アメリカの巨大な病_表紙

アメリカの巨大な病

いま、日本が直視すべき

増田悦佐(経済アナリスト) 著
定 価:
本体1300円+税
判 型:
四六判並製
ページ数:
200ページ
ISBN:
9784898314395
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人種差別大国・利権大国アメリカの惨状

株価やGDP成長率を見ると、アメリカ経済は一見好調だ。しかし、それは表面的な姿に過ぎない。所得が伸び、消費が活発なのは高所得者だけで、庶民は深刻な貧困にあえいでいる。下層民はスーパーマーケットどころか、100円ショップでの買い物さえ厳しくなるほど困窮しているという。
近年、貧困を背景とした暴動がアメリカ各地で頻発しているが、金持ち連中は知らん顔。自分たちはgated community(ゲイテッド・コミュニティ)という塀で覆われた住宅地で、高みの見物を決め込んでいる。
アメリカをすさまじい格差社会にしたのは、政治家・ロビイスト・利権産業の癒着だ。彼らが金持ちに有利な国づくりに励んでいる。
昨今の日本では「アメリカの制度を導入しよう」と主張する経済学者、経営者が増えている。だが、本書を読めば、そんなことは口にできないはずだ!

著者プロフィール

増田悦佐(ますだ・えつすけ)

経済アナリスト・文明評論家。
1949年、東京生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修了後、ジョンズ・ホプキンス大学大学院で歴史学・経済学の博士課程修了。ニューヨーク州立大学助教授を経て、外資系証券会社で、建設・住宅・不動産担当アナリストなどを務め、現在に至る。
著書に『不確実な未来を生き抜くための「経済史」』(SB新書)、『城壁なき都市文明 日本の世紀が始まる』(NTT出版)、『戦争とインフレが終わり激変する世界経済と日本』(徳間書店)、『やはり、日本経済の未来は世界一明るい!』(ワック)など多数がある。

目次

はじめに

  •  

第1章 アメリカ化が進みつつある日本

  • アメリカ型社会のマネは不幸を招くだけ
  • 経営者と従業員の所得格差が広がっている日本社会
  • 先進国の中で最も低賃金労働者が多い国とは
  • なぜ「自社株買い」が増えているのか
  • 「ROE経営」は借金の割合を増やす不健全な経営
  • アメリカ方式の導入で薬価が高騰したオーストラリア
  • くるぶしまで糞尿に浸かった状態で飼育される牛
  • 著作権料の支払いを免れているグーグル

第2章 人種差別大国アメリカ

  • クルマ社会が差別を助長した
  • 最近は年中行事のように頻発する暴動
  • 白人の中でも格付けの差がある
  • アメリカ黒人には「アメリカンドリーム」はない
  • 中学校に麻薬の売人が来て取引
  • アイルランド系のケネディ一家の成功は、例外中の例外
  • 日本よりはるかに厳しい学歴社会
  • 貧しい者同士が対立しても、金持ちは高みの見物

第3章 止まらない中流・下流の貧困化

  • 貧困のために百円ショップでの買い物も厳しくなってきた庶民
  • 潰れて野ざらしにされるショッピング・モール
  • アマゾンの売り上げは伸びているが、利益は拡大していない
  • 金持ちは健康でスマート、貧乏人は不健康で肥満
  • 医療費が払えずに、銃で自殺する高齢のプアホワイト
  • 移民流入がさらに賃金を低くしている

第4章 金持ちはますます金持ちになる

  • 金持ちだけが潤う経済は、だんだん冷え込む
  • 経営者の退職金は七十三億円、従業員は三十八万円
  • 社外取締役制度の本質は、役員同士が収入を上げるための助け合い
  • 似た者同士のアメリカと中国
  • 倒すべき相手がわかれば、下層の不満が一気に噴出するかもしれない

第5章 利権産業・ロビイスト・

    政治家の癒着こそ、全ての元凶

  • 二度の世界大戦が独占企業を許すようになった
  • ロビイストを雇える業界だけが儲かる
  • 金融業界は実質的な国有産業
  • 金融機関経営者は不正をしても刑を免れる
  • クリーンなイメージだが、実は悪辣な民主党やリベラル派
  • 政治家を手なずけて、国民に高い薬を買わせる医療業界
  • 軍需産業の利権のための戦争
  • 第二次大戦で日本が敗れた本当の理由
  • 心の底ではイスラム国のような組織の出現を願っている
  • 収益に対して、アップルの税金の支払いが少ない理由
  • 一流大学の学費は一年間で約六百万円もかかる
  • 学費ローンの急増と若者を食い物にする営利事業大学
  • 三回目の有罪判決を受けたら、問答無用で終身刑が科される
  • 受刑者を低賃金で働かせてボロ儲けする民営刑務所
  • 警察の解散を決めた自治体

第6章 アメリカ経済は今どうなっているのか

  • 好調な情報通信産業、壊滅的な自動車産業
  • 小売業は、金持ち向けの店と庶民向けの店に分かれていく
  • 補助金でも支えきれないほど厳しくなってきた農業
  • 経営者にとって、会社の存続よりも自分の報酬を増やすほうが大事
  • アメリカと中国がともに没落すれば、世のため、人のためになる
  • 経済は市場に任せて、国が関与すべきではない

第7章 中国、EU、アメリカも崩壊の道へ、

    そのとき日本は?

  • あとどれくらいで中国共産党政権は崩壊するのか
  • もはやアメリカに世界経済を牽引する力はない
  • 安定して経済発展をしている国の企業ほど、利益率が低い
  • 経済がグローバル化しても、賃金を下げる必要はない
  • これからも日本のものづくりは世界で優位に立つ
  • 日本経済「失われた二十年」の真相
  • 経済産業省は無くなったほうがいい省庁の最たるもの
  • デモをするのもいいが、選挙に行くことが何より重要
  • デフレでも経済成長すれば給料は上がる
  • これからの経済を生き抜くために私たちがすべきこと

おわりに

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