博学は古今東西に通じる七平!
二人の辛口大対談
舌鋒鋭いコラム二ストの夏彦と日本社会・日本文化を知り尽くした七平。この二人が持ち合わせた博識を駆使して、世相風俗万般を俎上に載せ、楽しく、そして辛辣に語り合う。新聞、言葉、忠臣蔵、恋と愛、正義、嫉妬、老年と死など、さまざまなテーマについて言いたい放題の限りを尽くす。「嫉妬は常に正義を装う」「平和国家なら戦争を研究する」「僕は人生のアルバイト」……など軽妙洒脱な二人の語りで、世の中をめった斬り! 巻末に夏彦の青春日記第2弾も収録。
著者プロフィール
山本夏彦(やまもと・なつひこ)
大正4(1915)年、東京下谷根岸生まれ。少年期に渡仏後、24歳のときショヴォ「年を歴た鰐の話」を「中央公論」に翻訳・寄稿。戦後工作社を設立し、雑誌「室内」(旧題「木工界」)を創刊。同誌に「日常茶飯事」、「諸君‼」に「笑わぬでもなし」、「文藝春秋」に「愚図の大いそがし」、「週刊新潮」に「夏彦の写真コラム」を長期連載し、盛名を馳せる。昭和59年に菊池寛賞、平成2年に『無想庵物語』で読売文学賞、10年に市川市民文化賞を受賞。最期までコラムを書き続けて平成14(2002)年10月、87歳で逝去。著書多数。
山本七平(やまもと・しちへい)
大正10(1921)年、東京生まれ。青山学院高等商業部を卒業、直後に陸軍入営。フィリピンで終戦。昭和33年山本書店を創立し、主に聖書関係の書籍を刊行。ベンダサン著『日本人とユダヤ人』はベストセラーとなる。以後評論家としても多彩に活躍する。著書に『私の中の日本軍』『「空気」の研究』『「常識」の研究』『日本資本主義の精神』『江戸時代の先覚者たち』『聖書の旅』など多数、訳書に『歴史としての聖書』ほかがある。平成3(1991)年12月逝去。
目次
夏彦・七平の十八番づくし- 新聞はお読みでしょうか
- 欲ばりとやきもち
- 死んだ人 生きてる人
- 忠臣蔵変痴気論
- 好きな言葉 嫌いな言葉
- 「賞」は異なもの
- 流行がすべてである
- 「三日三月三年」という
- 何よりも正義を愛す
- 意地悪は死なず
- 投票すれども選挙はせず
- 君見ずや管鮑貧時の交り