
著者のマックス・フォン・シュラー氏は、米国生まれ、米国籍のアメリカ人である。1974年に米軍海兵隊として岩国基地に来日。退役後は、国際基督教大学で政治学を学び、役者、コメンテーターとして日本で活動するが、歴史研究家としての一面もある。
本書は、第二次世界大戦について、今日の日米関係について、あるいは、世界の状況について、現在のアメリカ人一般がどのように見ているのか、考えているのか、「アメリカ人の本音」を赤裸々に綴ったものである。圧巻なのは、歴史研究家として、日米戦争の真実を検証し、日本が米国によって巧みに戦争に引き込まれた真相を記述した箇所である。
シュラー氏は、日本人女性と結婚し、現在は日本に住んでおり、日本人が日本の将来を考えるにあたり、米国の本当の姿を知っておいて欲しいという気持ちから本書を執筆したという。
著者プロフィール
マックス・フォン・シュラー
結婚式牧師。歴史研究家。
1956年、アメリカ生まれ。父はドイツ系、母はスウェーデン系のアメリカ人。1974年、岩国基地に米軍海兵隊として来日。その後、日本、韓国で活動。退役後、国際基督教大学で政治学を学ぶ。役者、コメンテーターとしても日本で活動。「日出処から」代表講師。2013年4月、全米で初めて慰安婦像を建立しようとしていたカリフォルニア州グレンデール市の市長と市議に宛て異議を唱えた手紙は動画にもなり、多くの人に支持されている。著書に『アメリカ人の本音』がある。
目次
- まえがき
第1章 アメリカ人は本当に独り善がり
- 「迷惑な善意」の根底にあるのは「アメリカ例外主義」
- アメリカ人はなぜ傲慢なのか
- TPPはアメリカのものを強制的に買わせる仕組み
- 「ワスプ、カソリック、ユダヤ」をめぐる力学
- アメリカでエリートは尊敬されず、ゲイは嫌われている
- 平和的な日本人を好戦的で残虐だと思っている
- アメリカでは「セックスを楽しむことは罪である」
- アメリカ人と中国人に共通する「声の大きさ」と「自分勝手」
- 「西部開拓」という名の「酷い戦争」
第2章 仕掛けられた「日米戦争」
- もしフィリピンがアメリカの植民地でなかったら
- アメリカ人の差別観が日系移民の排斥につながった
- 白人女性と有色人種の結婚は禁止されていた
- アメリカ人宣教師はなぜ「中国は素晴らしい」と言ったのか
- アメリカ人は助けを求める「弱い国」が大好きである
- 着々と進行する「日本の悪魔化」
- 対日戦争を仕掛けた三人の男
- 日本に戦争を始めさせる八つの計画
- 日米戦争は止められなかった
第3章 無知で傲慢で残虐な国
- アメリカ人は第二次世界大戦をどう見ているか
- アメリカ兵が戦場から持ち帰った「おみやげ」
- 降伏しようとした日本兵の半分が殺された
- アメリカ人は南京事件をどれくらい知っているか
- なぜ、日本はアメリカに負けたのか
- インド国民軍の裁判が革命を呼んだ
- アメリカ人が抱く日本への恐怖
第4章 アメリカ軍にとって「不都合な真実」
- ハワイに設けられたアメリカ軍の「慰安所」
- 問題にしているのは「アメリカ人がやったことではない」
- アメリカ軍司令官が「橋下発言」を否定した背景
- アメリカ兵のレイプ事件が多発する理由
- アメリカの建前は現実の不幸を防ぐことができない
- 韓国の慰安婦とアメリカ国内の運動
- アメリカのフェミニズムは日本人に合わない
第5章 二十一世紀、アメリカの深刻な「病理」
- キリスト教原理主義が政治に与える影響
- 軍に浸透するキリスト教原理主義
- 大統領はブッシュ家かクリントン家か
- アメリカ社会で教育は尊重されない
- 英語を話せないアメリカ人が増えている
- アメリカ経済に期待できない理由
- 水問題でアメリカは衰退する
- 日本というパートナーを失ったら、やっていけない