誰のために愛するか

曽野綾子著作集/愛①

曽野綾子(作家) 著
定 価:
本体1000円+税
判 型:
四六判並製
ページ数:
260ページ
ISBN:
9784898314159
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愛は買うことはできない

「愛」という言葉の意味は広大で、日々大勢の人々に何の疑いもなく手軽に使われていながら、これほど本質を掴みにくいものはない。著者が考える愛の定義は、「その人のために死ねるか、どうか」。愛している男、女、子供のために死ねるか。それは一つの踏み絵だ。しかし、そう思える相手は、ごく少ない。その人たちを愛していないのかと思うと絶望的になるが、人間の不思議さとは、愛していない人をも愛する方法があるということなのだ。曽野綾子著作集の第一弾。

著者プロフィール

曽野 綾子(その・あやこ)

作家。1931年、東京生まれ。聖心女子大学文学部英文科卒業。
ローマ法王庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。日本芸術院賞・恩賜賞受賞。著書に『無名碑』(講談社)『神の汚れた手』(文藝春秋)、『貧困の僻地』『人間の基本』『人間関係』(以上、新潮社)、『老いの才覚』(ベストセラーズ)、『人生の収穫』(河出書房新社)、『人間にとって成熟とは何か』(幻冬舎)、『夫婦、この不思議な関係』『沖縄戦・渡嘉敷島「集団自決」の真実』『悪と不純の楽しさ』『私の中の聖書』『都会の幸福』『弱者が強者を駆逐する時代』『図解 いま聖書を学ぶ』『この世に恋して』『想定外の老年』(以上、ワック)など多数。

目次

はじめに──その人のために死ねるか── 第1章 愛は何を欲求するか
  • ① どんな人を愛するか
  • ・ 女が、好きになる男
  • ・ 本当の愛
  • ・ この相手はどんな人だろうか
  • ・ 私はなぜ彼と結婚する気になったか
  • ・ 「……でなければ」という条件
  • ② 女が本気で思ってみること
  • ・ 肉体の表現、精神の表現
  • ・ 表現の根源
  • ・ 悔やむことのない性
  • ・ 女がひそかに考えること
  • ③ 彼女に発見がなくなるとき
  • ・ 持ち味の使いかた
  • ・ 愛される気分と心情
  • ・ 男が求めつづける女の素顔
  • ・ 何かに向き合っている女の姿
  • ・ 一刻も早く捨てねばならない愛
  • ・ すべてのものに時期がある
第2章 この人と結婚すべきだろうか
  • ① 思いとどまるべき結婚
  • ・ 本当に愛している証拠は何か
  • ・ それでも結婚すべきか
  • ・ 愛していく才覚
  • ・ 本当の出発はどこにあるか
  • ② ステキな夫婦になってはいけない
  • ・ 夫は何も言わないが
  • ・ “ある点……”の間
  • ・ 二人の統治者がいては困る
  • ・ ついた噓は重荷である
  • ・ どこを愛しているのか
  • ・ 考えねばならぬこと
  • ・ 純粋に楽しむ家庭
  • ③ 夫婦はいかに対処していくか
  • ・ 結婚による自分の弱点の発見
  • ・ おかしいとり合わせ
  • ・ 幸福感の味わいかた
  • ・ 女の方がバカだと思えばこそ
第3章 一人の男を愛するとき
  • ① 女の生きがいは何に見出すか
  • ・ 恋から愛への変質
  • ・ 愛は盲目的に信じることである
  • ・ 持ち味を生かされている妻
  • ・ 女は何に興味を見出すか
  • ② もう後へは退けないとき
  • ・ 社会との関係を自ら持つとき
  • ・ ひきつける自然の色気
  • ・ 興味が持てない不幸な感覚
  • ・ 妻も知らないあまりに壮絶な姿
  • ・ 一人の人間の美しいひとつの考え方
  • ③ 本当に心から愛せるか
  • ・ 愛は襲われるものである
  • ・ すべての人は“眼がない”
  • ・ 愛と憎しみとは同質の感情
  • ・ 愛するに到るまで
第4章 自分が落ち込みかけている穴
  • ① 夫は自分の望むようになるか
  • ・ 夫は引き返せない
  • ・ ともに傷つかなければ他人になる
  • ・ 夫を見る妻の心得
  • ・ 夫の話を受けとめる素地のない妻
  • ② この世の中を一人で歩けるように
  • ・ 私に起こった二つの出来事
  • ・ 子供に期待する第一の点
  • ・ 母が願うささやかな生
  • ・ 一人の大切な“人間”のけじめ
  • ・ 自ら切り開いていく自覚
  • ③ 心の最も弱い部分
  • ・ 引き戻すことは不可能である
  • ・ “コロシテヤル”とうずくまった私
  • ・ 母性本能を失った女たち
  • ・ 自分の人生を持てなくなった人たち
  • ・ 母のなし得る偉大なこと
  • ④ 一生の運命の鍵
  • ・ 自分の行為を信じるために
  • ・ 外に向かって心を開かなくなるとき
  • ・ この世を生きる夢
  • ・ 人生は苦しみを触覚として
第5章 女は何に迷い苦しむか
  • ① 愛される女の要素
  • ・ 自分を相手に与えつくす女
  • ・ バランスのとれた魅力
  • ・ 愛される女の美しさ
  • ・ かわいい女になる秘訣
  • ② 自分でそこへ歩いていく楽しみ
  • ・ “目的”は生きがいになる
  • ・ 自分の中にいる敵
第6章 私が決心した日
  • ① 夫によってひき出された女
  • ・ 私の弱点をまっ先にあばいた男
  • ・ まんまとひっかかった私
  • ・ 不思議な運命のとき
  • ・ 強烈で鮮やかな岐路に立った日
  • ・ 不細工にありのままを生きること
  • ・ 同人誌をとりまいたグループ
  • ・ 二人が無名で、お金もないしあわせ
  • ・ 何があってもついていく
  • ・ 人生はノアの方舟である
新版あとがき
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