組織の興亡 日本海軍の教訓

日下公人(評論家)/三野正洋(作家) 著
定 価:
本体1600円+税
判 型:
四六版並製
ページ数:
240ページ
ISBN:
9784898310489
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この組織の敗因の中に
現代日本の問題がすべてある!

国家不在の国家組織となった日本海軍。その敗因の中には現代日本の問題がすべてある!「トップの政略と軍略が零点」「かつての栄光を夢見たまま、無意味に戦域を拡大しつづけた」「部外者からの発想を取り込めない組織」「海軍は単なる戦闘部隊だった」等々、日本海軍の興亡を2人の偉才が組織論として読む!

著者プロフィール

日下公人(くさか・きみんど)
評論家。日本財団特別顧問。三谷産業監査役。原子力安全システム研究所最高顧問。1930年、兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。日本長期信用銀行取締役、㈳ソフト化経済センター理事長を経て、東京財団会長を務める。ソフト化・サービス化の時代をいち早く先見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍。未来予測の正確なことには定評がある。著書に『アメリカはどれほどひどい国か』(PHP研究所)、『日本人の「覚悟」』(祥伝社)、『2009年の日本はこうなる』『つくられた「環境問題」』(ワック)など、多数。

三野正洋(みの・まさひろ)
1942年、千葉県生まれ。前日本大学准教授。戦史、戦略戦術論、兵器の比較研究に独自の領域を拓いて知られる軍事・現代史研究の碩学。著書に、現代戦争史シリーズ『日中戦争』同『アフガニスタン戦争』(以上、光人社)、『図解 これならわかる! 太平洋戦争』(PHP研究所)、『湾岸戦争 勝者の誤算』『危機管理術』『戦艦大和の真実』『指揮官の決断』『図解 日本軍の小失敗の研究』(以上、ワック出版)など多数ある。

