知的生活の方法・音楽篇

渡部昇一(上智大学名誉教授)/渡部玄一(チェリスト) 著
定 価:
本体933円+税
判 型:
新書版
ページ数:
228ページ
ISBN:
9784898315972
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これを読めば、きっと
クラシック音楽が聴きたくなる!

自分を除く家族全員が音楽家という渡部昇一氏、チェリストであるご子息の玄一氏。渡部家では、どのように音楽と付き合い、生活を豊かにしてきたのか──。音楽との遭遇から留学先での思い出、音楽家に求められる資質から西洋音楽史まで、渡部父子が縦横無尽に語りつくす!「音楽と暮らす知的生活」に憧れる人へ、オススメの一冊。

著者プロフィール

渡部昇一(わたなべ・しょういち)
上智大学名誉教授。英語学者。文明批評家。1930年、山形県鶴岡市生まれ。上智大学大学院修士課程修了後、独ミュンスター大学、英オクスフォード大学に留学。Dr. phil.,Dr.phil.h.c.(英語学)。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞。著書に『英文法史』などの専門書のほか、『文科の時代』『知的生活の方法』『日本史から見た日本人』『税高くして国亡ぶ』『指導力の差』『渡部昇一の日本語のこころ』『「東京裁判」を裁判する』『日本は「侵略国家」ではない!』『「パル判決書」の真実』などの話題作やベストセラー多数がある。

渡部玄一(わたなべ・げんいち)
チェリスト。読売日本交響楽団団員。フェリス女学院講師。1963年、東京生まれ。東京藝術大学附属高校を経て、桐朋学園大学卒業。同校研究科卒。93年ニューヨークのジュリアード音楽院卒。ニューヨーク在住中には、国連総本部やリンカーン・センターなどでリサイタルを開催、好評を博す。米インディアナ大学でさらに研鑽を積んだ後、95年帰国。以来、NHK-BS、NHK-FM出演をはじめ、ソリストとして、また室内楽、オーケストラ奏者として幅広く活躍中。東京アンサンブル・ギルド主宰(http://tokyo-eg.com/)。

目次

第1章 音楽がわが人生にやってきた日
  • 音楽のない世界からの出発──渡部昇一
  • 歌を歌えなかった両親
  • モーツァルトは「西洋のガチャガチャ」
  • わが音楽人生の原点
  • 歌謡曲のレパートリーはクラス一
  • 西洋音楽がわが運命を変えた
  • 音楽の溢れる世界からの出発──渡部玄一
  • 四歳で習い始めたピアノ
  • 想像を絶した厳しい稽古
  • 楽器をやめて遊び呆けるように
第2章 音楽で食べるということ
  • 音楽家に必要な条件──玄一
  • 憧れの的だった桐朋学園
  • 「絶対音感」は必要か
  • スズキ・メソードの功績
  • 明日を思い煩うことなかれ──昇一
  • 子供の将来については放任
  • 「明日のことまで思い悩むな」でやってきた
  • 楽器代のために借金
  • 巨匠に指導を受ける危険性
  • 音楽家は「不安」の中で育まれる
  • 音楽家のステータスとは?──玄一
  • 演奏家は割に合わない職業
  • いとも簡単に進路を変えた友人
  • コンクールは利用するもの
  • 私の魂が音楽に触れた瞬間──昇一
  • ドイツでの強烈な体験
  • ドイツ民謡の虜に
  • 突如噴出した感動
  • 音楽家であった家内との縁談
第3章 東洋と西洋の狭間で
  • 音楽の神様が強いた災難──昇一
  • 名曲喫茶でのデート
  • 孤島に持っていくのは「ハイドンの楽譜」
  • イギリスで家主から訴えられる
  • 夜九時になると別の練習場へ
  • 第三次訴訟での完敗
  • 〝早くて安い〟英国の裁判
  • エディンバラの思い出──玄一
  • 暗闇のなか夢中で練習
  • ワタナベ・トリオの大活躍
  • 「チャイニーズ・ゴー・ホーム」
  • 忘れがたき「屋根の上のヴァイオリン弾き」
  • 音は美しくせよ、死に神には唾せよ──玄一
  • 師ハーヴィ・シャピローとの出会い
  • 「その糞みたいな弾き方をやめろ!」
  • 激しく、理不尽なレッスン
  • 「音ハ似セガタク、解釈ハ似セ易シ」
  • 音楽の意義は「音を楽しむこと」
  • 音楽とダンスは国境を超えて──昇一
  • 真似したいユダヤ人の相互扶助
  • 〝木〟を見て生まれる楽器がわかった
  • 西洋コンプレックスの払拭
  • ダンス学校でステップをマスター
  • 語り種になったウィンナ・ワルツ
第4章 東西の壁を超える音楽の可能性
  • 思い込みを捨てて楽しむ──玄一
  • なぜベートーヴェンは偉大か
  • 演奏のよしあしに国籍は関係ない
  • 正しい演奏とは何か
  • 〝中途半端さ〟のダイナミズム
  • 西洋音楽を生み出したもの──昇一
  • 宗教や音楽から〝情熱〟が排除された時代
  • 「ファウスト的衝動」が西欧的音楽を作った
  • 西洋音楽の終焉
  • 演歌も西洋音楽から生まれた──玄一
  • 全ての音楽ジャンルの母
  • ピタゴラスの発見した「自然倍音率」
  • 西洋音楽と他の音楽を隔てたもの
  • 演歌とベートーヴェンの共通性
  • 西洋文明を吸収しようとした時代──昇一
  • 「神様」も「知」の分析対象に
  • 「モーツァルトが消えないことを望む」
  • 大正時代に出現した「市民階級」
  • とても美人な人を「とてシャン」
  • ダンスを学校の正式教科へ
第5章 音楽のある知的生活
  • 「朝食にはモーツァルト、夕食にはバッハ」──昇一
  • お手伝いさんの給料が五百円の時代に、レッスン料三千円
  • 雛飾りに合う『ブランデンブルグ協奏曲』
  • 上質のクラシックは脳の疲れをとる
  • コンサートで空中浮遊体験
  • コンサートへの誘い──玄一
  • クラシック・コンサートの楽しみ方
  • 予備知識で更に楽しく
  • スコアに隠された素晴らしき秘密
  • 外国語をマスターするより有益
  • 「絵がわかる」とはどういうことか
  • クラシック演奏会で咳はタブー?
  • 演奏者が聴衆に近づいていくことも必要
  • 良き聴き手がよき弾き手を育てる
  • 音楽家は無限の富を相手にする仕事──玄一
  • オーケストラ演奏会がなぜ〝お得〟か
  • 演奏家の報酬はほんの僅か
  • 音楽家の存在意義
  • 音楽は死を拒絶する
  • 「お金持ち」を増やして文化振興を──昇一
  • ロシア軍に融資していたメンデルスゾーン家
  • 税制改正が音楽家を救う
  • 相続税廃止というアメリカの国際戦略
  • 文化大国ロシアの隆盛と衰退
  • 文化を育てるのは個人の金持ち
  • 日本を音楽の喜びで包みたい──玄一
  • 優秀な奏者が活躍できない現状
  • 音楽と出会えて幸運
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