読む年表 中国の歴史

岡田英弘(東京外国語大学名誉教授) 著
定 価:
本体920円+税
判 型:
新書判
ページ数:
312ページ
ISBN:
9784898317143
アマゾンのショッピングサイトへリンクします。
中国の歴史を見れば、
この国の正体が分かる!

ちまたに流布する“中国五千年の歴史”も“十数億の漢民族”もすべてウソだ。その答えは本書を読めば手に取るようによく分かる。
中国の正史は紀元前221年、秦の始皇帝の中国統一から始まる。しかし、その歴史は、「秦」、「漢」、「唐」、「元」、「明」、「清」といった異種族の王朝が興亡を繰り返していただけの2200年間であって、これが明治以来、日本人が研究してきた「シナ通史」なのである。
ところが、戦後、この「シナ通史」を中国史とされ、ウソばかりが流布して今日にいたっている。実際、中国という言葉、中国という国が誕生したのは、1912年の中華民国からなのである。シナ史の泰斗が暴く「中国五千年」のウソ!

著者プロフィール

岡田英弘(おかだ・ひでひろ)

東京外国語大学名誉教授。
1931年、東京生まれ。東京大学大学院修了。57年『満文老檔』の研究で日本学士院賞を受賞。ワシントン大学客員教授、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授を経て、現在に至る。モンゴル史・満洲史を出発点に、中国史、日本史をはじめ世界の歴史を巨視的な視点から考察した独創性は高い評価を得ている。著書に『倭国の時代』『日本史の誕生』『世界史の誕生』(以上ちくま文庫)、『歴史とはなにか』(文春新書)、『中国文明の歴史』(講談社現代新書)、『誰も知らなかった皇帝たちの中国』『この厄介な国、中国』『やはり奇妙な中国の常識』(以上ワック)など多数がある。また、これら著作物の集大成として、現在、藤原書店より「岡田英弘著作集 全8巻」を刊行中。

目次

  • まえがき

序 章 「中国」とは何か。「中国人」とは何か

  • 「中国」本来の意味は「首都」
  • 「中国」と「蛮夷」
  • 満洲人と日本人の影響
  • 「中国人」や「漢族」という種族は存在しない
  • 「中国五千年」のウソ
  • 五つの時代区分

第1章 歴史以前の「中国」

  • 黄河文明──洛陽から四方に広がる商業圏 紀元前3000〜2000
  • 最古の都市国家「夏」の成立 紀元前1900?
  • 殷王朝の興亡と周の建国 紀元前16〜15世紀/紀元前1111
  • 春秋・戦国時代 紀元前770〜221
  • 「雅言」の誕生──漢字と中国語の起源 紀元前9〜3世紀
  • 孔子誕生と諸子百家 紀元前6〜3世紀
  • 百家争鳴 紀元前6〜3世紀

第2章 《第一期・前期》「中国史」のはじまり

  • 秦の始皇帝が天下を統一 紀元前221
  • 郡・県制度と商業都市ネットワークの構築 紀元前221
  • 始皇帝、焚書令を出す 紀元前213
  • 劉邦、漢を建国 紀元前202
  • 漢の武帝即位 紀元前141
  • 皇帝制度の確立 紀元前2世紀
  • 漢、五経博士をおく 紀元前136
  • 太初暦の採用 紀元前104
  • 司馬遷『史記』を編纂 紀元前100前後
  • 王莽、「新」王朝をたてる──前漢滅亡 紀元8
  • 倭奴国王が後漢に朝貢 57
  • 班固『漢書』を著す 76〜84
  • 蔡倫、製紙法を発明 105
  • 倭国王帥升の朝貢 107
  • 儒教のテキスト公定化 175
  • 黄巾の乱 184
  • 五斗米道の乱 184

