「硫黄島に眠る戦友よ!」
硫黄島への渡航を実現させた男の物語!
硫黄島への渡航を実現させた男の物語!
「この島は、恐ろしく悲しい島です。あたりは遺骨だらけで足の踏み場もありません」──大東亜戦争末期、日米双方四万人を越える死傷者を出した硫黄島。終戦から七年目、観音像を片手に島に降り立つ一人の僧がいた。彼の名は和智恒蔵(わち・つねぞう)。元硫黄島警備隊司令である。彼は戦闘直前に本土に帰還し玉砕を免れていた。島に渡った彼が見たものは、髑髏部分を米兵に持ち去られたかつての部下の姿だった。亡くなった兵の鎮魂と髑髏返還を求め、占領国相手に交渉を続けた“執念の人”の半生を描く。
著者プロフィール
上坂冬子(かみさか・ふゆこ)
1930年東京生まれ。ノンフィクション作家。93年、第41回菊池寛賞、第9回正論大賞受賞。著書に『慶州ナザレ園』(中央公論社)『戦争を知らない人のための靖国問題』『これでは愛国心が持てない』(以上、文春新書)『教育の忘れもの』『私の人生 私の昭和史』(以上、集英社)『女の生活力』(PHP研究所)『人間のけじめ』『老い楽対談』(以上、海竜社)『日本人よ、もっと悪人になりなさい』(ワック)など多数。2009年4月永眠。
目次
プロローグ
和尚と呼ばれた人物
遺されたドキュメント
第1章 僧侶となった海軍士官
いま、玉砕の島は
情報将校としての経歴
硫黄島陸海軍の歌
いさかいの果てに得た命
天台宗の僧となる
巣鴨プリズンに勾留
極東軍事裁判の証人台に立つ
キーナン検事を批判
第2章 地下壕からの生還
山頂の星条旗
生還した兵二人
太平洋へ〝死の跳躍〟
鞄につめた花の種
部下の自殺
第3章 白骨の島を目指して
GHQに宛てた書状
白骨散乱の衝撃
現代の鎌倉武将
七年目の念願成就
地下壕にもぐる
詐欺の疑惑
「弁明もヘチマもない」
プロローグ
- 和尚と呼ばれた人物
- 遺されたドキュメント
第1章 僧侶となった海軍士官
- いま、玉砕の島は
- 情報将校としての経歴
- 硫黄島陸海軍の歌
- いさかいの果てに得た命
- 天台宗の僧となる
- 巣鴨プリズンに勾留
- 極東軍事裁判の証人台に立つ
- キーナン検事を批判
第2章 地下壕からの生還
- 山頂の星条旗
- 生還した兵二人
- 太平洋へ〝死の跳躍〟
- 鞄につめた花の種
- 部下の自殺
第3章 白骨の島を目指して
- GHQに宛てた書状
- 白骨散乱の衝撃
- 現代の鎌倉武将
- 七年目の念願成就
- 地下壕にもぐる
- 詐欺の疑惑
- 「弁明もヘチマもない」
第4章 髑髏を返せ
硫黄島協会の設立
髑髏盗難
切り札を出す
米兵処断の事実
ケネディ大統領に直訴
硫黄島返還
バロン西令嬢らの墓参団出帆
第5章 日米四十年目の抱擁
〝名誉の再会〟と命名
思わず「パパさん」と
裏方に徹する
記念碑のアイデア
少年が書いた「レーガンへの手紙」
髑髏返還アピール
戻ってきた髑髏
困惑するアメリカ人
ペトロ和智恒蔵の死
第4章 髑髏を返せ
- 硫黄島協会の設立
- 髑髏盗難
- 切り札を出す
- 米兵処断の事実
- ケネディ大統領に直訴
- 硫黄島返還
- バロン西令嬢らの墓参団出帆
第5章 日米四十年目の抱擁
- 〝名誉の再会〟と命名
- 思わず「パパさん」と
- 裏方に徹する
- 記念碑のアイデア
- 少年が書いた「レーガンへの手紙」
- 髑髏返還アピール
- 戻ってきた髑髏
- 困惑するアメリカ人
- ペトロ和智恒蔵の死