渡部昇一の日本語のこころ

渡部昇一(上智大学名誉教授) 著
定 価:
本体880円+税
判 型:
新書版
ページ数:
244ページ
ISBN:
9784898315194
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なぜ日本人だけが、
桜の花に感激するのであろうか?

日本人が魂のふるさとに回帰するとき、その表現は大和言葉になる──大反響を呼んでいるベストセラー『渡部昇一の昭和史』『渡部昇一の日本史快読!』の著者、渡部昇一が喚起する“日本語のこころ”。“祝日の歌”“漢語”“万葉集”などを引用して、日本人にとっての日本語の意味を明らかにする。

著者プロフィール

渡部昇一(わたなべ・しょういち)
上智大学名誉教授。英語学者。文明批評家。1930年、山形県鶴岡市生まれ。上智大学大学院修士課程修了後、独ミュンスター大学、英オクスフォード大学に留学。Dr. phil.,Dr.phil.h.c.(英語学)。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞。著書に『英文法史』などの専門書のほか、『文科の時代』『知的生活の方法』『日本史から見た日本人』『指導力の差』『「東京裁判」を裁判する』『日本は「侵略国家」ではない!』『「パル判決書」の真実』『「戦後」混迷の時代に』『知的生活の方法・音楽篇』(渡部玄一・共著)などの話題作やベストセラー多数がある。

