戦前まっ暗のうそ

山本夏彦とその時代④

山本夏彦(コラムニスト) 著
定 価:
本体1619円+税
判 型:
四六判並製
ページ数:
372ページ
ISBN:
9784898311929
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希代のコラムニストのエッセンス!

歴史というものは明るくも暗くも語れる。史実の並べ方でどうにでもなるものだ。「戦前」というまっ暗な時代があって、それが15年も続いたという文化人や史家がある。しかし、終戦から時がたち、日本人はみな戦前を知らない。「戦前まっ暗」という考えは戦後に生れた迷信である。実際、日本の’30年代は繁栄の時代だったのだ。

著者プロフィール

山本夏彦(やまもと・なつひこ)
大正4(1915)年、東京下谷根岸生まれ。少年期に渡仏後、24歳のときショヴォ「年を歴た鰐の話」を「中央公論」に翻訳・寄稿。戦後工作社を設立し、雑誌「室内」(旧題「木工界」)を創刊。同誌に「日常茶飯事」、「諸君‼」に「笑わぬでもなし」、「文藝春秋」に「愚図の大いそがし」、「週刊新潮」に「夏彦の写真コラム」を長期連載し、盛名を馳せる。昭和59年に菊池寛賞、平成2年に『無想庵物語』で読売文学賞、10年に市川市民文化賞を受賞。最期までコラムを書き続けて平成14(2002)年10月、87歳で逝去。著書に『茶の間の正義』『編集兼発行人』『私の岩波物語』『世はいかさま』『一寸さきはヤミがいい』『最後の波の音』ほか多数がある。

目次

「戦前」という時代
    分りたくない者には通じない
    • 分らない
    • 鷗外の身長
    • 同時代
    • 文はウソである
    • 東京府士族
    • お年玉
    • 銀座百点
    • 言葉のいずみ
    はやりものはすたりもの
    • 口語文
    • 半七のことば
    • 字引
    • 鰹節回顧
    • スキャンダル
    • 流行
    • むらぎも
    • 日記
    • 言葉の三分メモ
    • 脱亜入欧
    正義と聞いたら気をつけよ
    • 「日教組」育ち
    • ボナールの友情論
    • それしゃ
    • ひと口話  大正デモクラシー
    • 浮世のことはみんな「茶」に
    • 処女崇拝
    • 本屋を滅ぼすものは本屋
    衆をたのんで横車おして五十年
    • 私は映画と和解してない
    • いまインテリたちの天下
    • 本が出すぎる
    • 古新聞育ち
    • うそつき荷風
    • ちょっと待てその契約
    • 私はタイトル(だけ)作家
    • たったひとりの人花森安治
    • 明治の語彙
      夏彦の青春日記 その4  山本伊吾編
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