理由に、自分の人生に妥協しないと心に決めた
わが家の子育てルール
仕事上の関係も信頼や友情をプラスした関係に
第三章 怒りをエネルギーにかえて
── 台湾独立運動に捧げた半生
私のほうが、よほど真のラディカリストだ
台湾人二万八千人が虐殺された二・二八事件
早稲田大学第一文学部に留学する
私の魂を揺さぶった『台湾青年』
パスポートを奪われ警察に追われて
つまらないケンカをしない、ケンカはエレガントにする
堀江貴文さんは世の中をなめている!
NHKスペシャル裁判騒動
第四章 哀しみをのりこえる
── 台湾人に生まれた悲哀
台湾人に生まれた悲哀
台湾語、日本語、中国語の間にあって、どの言葉も中途半端
パスポートのない人間の不安と屈辱感は、言葉では伝わらない
日本パスポートは〝五つ星〟のパスポート
最愛の人との永遠の別れ
第五章 密かな楽しみ
── 誰にでもできる美食とおしゃれと人づきあい
美食は朝食から始まる
値段より、好きなものを選び揃える手間、それを楽しむ
自分のおしゃれを確立する
色恋なしの異性の友達を持とう
たかがテレビ、されどテレビ
「飯食いねぇ、食いねぇ」と人をもてなす
若い人たちの支援をするのが高齢者の務め
「美齢塾」という人生最後の仕上げの仕事
「ありがとう台湾オリジナルTシャツ」
真夏の夜の夢
おわりに 自立した品格のある老後を送るために
どんな老後を迎えるかは、どう生きていたかの結果だ
美しく歳を重ねるということ
まだ数年は現役で働く