目次

序章 日本語の核心にあるもの──「祝日の歌」と大和言葉
四大節の歌と日本語
一月一日と紀元節の歌
天長節、明治節の歌と国歌
核心部にある大和言葉
第1章 大和言葉こそ日本語の源──外来語の漢語と何が違うか
大和言葉とは何か
漢語主体の歌の心情
大和言葉主体の歌の心情
外来語が外来思想を運ぶ
魂のふるさととしての大和言葉
名句は大和言葉から成る
大和言葉の世界と漢語の世界
漢語を用いる効用
片かな外来語の異化効果
蕪村・芭蕉・円朝と大和言葉
茂吉のグレイトネスの淵源
「新しい皮袋」説の浅薄
現代俳句は外来の語彙から腐る
山頭火の国民詩人たる由縁
第2章 和歌の前に貧富貴賤女卑なし──万葉集の思想と大和魂の本質
「和歌の前に平等」の原理
和歌三神のバランス
和歌の前では性差別も消滅
和歌の起源と古代日本人の言語意識
皇子と火焼老人の交歓
神武天皇の歌と言霊の思想
大和魂の本源は求婚歌だ
男女の愛で国がはじまる
言葉自体に霊力がある国
「言挙げせぬ国」の起源
「伝達の手段」を超えるもの
なぜ表現が短縮されるか
舒明天皇とシェイクスピアの違いの根源
序章 日本語の核心にあるもの──「祝日の歌」と大和言葉
  • 四大節の歌と日本語
  • 一月一日と紀元節の歌
  • 天長節、明治節の歌と国歌
  • 核心部にある大和言葉
第1章 大和言葉こそ日本語の源──外来語の漢語と何が違うか
  • 大和言葉とは何か
  • 漢語主体の歌の心情
  • 大和言葉主体の歌の心情
  • 外来語が外来思想を運ぶ
  • 魂のふるさととしての大和言葉
  • 名句は大和言葉から成る
  • 大和言葉の世界と漢語の世界
  • 漢語を用いる効用
  • 片かな外来語の異化効果
  • 蕪村・芭蕉・円朝と大和言葉
  • 茂吉のグレイトネスの淵源
  • 「新しい皮袋」説の浅薄
  • 現代俳句は外来の語彙から腐る
  • 山頭火の国民詩人たる由縁
第2章 和歌の前に貧富貴賤女卑なし──万葉集の思想と大和魂の本質
  • 「和歌の前に平等」の原理
  • 和歌三神のバランス
  • 和歌の前では性差別も消滅
  • 和歌の起源と古代日本人の言語意識
  • 皇子と火焼老人の交歓
  • 神武天皇の歌と言霊の思想
  • 大和魂の本源は求婚歌だ
  • 男女の愛で国がはじまる
  • 言葉自体に霊力がある国
  • 「言挙げせぬ国」の起源
  • 「伝達の手段」を超えるもの
  • なぜ表現が短縮されるか
  • 舒明天皇とシェイクスピアの違いの根源
第3章 文化大輸入時代の和歌と言霊観──尚古にして発展の真髄
重要なのは万葉集と古今集の連続性
外国文化輸入の例、外と茂吉
漢語漢籍大流入時代の古今集の意義
大和言葉の普遍性
古今集序文、平安朝日本人のこころばえ
「鬼神をもあはれと思はせ」る言霊
注目すべきは尚古にして発展の相
なぜ帰化人・王仁が「歌の父」か
侍女が「歌の母」となった平等感覚
名歌となる条件とは何か
「和歌の徳」という観念の広がり
昇進を助けた和歌の徳
貫之に引き継がれた言霊信仰
「鬼神」や「天地」を動かす
頼朝が焼き付けた「和歌の徳」
「古今伝授」と細川幽斎のドラマ
壬生忠岑の言霊的伝説
縁起かつぎの原型
曾根好忠に見る「差別と平等」
和歌における革新とは何か
第4章 漢語混入で変わった日本語の原理──外来語受容にみる英・独・仏語との比較
源氏物語の特殊な難解さとは
ノーマン・コンクェストの甚大な影響
ゲルマン語とラテン語はいかに混合したか
外来語混淆のパタン
英文学史と日本文学史の相似性
難解さの主因は語彙の代替
古英語と同質、大和言葉の根の張り方
漢語の混入で日本語の原理が変わった
フィヒテの「生ける言語」と「死せる言語」
国語の感性的部分と超感性的部分
言語の前の不平等
カントの哲学用語は難解か
何が知的英文と感性的英文を分けるか
海を謳う詩の言語
スチーブンソンと三島由紀夫の辞世
余論/海の記憶・日本人とゲルマン人
第5章 精神的資産としての日本語──国語教育と外国語教育の役割
桜に感動する日本人
母国語の蓄積効果
国語は世界観である
「精神的私有財産」としての近親関係語
日本語のタテ糸を追放した国語教育
「精神的私有財産」の継承を
外国語教育は知性の練磨である
外国語教育と国語教育の真の意義
第3章 文化大輸入時代の和歌と言霊観──尚古にして発展の真髄
  • 重要なのは万葉集と古今集の連続性
  • 外国文化輸入の例、外と茂吉
  • 漢語漢籍大流入時代の古今集の意義
  • 大和言葉の普遍性
  • 古今集序文、平安朝日本人のこころばえ
  • 「鬼神をもあはれと思はせ」る言霊
  • 注目すべきは尚古にして発展の相
  • なぜ帰化人・王仁が「歌の父」か
  • 侍女が「歌の母」となった平等感覚
  • 名歌となる条件とは何か
  • 「和歌の徳」という観念の広がり
  • 昇進を助けた和歌の徳
  • 貫之に引き継がれた言霊信仰
  • 「鬼神」や「天地」を動かす
  • 頼朝が焼き付けた「和歌の徳」
  • 「古今伝授」と細川幽斎のドラマ
  • 壬生忠岑の言霊的伝説
  • 縁起かつぎの原型
  • 曾根好忠に見る「差別と平等」
  • 和歌における革新とは何か
第4章 漢語混入で変わった日本語の原理──外来語受容にみる英・独・仏語との比較
  • 源氏物語の特殊な難解さとは
  • ノーマン・コンクェストの甚大な影響
  • ゲルマン語とラテン語はいかに混合したか
  • 外来語混淆のパタン
  • 英文学史と日本文学史の相似性
  • 難解さの主因は語彙の代替
  • 古英語と同質、大和言葉の根の張り方
  • 漢語の混入で日本語の原理が変わった
  • フィヒテの「生ける言語」と「死せる言語」
  • 国語の感性的部分と超感性的部分
  • 言語の前の不平等
  • カントの哲学用語は難解か
  • 何が知的英文と感性的英文を分けるか
  • 海を謳う詩の言語
  • スチーブンソンと三島由紀夫の辞世
  • 余論/海の記憶・日本人とゲルマン人
第5章 精神的資産としての日本語──国語教育と外国語教育の役割
  • 桜に感動する日本人
  • 母国語の蓄積効果
  • 国語は世界観である
  • 「精神的私有財産」としての近親関係語
  • 日本語のタテ糸を追放した国語教育
  • 「精神的私有財産」の継承を
  • 外国語教育は知性の練磨である
  • 外国語教育と国語教育の真の意義
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