二度天皇になった女性

宮崎正弘 著
定 価:
本体1000円+税
判 型:
新書判
ページ数:
232ページ
ISBN:
9784898318980
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日本史では珍しい女帝は、いったい何をされ、
いかなる波瀾万丈の時代を生き抜いたのか。
それは、女性・女系天皇論が世上に喧しい今の日本に
どのような意味があるのか・・・。

この本に出てくる人物、事件の数々
聖武天皇・光明皇后、平城京遷都、孝謙天皇践祚、東大寺大仏開眼、長屋王の変、鑑真来朝、藤原仲麻呂、吉備真備が頭角を現す、仲麻呂の乱、淳仁天皇は廃され淡路へ配流、孝謙上皇が重祚して称徳天皇に、道鏡法王となる、宇佐八幡ニセ神託事件、和気清麻呂流罪、称徳崩御、道鏡左遷、下野で没す…

著者プロフィール

評論家。1946年、金沢市生まれ。早稲田大学中退。「日本学生新聞」編集長、雑誌『浪曼』企画室長を経て、貿易会社を経営。82年、『もうひとつの資源戦争』(講談社)で論壇に登場後、国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析するとともに、中国ウォッチャーの第一人者として健筆をふるう。著書『習近平、最悪の5年間が始まった』(ワック。石平氏との共著)など。また歴史評論では『神武天皇以前』(育鵬社)、『明智光秀 五百年の孤独』(徳間書店)、『こう読み直せ! 日本の歴史』(ワック)など多数。

目次

プロローグ なぜいま孝謙・称徳女帝なのか 

仏教による国家鎮護を目指した女帝/皇統断絶の危機は何度もあった

第一章 生い立ち、仏教、そして皇統

まつりごとへの強い意志/ふり向けば、女帝の軍旗

第二章 初の女性皇太子になる 

阿倍内親王、「崇仏天皇」を目指す/前史を繙けば孝謙の治世がわかる/大規模な紫香楽宮跡が発掘された/最有力候補だった安積親王の死/疫病、天災、飢饉/「長屋王の変」は陰惨な謀略だった/藤原広嗣の真の標的/仲麻呂に実権を握られた橘諸兄政権/日本独特の「神仏習合」/算術に異能を発揮した仲麻呂

第三章 橘奈良麻呂の乱

藤原仲麻呂に利用された橘奈良麻呂/杜撰すぎた叛乱計画/潮目が変わった/「宿曜秘術」とは何だったのか/思い出と出発の地は近江/完成しなかった保良宮/渤海使来日という外交上の大事件/吉備真備の帰国/弓削道鏡の登場

第四章 孝謙天皇と仲麻呂の時代

藤原仲麻呂が目指したものは何か/唐風が朝廷で猖獗を極めた/新羅出兵準備の失敗が命取りに/「古代史の死角」になった/仲麻呂の子らは全て顕官に

第五章 藤原仲麻呂の乱

藤原仲麻呂の世は唐突に終わる/印璽を盗み、塩焼王を立てる/乱鎮圧の殊勲者たち/電光石火/道鏡は極悪人だったのか/天智系の光仁天皇が即位/仏教による統治には違和感が強かった/藤原南家が滅びても北家は安泰/天武系の反撃「氷上川継の乱」

第六章 吉備真備らのその後

学者で右大臣になった吉備真備/岡山に建つ数々の銅像、顕彰碑/大伴家持、山上憶良ら同時代人/道鏡は地元では慕われた/通説と真実との落差

エピローグ ミステリアスな後日談

高野(孝謙・称徳)天皇の御陵にて/向かい合う道鏡祠と孝謙天皇宮/それなら藤原仲麻呂の墓はどこか/天皇は民の弥栄を祈る

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