目次

序章 国家戦略の欠落
国家への視点が欠落
明治の日本は独立精神を堅持
海軍のための海軍、陸軍のための陸軍
第1章 海防への覚醒──日本海軍前史
ペリー来航の衝撃を吸収
鎖国で侵略国家を放棄
明治維新で海洋国家に大変身
戊辰戦争で初の本格的海戦
薩長が海軍の創設を牽引
戊辰戦争で多大な教訓を摂取
海上政権は実力主義
領土・国家意識が戦争の質を決定
第2章 日本海軍の黎明──大艦巨砲・艦隊決戦主義の生成
日清戦争での緒戦勝利
危機意識が戦意を高揚
シンプルな作戦が勝利の原因
日本海海戦での大勝利
日露海戦の戦訓
自立精神が成長の原動力
訓練・技術不足を着々と克服
無能な中間管理職不在が勝因
ロシア海軍は艦隊保全主義
独裁主義は実力主義を否定
東郷平八郎の「泰然自若」
司令官に武士教育は不可欠
艦隊決戦への盲目的な固執
論功行賞のやり方が最重要だ
第3章 第一次大戦の教訓──新兵器が海戦の形態を変えた
戦艦同士の戦いは皆無の第一次大戦
神に代わる合理精神が戦争を支配
大艦巨砲時代の終焉
ロシアの存在が軍拡を促進
潜水艦の重要性を軽視
外線作戦の教訓を無視
通商破壊への視点が欠如
人種的偏見が顕在化
第4章 日中戦争と海軍の体質──国家の大計を忘れた陸海軍の抗争
日本は軍政分離の先進国
国家の大計を忘れた対立
統帥権をめぐる自己増殖
新聞が国民洗脳の尖兵
新聞をめぐる問題
縄張り争いの熾烈化
「民主主義」という名の不合理
人事システムに欠陥
人材の争奪で国力半減
軍内部の不統一が露呈
上海事変は海軍の虚勢
評判を気にした自己演出
昭和一〇年代の国家大計の過ち
海軍の軍人にも二種類ある
紳士と泥臭さの対決の結果
「沈黙の海軍」の是非
序章 国家戦略の欠落
  • 国家への視点が欠落
  • 明治の日本は独立精神を堅持
  • 海軍のための海軍、陸軍のための陸軍
第1章 海防への覚醒──日本海軍前史
  • ペリー来航の衝撃を吸収
  • 鎖国で侵略国家を放棄
  • 明治維新で海洋国家に大変身
  • 戊辰戦争で初の本格的海戦
  • 薩長が海軍の創設を牽引
  • 戊辰戦争で多大な教訓を摂取
  • 海上政権は実力主義
  • 領土・国家意識が戦争の質を決定
第2章 日本海軍の黎明──大艦巨砲・艦隊決戦主義の生成
  • 日清戦争での緒戦勝利
  • 危機意識が戦意を高揚
  • シンプルな作戦が勝利の原因
  • 日本海海戦での大勝利
  • 日露海戦の戦訓
  • 自立精神が成長の原動力
  • 訓練・技術不足を着々と克服
  • 無能な中間管理職不在が勝因
  • ロシア海軍は艦隊保全主義
  • 独裁主義は実力主義を否定
  • 東郷平八郎の「泰然自若」
  • 司令官に武士教育は不可欠
  • 艦隊決戦への盲目的な固執
  • 論功行賞のやり方が最重要だ
第3章 第一次大戦の教訓──新兵器が海戦の形態を変えた
  • 戦艦同士の戦いは皆無の第一次大戦
  • 神に代わる合理精神が戦争を支配
  • 大艦巨砲時代の終焉
  • ロシアの存在が軍拡を促進
  • 潜水艦の重要性を軽視
  • 外線作戦の教訓を無視
  • 通商破壊への視点が欠如
  • 人種的偏見が顕在化
第4章 日中戦争と海軍の体質──国家の大計を忘れた陸海軍の抗争
  • 日本は軍政分離の先進国
  • 国家の大計を忘れた対立
  • 統帥権をめぐる自己増殖
  • 新聞が国民洗脳の尖兵
  • 新聞をめぐる問題
  • 縄張り争いの熾烈化
  • 「民主主義」という名の不合理
  • 人事システムに欠陥
  • 人材の争奪で国力半減
  • 軍内部の不統一が露呈
  • 上海事変は海軍の虚勢
  • 評判を気にした自己演出
  • 昭和一〇年代の国家大計の過ち
  • 海軍の軍人にも二種類ある
  • 紳士と泥臭さの対決の結果
  • 「沈黙の海軍」の是非
第5章 終着点なき開戦──海軍の戦争準備とその構想
準備は充分だったのか
目的と計画があって始めた戦争か
一二月八日を開戦と決めた理由はなにか
ハワイと真珠湾は旅順?
真珠湾攻撃の組織力は歴史的事実
第6章 破局への道──太平洋における海戦の研究
日本海軍に驕りと気の緩み
優れたアイディアを遮断
諦めの早さで勝機を喪失
アメリカの反攻時期を誤認
ダメージコントロールで日米に大差
指揮系統にも大きな乱れ
適任者を前線から追放
偏差値秀才の弊害
作戦が単純で画一的
精神主義が技術開発を妨害
