森から生まれた日本の文明

黄文雄(評論家) 著
定 価:
本体1619円+税
判 型:
四六版上製
ページ数:
408ページ
ISBN:
9784898311400
アマゾンのショッピングサイトへリンクします。
「思いやり」と「和」の日本文明!
「唯我独尊」と「排他」の中国文明!

日本の天皇制度や国民性、美意識は「共生の文明」から、そして、中国の皇帝制度や匪賊社会、中華思想は「寄生の文明」からきていると指摘する著者。この二つの文明は、全く異なる自然環境において、長い歴史の中で形作られてきた。文献に丁寧にあたりながら、この双方の文明の誕生と過程をひもといていく。日中の文明の決定的な違いに切り込んだ出色の労作!

著者プロフィール

黄文雄(こう・ぶんゆう)
文明史家、評論家。1938年台湾生まれ。64年来日し、早稲田大学商学部を卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国之没落』(台湾、1991年)が大反響を呼んで以来、旺盛な執筆・評論活動を展開しており、次々と問題作・話題作を世に問うている。巫永福文明評論賞、台湾ペンクラブ賞を受賞。著書に『それでも中国は崩壊する』『捏造された昭和史』『韓国は日本人がつくった』『近代中国は日本がつくった』『満州国は日本の植民地ではなかった』『日中戦争は侵略ではなかった』『台湾は日本の植民地ではなかった』『「複合汚染国家」中国』『戦争の歴史・日本と中国』『黄文雄の大東亜戦争肯定論』(以上ワック出版)、『米中が激突する日』『命がけの夢に生きた日本人』など多数がある。

目次

第1章 文明と環境
  • 1・人類の誕生と移動
  • 2・東アジア古代人の十字路・台湾
  • 3・日本人はどこから来たかを問うこと
  • 4・文明と気候
  • 5・気候と農耕文明
  • 6・農耕が先か牧畜が先か
  • 7・稲作文明と麦作文明
  • 8・寄生文明と共生文明の起源
  • 9・海の文明と陸の文明
  • 10・日本は海洋文化を持つのか
  • 11・中華文明と日本文明
  • 12・地力を支える文明の興亡
  • 13・文明の盛衰と条件
第2章 中華世界の生態
  • 1・古代日本人と中国人の宇宙観・天下観
  • 2・中国的ものの見方と考え方の由来
  • 3・中国の歴史生態学
  • 4・中国古代の農耕
  • 5・中華世界の地勢学
  • 6・中原と辺境
  • 7・華夷抗争からつくられた中華文明史
  • 8・農耕民と遊牧民の攻防から生まれた中華帝国
  • 9・中華文明の膨張
  • 10・中華文明はなぜ南向きに発展したのか
  • 11・中華文明の限界
  • 12・黄河文明と長江文明
  • 13・南北の党争は長江文明VS黄河文明の文明衝突である
  • 14・落ちれば無間地獄の中国政界の党争ゲーム
  • 15・中華文明の特質
  • 16・異文明との遭遇
第3章 森から生まれた日本文明
  • 1・地理地政学から見た日本文明
  • 2・先土器時代の日本列島の自然
  • 3・縄文土器が語る森の文明
  • 4・原始農耕はいつからはじまったのか
  • 5・縄文農耕の新しい世界
  • 6・照葉樹林文化論という史論
  • 7・弥生人はどこから来たか
  • 8・日本の稲作はいつからか
  • 9・稲作が日本を変えた
  • 10・稲作文明が語るもの
  • 11・文明の発展と自然破壊
  • 12・自然と共生する思想
  • 13・日本の東国と西国
  • 14・日本東西相違の源流
第4章 森を守る文明と伐る文明
  • 1・森の神フンババを殺害して生まれた文明
  • 2・山=森は世界の一部
  • 3・なぜ漢民族が入るところ樹木が消えていくのか
  • 4・「売炭翁」の詩に見る炭焼きの姿
  • 5・日本の森はなぜ守られてきているのか
  • 6・共生と寄生の水文学
  • 7・治山治水の国土思想と歴史社会
  • 8・なぜ中国の砂漠化が止まらないのか 自然の要因
  • 9・なぜ中国の砂漠化が止まらないのか 領土拡大と過放牧
  • 10・他力本願の砂漠化防止 お笑い緑化政策
  • 11・なぜ中国の砂漠化が止まらないのか 水不足と工業化
  • 12・中国が南向文明になった理由
  • 13・「蘇湖熟すれば天下足る」
  • 14・寄生は中国文明の本質
第5章 自然と社会破局の病理
  • 1・中国の人口爆竹
  • 2・中国の人口と食糧問題
  • 3・食糧依存の地域変化
  • 4・飢饉食譜から中国の食糧危機の歴史を読む
  • 5・飢饉の拡大再生産
  • 6・噴出する流民
  • 7・くりかえす民衆の共食いの大発生
  • 8・食い尽くされる大地の「衆生」
  • 9・極限状況下の親族食い
  • 10・中国人肉市場のマーケティング・リサーチ
  • 11・中国の食人文化とは、いかにして形成され完結されてきたのか
第6章 異なる文明から生まれた社会と制度
  • 1・食いつぶされた地上資源
  • 2・地下資源の枯渇から地球資源への掠奪
  • 3・寄生文明が直面する人的資源の危機
  • 4・寄生文明から生まれたニセモノ国家
  • 5・求道精神から生まれた日本技術の創造性
  • 6・寄生文明の歴史産物としての皇帝制度
  • 7・寄生文明の政治制度
  • 8・支配原理は変わっていない中国
  • 9・寄生文化がつくった匪賊社会
  • 10・なぜ中国人は奴隷になりたがるのか
  • 11・共生の文明から生まれた天皇制度
  • 12・限定空間から生まれた日本の共生文明
  • 13・文明史から見た日中戦争
第7章 共生の文明と寄生の文明から生まれた文物
  • 1・儒教倫理はなぜ寄生の論理なのか
  • 2・森の文明から生まれた天台本覚論
  • 3・神仏習合は共生の思想から生まれた
  • 4・思想独尊は寄生文明から
  • 5・なぜ中華思想が寄生文明から生まれたのか
  • 6・共生社会の風土と思想
  • 7・島国根性と大陸気風再考
  • 8・思いやりは共生文明の歴史産物
  • 9・「和」と「争」の原理から生まれた共生の文明と寄生の文明
  • 10・中国の山水画が象徴するもの
  • 11・共生と寄生の文明から生まれた美意識
トップへ戻る