女性が輝く時代の先駆者!
享年85歳、その時、住む家も一切の財産も残さなかった!
女子教育にすべてを捧げた生涯!
著者プロフィール
1950年、東京生まれ。1991年、『工藤写真館の昭和』で講談社ノンフィクション賞受賞。ほかに『われ巣鴨に出頭せず 近衛文麿と天皇』(中公文庫)、『悪名の棺 笹川良一伝』『絢爛たる醜聞 岸信介伝』『皇后の真実』(以上、幻冬舎)など著書多数。
目次
まえがき
第1章 大妻良馬とコタカの旅立ち
- ㈠
- 「写真を持って来るように」
- 三三九度の盃
- 小走りに良馬の背中を追う
- 家郷にも吹く維新の新風
- 「コマッタ」転じて「コタカ」?
- とにかく厳しかった母のしつけ
- 校長のひと言で将来は先生に
- 手のひらに「鬼」と書いて
- 母の死に間に合わず
- やりたかったのは、これじゃない
- ㈡
- 広島の寒村をあとにして
- 「あなたちょっと田舎くさいからねぇ」
- 和裁も洋裁も
- 常に一歩先を
- ㈢
- 黒肌の花嫁誕生
- 字を書くと、ハの字が増える
- 大妻良馬という男
- 前妻の両親の墓石を建てたい
- 「離縁してくれ」
- 山階宮の邸内で開校
- 良馬の心意気、金の指輪
第2章 「女性が輝く」先駆けとして
- 大妻技芸伝習所開校
- 大成功の講習会
- 私塾から学校へ
- 現在の場所に移転
- 宮家の姫に手芸を教える
- 高等女学校設立へ
- 車の両輪として
- 志願者激増、新校舎増築
- 「学校経営を生活の糧としない」
- 関東大震災、生徒の死と校舎壊滅
- 焦土からの出発
- 働く女性に門戸を開く
第3章 「良妻賢母」は古くならない
- 女性教育者が続々と
- 裁縫・手芸と人間形成
- 口先だけの人間になるな
- 校訓は「恥を知れ」
- 私は感謝役
- 褒め上手になれ
- 「らしくあれ」
- 良き妻、賢き母
- 礼儀作法の重視
- 感謝と勤労
- 創意工夫
- 女であるから
- 仕事に追われるな、仕事を追え
- 質素倹約
- 廃物利用と裁縫教育
第4章 良馬の死を乗り越えて
- 神も仏も
- 浅草寺参り
- 良馬、突然の死
- 財団法人「大妻学院」へ
- 良馬あっての私
- 生涯一校長として生きたい
- 吉岡彌生の助言
- 東郷さん来校
- 新聞・雑誌・ラジオに
- 新校舎の完成
- 専門学校の認可
- 戦時下でも活発だった講演活動
第5章 戦禍をくぐり抜け、再建へ
- 勤労動員
- 空襲で校舎炎上
- 焦土からの出発
- GHQから教職「不適格」令が
- 自分なりの銃後の闘い
- 家もなく財産もなく子どももなく
- 住まいを求めて
- 「大妻」の名前をはずせ
- 四年五カ月ぶりの追放解除
- 追放中に大学発足
- 大妻の伝統を取り戻す
- 学院への復帰
- 藍綬褒章受章
- 創立五十周年
- 「大妻学院講堂再建定期預金」
第6章 学長の名は「三番町のコタカさん」
- 学長・校長に就任
- 喜寿祝賀会
- 若さの秘訣は実行にあり
- 学長はお母さま
- 「家の子」
- 「愛の贈り物」
- 卒業の日に
- 逆立ちをして生徒を驚かす
- 勲三等宝冠章受章
- 危篤になったが
- 「あとを頼むわね」
- 痛む足を引きずって
- 「私の罪を清め給え」
- 自分が知らないで犯した罪
- 八十五年の人生のハイライト
- 最後の帰郷
- 永眠