誰も知らなかった皇帝たちの中国

岡田英弘(東京外国語大学名誉教授) 著
定 価:
本体933円+税
判 型:
新書版
ページ数:
288ページ
ISBN:
9784898315538
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“この厄介な国”中国を知るために
中国を国と思うから誤解する!

中国を国と思うから誤解する!──現代中国人は漢文が読めないので、19世紀までの「中国王朝」の歴史はまったく知らない。本書は、中国史上ひじょうに有名な五人の皇帝(前漢の武帝、唐の太宗李世民、元の世祖フビライ・ハーン、明の太祖洪武帝朱元璋、清の世祖康煕帝)の生涯を語りながら、中国人も知らない「中国」を描ききった出色の中国論! 日本人はもちろん、中国人自身も気づいていない“中国の本当の姿”が見えてくる!

著者プロフィール

岡田英弘(おかだ・ひでひろ)
1931年東京都生まれ。東京大学大学院修了。57年『満文老档』の研究で日本学士院賞受賞。ワシントン大学客員教授、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授を歴任。モンゴル史・満洲史の研究を出発点に、中国史・日本史をはじめ、世界の歴史を巨視的・独創的視点から考察して定評がある。著書に『倭国』(中公新書)、『世界史の誕生』(ちくま文庫)、『歴史とはなにか』(文春新書)、『やはり奇妙な中国の常識』『この厄介な国、中国』『日本人のための歴史学』(ワック)など多数。

