だから、論語を学ぶ

渡部昇一・谷沢永一 著
定 価:
本体920円+税
判 型:
新書判
ページ数:
280ページ
ISBN:
9784898317952
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こんなに読みやすく、よく分かる!
「知の巨人」の二人の結論
人生で大切なことはみんな論語が教えてくれた!

「この本は読後感が大変さわやかで、心が洗われるような気がする。自信を失って浮遊状態にある日本人にとって、孔子の『論語』と、渡部・谷沢両先生の本書の教えは最高の人生指南だと思う」(日下公人「解説」より)

●社会生活をきちんとしていれば教養は自ずからつく
●友だちになろうと思われる人間になれ
●自分より劣った者を友にする人は成長しない
●人生とは八割以上が待つことである
●偽善のメッキは必ず剝げる
●「信」がなければ何事もなし得ない
●賭博の借金は必ず返すのが紳士の条件
●これだけは許せないという基準を持つ
●露骨な批判を嫌う日本社会の雰囲気
●実力があれば隠れたままで終わることは考えられない

著者プロフィール

渡部昇一(わたなべ・しょういち)
上智大学名誉教授。英語学者。文明批評家。昭和5年(1930年)、山形県鶴岡市生まれ。上智大学大学院修士課程修了後、独ミュンスター大学、英オクスフォード大学に留学。Dr. phil., Dr. phil. h.c.(英語学)。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞。
著書に『英文法史』などの専門書のほか、『知的生活の方法』(講談社)、『「日本の歴史」①〜⑦』『読む年表 日本の歴史』『渡部昇一 青春の読書』『古事記の読み方』『万葉種のこころ 日本語のこころ』(ワック)などの話題作やベストセラーが多数ある。2017年4月逝去。

谷沢永一(たにざわ・えいいち)
関西大学名誉教授。1929年、大阪市生まれ。関西大学大学院博士課程修了。専門は日本近代文学、書誌学。社会評論にも幅広く活躍。サントリー学藝賞、大阪文化賞、『文豪たちの大喧嘩─鷗外・逍遙・樗牛』で読売文学賞受賞。
著書に『完本・紙つぶて』『百言百話』『回想 開高健』『人間通』『歴史通』など多数がある。2011年3月逝去。

