歴史学の視点から、
現代中国の「?」を読み解く!
現代中国の「?」を読み解く!
経済的・軍事的に拡大し続ける中国と隣人であるかぎり、日中関係はますます緊密化の度合いを深めざるをえない。しかし誤った中国イメージのままでは、日中関係の将来設計、米中関係の判断をも誤る恐れがある。「中国についてなにも知らないかもしれない」との発想に立ちもどり、いま一度本当の中国の"常識"を検証する。
著者プロフィール
岡田英弘(おかだ・ひでひろ)
1931年東京都生まれ。東京大学大学院修了。57年『満文老档』の研究で日本学士院賞受賞。ワシントン大学客員教授、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授を歴任。モンゴル史・満洲史の研究を出発点に、中国史・日本史をはじめ、世界の歴史を巨視的・独創的視点から考察して定評がある。著書に『倭国』(中公新書)、『世界史の誕生』(ちくま文庫)、『歴史とはなにか』(文春新書)、『やはり奇妙な中国の常識』『誰も知らなかった皇帝たちの中国』『日本人のための歴史学』(ワック)など多数。
目次
第1章 外交問題は、すべて内政問題──けっして本心を明かさない、中国人の行動原理とは
「中国人は分からない」からの出発
「指桑罵槐」とはなにか
歴史教科書問題の火付け
日本・謝罪外交の始まり
中国の主人公は誰か
台湾海峡の軍事演習を知らなかった江沢民
〝中台危機〟の真相
尖閣諸島領有権問題の読み方
蔣介石の本心は日本との和解だった
戦争は政争の道具にすぎない
中越戦争で権力を掌握した鄧小平
「祖国統一」の解釈
想像もできない行動原理によって動く人々
第2章 他人はすべて敵と考える民族──なぜ彼らは、自分以外の人間を信用しないのか
かつての中国は総合商社であり、皇帝は社長だった
都市文明は交易から生まれた──農業起源説の誤り
税は市場の組合費
「都市籍」と「農村籍」が歴然とわかれる
国営企業はかつての県
漢族は存在しない
四百年もつづいた混乱
城壁で囲まれた「全世界」
他人はすべて敵
言葉は一族の中でしか通用しない
中国人にとって「外人」とは誰か
「バルネラビリティの原理」──中国人理解のキーワード
宴会における三つのタブー
会議で重要なのは開会式
殺伐たる夫婦関係
「勝てば勝つほど弱くなる」という哲学
「思想の自由」ではなく、「言語の自由」なき社会
自白しなければ罪には問われない
絶対独裁はなく、つねに合従連衡
朝貢の役割は対内的な宣伝
中国人は死ぬために生きている
第3章 現代中国語は、日本語から作られた──統一言語なき国家
中国でのビジネスは、なぜ失敗に終わるのか
〝古くからの隣人〟という幻想
日中の国交は二十世紀までなかった
反中国としての「日本」の誕生
漢籍の中の「中国人」
漢文は中国語ではない
漢文には文法がない
文字の統一が中国を作った
儒家は文章作成のエキスパート
始皇帝「焚書」の誤解
漢文は中国人の財産ではない
だから科挙は丸暗記
停滞した中国思想史
「易姓革命」——中国人の発想の根本
『史記』で築かれた「正統」の礎
歴史に書かれなかった真実
慢性的な食料不足の国
食人の歴史
日本人の中国理解が深まらない原因
詩は志なり──漢詩は理念にして情感にあらず
恋愛の不在
「心中はただの一例もない」
台湾のバイリンガルたち
現代中国語は日本語によって作られた
中国人にとって、日本は近代文明の玄関口だった
頓挫した中国語改革
三六九問題──落ちこぼれる児童たち
第1章 外交問題は、すべて内政問題──けっして本心を明かさない、中国人の行動原理とは
- 「中国人は分からない」からの出発
- 「指桑罵槐」とはなにか
- 歴史教科書問題の火付け
- 日本・謝罪外交の始まり
- 中国の主人公は誰か
- 台湾海峡の軍事演習を知らなかった江沢民
- 〝中台危機〟の真相
- 尖閣諸島領有権問題の読み方
- 蔣介石の本心は日本との和解だった
- 戦争は政争の道具にすぎない
- 中越戦争で権力を掌握した鄧小平
- 「祖国統一」の解釈
- 想像もできない行動原理によって動く人々
第2章 他人はすべて敵と考える民族──なぜ彼らは、自分以外の人間を信用しないのか
