戦艦大和 表紙

戦艦大和 最後の乗組員の遺言

八杉康夫 著
定 価:
本体920円+税
判 型:
新書判
ページ数:
236ページ
ISBN:
9784898317174
アマゾンのショッピングサイトへリンクします。
少年兵が見た涙でにじむ戦艦大和の最後

戦艦大和は、第二次世界大戦当時、世界最大の戦艦だった。全長263m。幅38.9m。出力15万馬力。主砲は、長さ21m、砲口径46cmで、「戦艦相手でも一発で轟沈させられる。敵機の編隊の中で炸裂したら10機は落ちる」と言われた。まさに日本が誇る“不沈艦大和”であった。しかし、その戦果は薄く、不完全燃焼の歴戦であった。
そして、日本の敗色が濃厚となった1945年4月、沖縄に向けて出撃する。だが、4月7日、鹿児島県の坊の岬沖西方に出た途端、米海軍のイナゴの大群のごとき艦載機に襲われ、2時間あまりの激戦の末、大和はついに横転して沈没した。
15歳で海軍を志願した著者・八杉康男氏は、海兵団、砲術学校で抜群の才能を発揮。大和乗艦時は上等水兵だったが、抜擢されて艦橋トップの測距儀を担当した。その八杉氏の目には、戦艦大和の最後がどのように映ったのか? 大和沈没の真実とは?!

著者プロフィール

八杉 康夫(やすぎ やすお)
1927年、広島県福山市生まれ。43年、15歳で海軍志願。45年、戦艦大和の乗組員になり、4月、沖縄特攻で撃沈されるも生還。敗戦まで本土決戦用の陸戦隊員として訓練中、原爆投下で救援活動に行き、被爆者となる。55年から戦艦大和探索の資料集めに奔走。80年、第一次大和捜索、85年、第四次捜索で海底の大和に再会。NHKと全貌を映像化。語り部として講演を続ける。調律事務所、弦楽器工房経営。

目次

第1章 音楽好きの軍国少年

  • 武士の商法で豆腐屋さん
  • 早かった舞台経験
  • 「もらい子」だった父
  • 配属将校と気が合わず中学退学

 

第2章 海軍志願兵

  • 「甲上」で合格
  • 「天皇のために死ぬ」に疑問
  • 二十四分隊へ
  • 横須賀で聞いた「新型爆弾」

 

第3章 大和乗艦

  • お前の行き先は「大和じゃ」
  • ついに大和乗艦
  • お守り袋の日記

第4章 永訣の朝

  • 母に最敬礼
  • 天一号作戦発令
  • 草鹿参謀長の一言
  • 力むなよ、力まなければ勝てるぞ
  • 発射されなかった敵の魚雷
  • 片道燃料説は噓

第5章 女神微笑まず

  • レンズを真っ黒にした大群
  • 後部艦橋全滅
  • 「奄美大島にもいけんぞ」
  • 「逃げる気か」と喉元へ日本刀
  • 眼前での割腹自殺

第6章 撃沈、四時間の漂流

  • 大和撃沈、そして大爆発
  • 降ってきた「アルミ箔」
  • 丸太を流してくれた高射長
  • 睡魔に負けた少年兵

第7章 重油の海からの生還

  • 繰り広げられた醜態
  • 嬉しかった殴打
  • 満開の桜に男泣き
  • 祖母の予言
  • 割り込み男を殴りつける

第8章 本土決戦隊へ

  • 第二十三陸戦隊へ
  • 自爆部隊の絶望的訓練

第9章 ヒロシマの閃光  131

  • 朝礼で見た白い光
  • 足を摑んだ少年

 第10章 呉警備隊で聞いた玉音放送

  • 原隊復帰
  • 「我、敗戦に考ガフ」
  • 「原爆は神の再来です」
  • 遺族には言えなかった

第11章 再生のきっかけ

  • 素人のど自慢
  • 保本少尉の妻
  • 神戸で調律師修行
  • 原爆の後遺症が

第12章 大和探し

  • 豊かさへの疑問
  • 名著にあった「徳之島沖」
  • むなしかった慰霊祭
  • NHKとの合同調査
  • 浮き上がった頭蓋骨
  • 辺見じゅんさん、角川春樹さん

第13章 真相を求めて

  • 川崎高射長の娘と妻
  • 「漂流者の手首を切り捨てた」
  • 吉田満氏に問いただす
  • ありえない「新生日本」
  • 水交会員も憤激
  • 海水注入による犠牲は事実

第14章 語り部として

  • 大艦巨砲主義はなぜ
  • 一発も撃てなかった主砲
  • 「生きろ、生き抜くんだ」
  • 戦争責任について
  • 大和の語り部として

旧版あとがき

付録   戦艦大和小史

トップへ戻る