第3章 《第一期・後期》中国世界の拡大

  • 三国の鼎立と漢族の絶滅 200〜230
  • 諸葛孔明の死と司馬懿の栄進 234
  • 倭の女王卑弥呼の使節団が来訪 239
  • 晋、三国を統一 280
  • 『三国志』の成立──「魏志倭人伝」 3世紀後半
  • 八王の乱/五胡十六国時代はじまる 300/304
  • 南北朝時代はじまる 439
  • 中国人と中国語の変質 4〜6世紀
  • 突厥(トルコ)帝国の建国 552

第4章 《第二期・前期》新しい「漢族」の時代

  • 隋の天下統一 589
  • 科挙制度はじまる 607
  • 倭王多利思比孤が隋の煬帝に朝貢 608
  • 煬帝の高句麗征伐と南方遊幸 612〜616
  • 唐の建国 618
  • 玄武門の変──唐の太宗即位 626
  • 東突厥(トルコ第一帝国)の滅亡 630
  • 白村江の戦い 663
  • 突厥(トルコ)第二帝国の建国 682
  • 則天武后が皇帝に即位 690
  • ウイグル帝国の建国とキルギズ人の反乱 744/840
  • 「安史の乱」がおこる 755
  • 唐詩の隆盛 8世紀
  • 唐の滅亡と五代十国時代のはじまり 907

第5章 《第二期・後期》「北の遊牧民」の時代へ

  • 契丹(キタイ)帝国の建国 916
  • 宋の建国 960
  • 宋にみる中国の官僚制度 10世紀後半
  • 澶淵の盟 1004
  • 『資治通鑑』完成 1084
  • 女直(ジュシェン)人が金帝国を建国 1115
  • 契丹(キタイ)の耶律大石が西遼を建国 1124
  • 朱熹、朱子学(宋学)を完成 12世紀
  • チンギス・ハーン、モンゴル帝国建国 1206
  • 三男オゴデイが第二代ハーンに就任 1229
  • オゴデイ・ハーンのヨーロッパ大遠征 1236
  • フビライ、「パクパ文字」を公布 1269
  • フビライ、元の国号を採用 1271
  • 南宋の滅亡、元が中国統一 1276

第6章 《第三期・前期》世界帝国と宗教秘密結社

  • フビライ・ハーン、元の行政組織をさだめる 13世紀後半
  • モンゴル帝国の構造 13〜14世紀
  • テムルが元朝ハーン位を継承 1294
  • 元朝、『遼史』『金史』『宋史』を編纂 1345
  • 紅巾の乱がおこる 1351
  • 高麗・恭愍王のクーデター 1356
  • 朱元璋、明朝を建国 1368
  • 胡惟庸の獄 1380
  • 洪武帝、「里甲制」をさだめる 1381
  • フビライの王統断絶 1388
  • 靖難の役 1399
  • 土木の変 1449
  • 明朝、万里の長城を建設 15〜16世紀後半
  • 明とモンゴルの和議が成立 1570
  • 女直族ヌルハチ、後金を建国 1616
  • 満洲人の国「大清」建国 1636
  • 明朝の滅亡 1644

第7章 《第三期・後期》満洲人による中国の変容

  • 清朝、漢人に辮髪を強制 1645
  • 清朝の階級制度 17世紀中盤
  • 「三藩の乱」がおこる 1673
  • ガルダン・ハーン、モンゴルのハルハ部に侵入 1688
  • ネルチンスク条約締結 1689
  • ジョーン・モドの戦い 1696
  • 康熙帝、チベットを保護下にいれる 1720
  • 張廷玉ら『明史』を完成 1735
  • 清朝、全モンゴル系種族を支配下におさめる 1771
  • 天理教の乱/第一次阿片戦争 1813/1840
  • 太平天国の乱 1851
  • 第二次阿片戦争おこる 1856
  • イスラム教徒の反乱 1862
  • 日清戦争おこる 1894

第8章 《「中国」以降》日本文明圏の時代

  • 義和団の乱 1900
  • 科挙試験の廃止 1905
  • 辛亥革命の勃発 1911
  • 蔣介石の国民政府、台湾へ 1949
  • 中華人民共和国以降の中国 1949〜

「中国」の歴史年表

トップへ戻る