目次

第1章 前漢の武帝──皇帝とともに生まれた「中国」
「まず皇帝ありき」が中国の歴史だ
中国の「皇帝」とは何か
「都市」は「天下」の基本単位
中国人はどこから来たのか
皇帝は中国最大の「資本家」だった
朝礼と朝貢の重要な意義
中国人が使いこなせない「漢字」の功罪
武帝が即位した裕福かつ閉塞した時代
強大な権力を握った君主の典型
匈奴征服をめざした武帝の大規模攻勢
初めて西域情報を得た張騫の探査行
南方と東方の征服
国力消耗、人口半減に陥った武帝の晩年
第2章 唐の太宗李世民──非中国人を皇帝に迎えた「第二の中国」
鮮卑出身の皇帝の出現
華北大争乱の中で浸透した遊牧民族
唐の帝室を漢人と偽る史料
遊牧民が漢化を推進した真実の理由
隋・唐の基盤をつくった鮮卑人・漢人の連合体
胡漢混交の「新しい中国人」の誕生
国書を送ったのは聖徳太子ではない
武帝に匹敵した隋の煬帝の施策
煬帝に反旗を翻した李淵・李世民の父子
同盟を求めたトルコ帝国とはどういう国か
唐の建国と「禅譲」という空虚な形式
兄弟を殺害して皇帝となった李世民
遊牧帝国の君主を兼ねた中国皇帝
チベットと姻戚関係を結ぶ
太宗第一の失敗、後継者選び
太宗第二の失敗、高句麗遠征
唐の終幕を予告した則天武后と安・史の乱
第3章 元の世祖フビライ・ハーン──モンゴル帝国が支配した元朝
モンゴル帝国と元朝は同一ではない
モンゴル帝国登場に至る背景
夷狄の強圧から生まれた「中華思想」
チンギス・ハーンがつくった帝国
帝国の絆は婚姻関係にあった
チンギス・ハーン家の四人の後継者
チンギスの死と後継者選出の大会議
第二代オゴデイがつくったカラコルムの町
世界史を変えたヨーロッパ大遠征
動揺するモンゴル帝国
帝位継承戦争の勝者、フビライ・ハーン
「大元」を建て「大都」を築く
朝鮮と南宋を制し、日本攻略を狙う
行政機構を整備し、モンゴル文字を開発
フビライの後継者たちの混沌
第1章 前漢の武帝──皇帝とともに生まれた「中国」
  • 「まず皇帝ありき」が中国の歴史だ
  • 中国の「皇帝」とは何か
  • 「都市」は「天下」の基本単位
  • 中国人はどこから来たのか
  • 皇帝は中国最大の「資本家」だった
  • 朝礼と朝貢の重要な意義
  • 中国人が使いこなせない「漢字」の功罪
  • 武帝が即位した裕福かつ閉塞した時代
  • 強大な権力を握った君主の典型
  • 匈奴征服をめざした武帝の大規模攻勢
  • 初めて西域情報を得た張騫の探査行
  • 南方と東方の征服
  • 国力消耗、人口半減に陥った武帝の晩年
第2章 唐の太宗李世民──非中国人を皇帝に迎えた「第二の中国」
  • 鮮卑出身の皇帝の出現
  • 華北大争乱の中で浸透した遊牧民族
  • 唐の帝室を漢人と偽る史料
  • 遊牧民が漢化を推進した真実の理由
  • 隋・唐の基盤をつくった鮮卑人・漢人の連合体
  • 胡漢混交の「新しい中国人」の誕生
  • 国書を送ったのは聖徳太子ではない
  • 武帝に匹敵した隋の煬帝の施策
  • 煬帝に反旗を翻した李淵・李世民の父子
  • 同盟を求めたトルコ帝国とはどういう国か
  • 唐の建国と「禅譲」という空虚な形式
  • 兄弟を殺害して皇帝となった李世民
  • 遊牧帝国の君主を兼ねた中国皇帝
  • チベットと姻戚関係を結ぶ
  • 太宗第一の失敗、後継者選び
  • 太宗第二の失敗、高句麗遠征
  • 唐の終幕を予告した則天武后と安・史の乱
第3章 元の世祖フビライ・ハーン──モンゴル帝国が支配した元朝
  • モンゴル帝国と元朝は同一ではない
  • モンゴル帝国登場に至る背景
  • 夷狄の強圧から生まれた「中華思想」
  • チンギス・ハーンがつくった帝国
  • 帝国の絆は婚姻関係にあった
  • チンギス・ハーン家の四人の後継者
  • チンギスの死と後継者選出の大会議
  • 第二代オゴデイがつくったカラコルムの町
  • 世界史を変えたヨーロッパ大遠征
  • 動揺するモンゴル帝国
  • 帝位継承戦争の勝者、フビライ・ハーン
  • 「大元」を建て「大都」を築く
  • 朝鮮と南宋を制し、日本攻略を狙う
  • 行政機構を整備し、モンゴル文字を開発
  • フビライの後継者たちの混沌
第4章 明の太祖洪武帝朱元璋──貧民出身の皇帝が建てた最後の漢人王朝
宗教秘密結社出身の異端の皇帝
フビライ死後、元朝帝室を揺るがす内争
社会の最下層に生まれた朱元璋
宗教秘密結社は中国の裏の主役
元朝を放逐、「大明皇帝」となる
「正統」の資格を得るための戦い
青海、雲南、満洲の元軍を制覇
モンゴル帝国から独立した「朝鮮」の建国
大粛清を余儀なくされた背景
洪武帝の「文化大革命」
日本を「不征の国」とした奇怪な話
モンゴル帝国に見習った衛所・里甲制
脱紅巾・脱白蓮教政策の結末
第三代永楽帝に見る元朝の影
第5章 清の聖祖康煕帝──満洲人の征服王朝「清帝国」
康煕帝の人品を伝えた第一級史料
なぜ清朝は中国王朝ではなかったか
誤解はなぜ生じたか
建州女直人ヌルハチが建てた後金国
第二代ホンタイジ、「大清」を号す
明朝の自滅、清軍北京に入る
康煕帝の父、順治帝という人物
続々満洲化する中国人
「八旗」という特権階級
少年皇帝康煕帝をあやつる四人の後見人
三藩の乱を奇貨に転ずる
ロシア人の侵出を止めたネルチンスク条約
康煕帝最大の敵将ガルダン
モンゴルの内紛、オイラト対ハルハの戦い
清軍、ガルダン軍に大敗す
康煕帝の親征、ゴビ砂漠縦断作戦
ジョーン・モドの戦いとガルダンの死
チベットを保護下に入れる
康煕帝晩年の苦慮、皇太子問題
史上最高の名君が残したもの
歴代皇帝年表
第4章 明の太祖洪武帝朱元璋──貧民出身の皇帝が建てた最後の漢人王朝
  • 宗教秘密結社出身の異端の皇帝
  • フビライ死後、元朝帝室を揺るがす内争
  • 社会の最下層に生まれた朱元璋
  • 宗教秘密結社は中国の裏の主役
  • 元朝を放逐、「大明皇帝」となる
  • 「正統」の資格を得るための戦い
  • 青海、雲南、満洲の元軍を制覇
  • モンゴル帝国から独立した「朝鮮」の建国
  • 大粛清を余儀なくされた背景
  • 洪武帝の「文化大革命」
  • 日本を「不征の国」とした奇怪な話
  • モンゴル帝国に見習った衛所・里甲制
  • 脱紅巾・脱白蓮教政策の結末
  • 第三代永楽帝に見る元朝の影
第5章 清の聖祖康煕帝──満洲人の征服王朝「清帝国」
  • 康煕帝の人品を伝えた第一級史料
  • なぜ清朝は中国王朝ではなかったか
  • 誤解はなぜ生じたか
  • 建州女直人ヌルハチが建てた後金国
  • 第二代ホンタイジ、「大清」を号す
  • 明朝の自滅、清軍北京に入る
  • 康煕帝の父、順治帝という人物
  • 続々満洲化する中国人
  • 「八旗」という特権階級
  • 少年皇帝康煕帝をあやつる四人の後見人
  • 三藩の乱を奇貨に転ずる
  • ロシア人の侵出を止めたネルチンスク条約
  • 康煕帝最大の敵将ガルダン
  • モンゴルの内紛、オイラト対ハルハの戦い
  • 清軍、ガルダン軍に大敗す
  • 康煕帝の親征、ゴビ砂漠縦断作戦
  • ジョーン・モドの戦いとガルダンの死
  • チベットを保護下に入れる
  • 康煕帝晩年の苦慮、皇太子問題
  • 史上最高の名君が残したもの
歴代皇帝年表
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