実力の差がはっきり露呈
アウトレンジ戦法が裏目
現場無視の机上作戦
忍耐力は精神力の証
航空機搭乗員の技量
地上戦との一体化
戦闘にはツキも大きく影響
大戦闘におけるツキと勝敗
複雑にすぎた最後の大作戦
短期決戦主義の弊害
無線通信をめぐる問題
勝利への執着が希薄
戦争の美学が目的に優先
魚雷は果たして優秀だったのか
潜水艦戦の重要性を無視
日本の潜水艦、潜水艦作戦の弱点
固定観念が臨機応変さを抹殺
過去の栄光が研究心を疎外
決断・創意工夫が貧弱
架空戦記を考えてみる
精神主義は技術開発の障害
第7章 緒戦の評価──大勝の理由、政略発想の欠如
真珠湾をめぐる情報戦
対米戦への目算
中途半端な奇襲作戦
ハワイの戦略的重要性を無視
航空機対戦艦の史上初の決戦
政治的発想の欠如
参謀本部の怠慢
緒戦大勝の原因はなにか
心理的懐柔作戦も稚拙
イギリスの植民地支配は狡猾
珊瑚海海戦以後の戦略は検討されたか
第8章 敗北の原因──国家不在の国家組織
山本司令長官の変節
自分の軍隊は無敵と思える
屈折していた士官たちの心理
日本の大学生の国家意識
兵学校出身者とは
海軍の恰好よさが徒花
南進論に根本的な欠陥
口実づくりで良心に呵責
優秀な人材を無駄に喪失
派閥抗争の悪弊
アメリカ海軍の勇猛果敢
アメリカ海軍の合理性
技術への目覚めも手後れ
アメリカ軍人の人事の一例
割り切るという意識の差
新技術開発の差
人事以外の敗北の原因
アメリカ軍の柔軟性
アメリカと同じ土俵で闘った日本
日本海軍の総括
なぜ戦史を学ぶのか
第5章 終着点なき開戦──海軍の戦争準備とその構想
  • 準備は充分だったのか
  • 目的と計画があって始めた戦争か
  • 一二月八日を開戦と決めた理由はなにか
  • ハワイと真珠湾は旅順?
  • 真珠湾攻撃の組織力は歴史的事実
第6章 破局への道──太平洋における海戦の研究
  • 日本海軍に驕りと気の緩み
  • 優れたアイディアを遮断
  • 諦めの早さで勝機を喪失
  • アメリカの反攻時期を誤認
  • ダメージコントロールで日米に大差
  • 指揮系統にも大きな乱れ
  • 適任者を前線から追放
  • 偏差値秀才の弊害
  • 作戦が単純で画一的
  • 精神主義が技術開発を妨害
  • 実力の差がはっきり露呈
  • アウトレンジ戦法が裏目
  • 現場無視の机上作戦
  • 忍耐力は精神力の証
  • 航空機搭乗員の技量
  • 地上戦との一体化
  • 戦闘にはツキも大きく影響
  • 大戦闘におけるツキと勝敗
  • 複雑にすぎた最後の大作戦
  • 短期決戦主義の弊害
  • 無線通信をめぐる問題
  • 勝利への執着が希薄
  • 戦争の美学が目的に優先
  • 魚雷は果たして優秀だったのか
  • 潜水艦戦の重要性を無視
  • 日本の潜水艦、潜水艦作戦の弱点
  • 固定観念が臨機応変さを抹殺
  • 過去の栄光が研究心を疎外
  • 決断・創意工夫が貧弱
  • 架空戦記を考えてみる
  • 精神主義は技術開発の障害
第7章 緒戦の評価──大勝の理由、政略発想の欠如
  • 真珠湾をめぐる情報戦
  • 対米戦への目算
  • 中途半端な奇襲作戦
  • ハワイの戦略的重要性を無視
  • 航空機対戦艦の史上初の決戦
  • 政治的発想の欠如
  • 参謀本部の怠慢
  • 緒戦大勝の原因はなにか
  • 心理的懐柔作戦も稚拙
  • イギリスの植民地支配は狡猾
  • 珊瑚海海戦以後の戦略は検討されたか
第8章 敗北の原因──国家不在の国家組織
  • 山本司令長官の変節
  • 自分の軍隊は無敵と思える
  • 屈折していた士官たちの心理
  • 日本の大学生の国家意識
  • 兵学校出身者とは
  • 海軍の恰好よさが徒花
  • 南進論に根本的な欠陥
  • 口実づくりで良心に呵責
  • 優秀な人材を無駄に喪失
  • 派閥抗争の悪弊
  • アメリカ海軍の勇猛果敢
  • アメリカ海軍の合理性
  • 技術への目覚めも手後れ
  • アメリカ軍人の人事の一例
  • 割り切るという意識の差
  • 新技術開発の差
  • 人事以外の敗北の原因
  • アメリカ軍の柔軟性
  • アメリカと同じ土俵で闘った日本
  • 日本海軍の総括
  • なぜ戦史を学ぶのか
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