目次

プロローグ 『論語』の魅力 

『論語』の凄み──谷沢

座談の中で触れた『論語』──渡部

中島敦の『弟子』にあらわれた孔子の姿──谷沢

カントと通じる孔子の理性──渡部

1 余力

親を養うということ──渡部

社会生活をきちんとしていれば教養は自ずからつく──谷沢

2 改心

寒風吹きすさぶ中に立つ決意──谷沢

友だちになろうと思われる人間になれ──渡部

自分より劣った者を友にする人は成長しない──谷沢

過ちを改めた清水幾太郎の態度──渡部

過ちを改めた者に対する非難の論法──谷沢

3 距離

友と付き合う二つの態度──谷沢

媚びる恭しさは辱められる──渡部

媚びる態度は利己主義から出てくる──谷沢

4 待つ

人生とは八割以上が待つことである──谷沢

昼行灯で終わる覚悟──渡部

人の危うさを知り、信用できる者を見分ける力──谷沢

5 評価

最終的に世間は自分を見てくれる──谷沢

偽善のメッキは必ず剝げる──渡部

欠点を匿そうとするところに偽善が生じる──谷沢

6 大物

「器」の人と「器」でない人──渡部

「器」の人の限界──谷沢

7 学ぶ

頭にはめられた箍をはずすことが必要だ──谷沢

お手本となる河合栄治郎の勉強法──渡部

思い込みの燃料は功名心という汚い根性──谷沢

大学で学ぶ意味の一つは謙遜を知ることにある──渡部

8 信用

「信」がなければ何事もなし得ない──谷沢

金を誤魔化さなければ極貧に陥ることはない──渡部

賭博の借金は必ず返すのが紳士の条件──谷沢

借金返済に出てくる日本の国民性──渡部

9 批判

これだけは許せないという基準を持つ──谷沢

「一視同仁」は人間にできるものではない──渡部

露骨な批判を嫌う日本社会の雰囲気──谷沢

10 利益

商取引の根本は相互利益である──谷沢

自分の利ばかりを図ると怨みを買う──渡部

官僚は民間をいじめて音を上げさせたあと、利を持って天下る──谷沢

11 世間

人は人を認めたがっているものだ──谷沢

実力があれば隠れたままで終わることは考えられない──渡部

世間は人を探している──谷沢

12 運

この世には人力で防げない悪運がある──谷沢

運命のうちの何割かは理に合わないことが起こる──渡部

努力しても駄目な場合は、運が悪いと思ってあきらめろ──谷沢

13 楽しむ

楽しむ者は心が広く温かい──谷沢

「オタク」は「好む人」にすぎない──渡部

14 学者

理想の学者像とは何か──渡部

知ったことを嚙みしめて味わう境地──谷沢

本当の読書家の資格──渡部

15 自信

「自信」には思わぬ幸運を引き寄せる力があるかもしれない──渡部

人間の智恵など小さいものだ──谷沢

孔子を大きく感じさせた言葉──渡部

マイナス感情を起こす余地のない考え方──谷沢

16 吝嗇

ケチは人間好きの要素が欠落している──谷沢

貧乏でもケチにならない生き方がある──渡部

人付き合いを育む心──谷沢

17  師

君子のイメージ──渡部

縁ある者に親切にする──谷沢

学校以外で触れ合う師を持つ──渡部

18 信頼

政治の根本は「計算」でなく「感情」である──谷沢

「信頼」が崩れたとき、政治は成り立たなくなる──渡部

「空気」におもねる日本の政治家──谷沢

邪悪な光に頼って出てきた二世議員たち──渡部

19 志

志を売らずに生きて栄えを得た人──渡部

五十年を耐えて生き抜いた人への尊敬──谷沢

怪しげな道にわざわざ入らない生き方──渡部

20 融通

「四つの勿れ」の戒め──谷沢

「上善は水の如し」に通じる精神──渡部

21 時間

時間には二つの種類がある──渡部

時間に負けないための智恵──谷沢

時間に負けないものは何か──渡部

22 熟成

人生の芽、穂、実の三段階で評価する──谷沢

駄目なら三年でクビを切るアメリカの大学──渡部

血で血を洗う競争の生産性──谷沢

早熟を讚えるのはいかがなものか──渡部

若いときの印象が強すぎることで起こる錯覚──谷沢

23 若さ

「畏友」の正しい使い方──谷沢

四十代で世に聞こえない人が大きな仕事をするのは難しい──渡部

若いころからこつこつと積み重ねることが大切である──谷沢

四十歳になると自分の価値は下がると思え──渡部

問題意識の差が能力に出てくる──谷沢

24 理想

人生を楽しむひととき──渡部

仕事に追われていると気持ちが素寒貧になる──谷沢

25 正義

身内をかばうのは人間として最低限の倫理──渡部

「正義」は人を闘争に駆り立てる──谷沢

「ライト」と「ナチュラル」──渡部

両方が成り立つようにはからうのが「直」の論理──谷沢

26 勇気

「蛮勇」というマイナスの勇気がある──谷沢

戦うことができるから調停する力が出てくる──渡部

一生を通じて輝く勲章を手に入れるチャンスをつかまえる──谷沢

「仁者」と「仁なき勇者」──渡部

27 議論

議論に勝つためだけの論を相手にするな──谷沢

虫のいい話を真に受けてはいけない──渡部

責任感のない相手と議論をしても、らちがあかない──谷沢

28 親疎

親しい人に情報を漏らさない人は世間から捨てられる──谷沢

何事も人を選ばなければいけない──渡部

親密度を増すシナリオ──谷沢

29 努力

努力の第一歩は「どうしようか」と考えることである──渡部

「やらないための論理」をつくりあげる人──谷沢

幸運の確率を高くする方法──渡部

運を招き寄せる人間のタイプ──谷沢

30 気概

「名を残す」という志は人間にとって重要である──渡部

男を殺す悪妻の論理──谷沢

31 器量

「成功した人の手」と「成功しない人の手」──渡部

不渡り手形をなんべんもつかむ懲りない面々──谷沢

32 モラル

支配欲が「究極の人間モラル」を妨げる──谷沢

「恕」とは「他人の心の如し」──渡部

リラックス・タイムの場所──谷沢

33 過ち

日本社会でストレートな責任追及は難しい──谷沢

過ちを認め、改めることを避ける性質──渡部

陸軍、海軍なきあと、残った災いはエリート官僚集団──谷沢

34 好学

「フレッシュな材料」を集めて考える──谷沢

博く学ぶために雑書を読む──渡部

雑書として『論語』を読む──谷沢

35 友人 

よい耳学問と悪い耳学問──谷沢

耳学問はありがたい──渡部

36 習慣

いい習慣はいい人生をもたらす──渡部

人間は習慣でできあがっている──谷沢

37 知識

知識は使うと減るものである──渡部

話に「体温が出ているボキャブラリー」があるか──谷沢

日に新たにやっていく心構え──渡部

38 博打

飽食無為は博打よりも悪い──谷沢

博打にかける歯止め──渡部

39 藝

多藝は好ましくない──渡部

自分の道を絞る──谷沢

40 持続

人生は持続力が大切だ──谷沢

人生の書としての『論語』──渡部

エピローグ 心に住む『論語』

古典中の古典『論語』──谷沢

『論語』を読む楽しみ──渡部

 

解説 日下公人 

あとがき 渡部昇一 

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