- かつての中国は総合商社であり、皇帝は社長だった
- 都市文明は交易から生まれた──農業起源説の誤り
- 税は市場の組合費
- 「都市籍」と「農村籍」が歴然とわかれる
- 国営企業はかつての県
- 漢族は存在しない
- 四百年もつづいた混乱
- 城壁で囲まれた「全世界」
- 他人はすべて敵
- 言葉は一族の中でしか通用しない
- 中国人にとって「外人」とは誰か
- 「バルネラビリティの原理」──中国人理解のキーワード
- 宴会における三つのタブー
- 会議で重要なのは開会式
- 殺伐たる夫婦関係
- 「勝てば勝つほど弱くなる」という哲学
- 「思想の自由」ではなく、「言語の自由」なき社会
- 自白しなければ罪には問われない
- 絶対独裁はなく、つねに合従連衡
- 朝貢の役割は対内的な宣伝
- 中国人は死ぬために生きている
第3章 現代中国語は、日本語から作られた──統一言語なき国家
- 中国でのビジネスは、なぜ失敗に終わるのか
- 〝古くからの隣人〟という幻想
- 日中の国交は二十世紀までなかった
- 反中国としての「日本」の誕生
- 漢籍の中の「中国人」
- 漢文は中国語ではない
- 漢文には文法がない
- 文字の統一が中国を作った
- 儒家は文章作成のエキスパート
- 始皇帝「焚書」の誤解
- 漢文は中国人の財産ではない
- だから科挙は丸暗記
- 停滞した中国思想史
- 「易姓革命」——中国人の発想の根本
- 『史記』で築かれた「正統」の礎
- 歴史に書かれなかった真実
- 慢性的な食料不足の国
- 食人の歴史
- 日本人の中国理解が深まらない原因
- 詩は志なり──漢詩は理念にして情感にあらず
- 恋愛の不在
- 「心中はただの一例もない」
- 台湾のバイリンガルたち
- 現代中国語は日本語によって作られた
- 中国人にとって、日本は近代文明の玄関口だった
- 頓挫した中国語改革
- 三六九問題──落ちこぼれる児童たち
第4章 中国近代化の原動力・秘密結社──「裏の中国史」が動かす「表の中国史」
中国人は、神とさえ取引きする
「善行」にも点数がある
表面は儒教徒、本質は道教徒
宗教としての儒教は死んだ
官僚に求められた資質──科挙の仕組み
三日二晩を過ごす独房
因果応報の思想
「清官三代」
師弟の契り
毛沢東直属・紅衛兵の誕生
独創は忌むべきものなり
「予言の科学」としての儒教
道教の実体
秘密結社は互助組織
太平道と〝五斗米道〟
朱子学は道教の思想
華僑の先駆
中国共産党も、もとをただせば秘密結社
客家コネクション
もうひとつの中国史
第5章 集団の行動原理なき国──日本人は、いかに彼らと付き合うべきか
中華思想という幻
なぜ清は欧米に屈したのか
国家の起源
「国民国家」という怪物
日本の近代化は七世紀末から始まった
日本人の誤解
清はパーソナル・ユニオンだった
恐るべき国民国家・改造計画
一国二制度のゆらぎ
「改革・開放」は、皇帝システムの焼直し
中国は中国である限り、永遠に変わらない
第4章 中国近代化の原動力・秘密結社──「裏の中国史」が動かす「表の中国史」
- 中国人は、神とさえ取引きする
- 「善行」にも点数がある
- 表面は儒教徒、本質は道教徒
- 宗教としての儒教は死んだ
- 官僚に求められた資質──科挙の仕組み
- 三日二晩を過ごす独房
- 因果応報の思想
- 「清官三代」
- 師弟の契り
- 毛沢東直属・紅衛兵の誕生
- 独創は忌むべきものなり
- 「予言の科学」としての儒教
- 道教の実体
- 秘密結社は互助組織
- 太平道と〝五斗米道〟
- 朱子学は道教の思想
- 華僑の先駆
- 中国共産党も、もとをただせば秘密結社
- 客家コネクション
- もうひとつの中国史
第5章 集団の行動原理なき国──日本人は、いかに彼らと付き合うべきか
- 中華思想という幻
- なぜ清は欧米に屈したのか
- 国家の起源
- 「国民国家」という怪物
- 日本の近代化は七世紀末から始まった
- 日本人の誤解
- 清はパーソナル・ユニオンだった
- 恐るべき国民国家・改造計画
- 一国二制度のゆらぎ
- 「改革・開放」は、皇帝システムの焼直し
- 中国は中国である限り、永遠に変わらない