
どうするつもりだ!
無責任なのは誰だ! 文科省、教師、親たちのここが間違っている! 学力の低下、自殺者の増大、いじめや不登校という悲惨な現実が、なぜ起こったのか。文科省主導による“理想の教育像”の追求を、現実逃避・責任回避と断じる櫻井。対して、問題は子ども・教師・親自身にあると、教育現場の思考停止状態を明らかにする宮川。櫻井よしこの危機感と表現教育・第一人者の哲学が明らかにするゆとり教育の問題点とは?
著者プロフィール
櫻井よしこ(さくらい・よしこ)
ベトナム生まれ。ハワイ州立大学歴史学部卒業後、「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙東京支局勤務、日本テレビ・ニュースキャスター等を経て、現在はフリージャーナリストとして活躍。薬害エイズ、個人情報保護法、道路公団民営化、北朝鮮拉致問題に積極的に取り組み、発言している。『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中央公論社)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞、『日本の危機』(新潮社)など一連の言論活動で菊池寛賞受賞。近著に『日本よ、「歴史力」を磨け』(文藝春秋)、『櫻井よしこの憂国論戦2009』(ダイヤモンド社)、『明治人の姿』(小学館)など。
宮川俊彦(みやがわ・としひこ)
長野県生まれ。国語作文教育研究所所長。作文・表現教育の第一人者。内外の青少年・企業人を対象に作文を手段とした表現教育と文章分析を展開。その実践と実績を踏まえた言論活動や教育政策上の諸活動はつとに知られる。『壊れる子どもの事件簿』『昇格する!論文を書く』(角川書店)、『親のぶんまで愛してやる』(サンマーク出版)、『表現力があなたを変える』(集英社)、『本当の日本語力をもっていますか』(徳間書店)など著書多数。
目次
- 基礎教育がないがしろにされている
- 訓練なくして教育はない
- 自信がつくと余裕が生まれる
- 結果の平等はあり得ない
- 頑張る子どもが評価されない社会風潮
- 創造的な教育を考えよ
- 制服を復活させたアメリカの理由
- 格から入って格からいでよ
- 「ゆとり教育」の現実を見よ
- さらに深刻な問題が生まれる
- 現実逃避、責任回避の空論
- 行政に寄りかかってきた教師と父母
- 文部科学省と日教組の罪と罰
- まず教師が主体性を示せ
- 新指導要領の背景を見よ
- 教育改革を実現するのは国民自身だ
- 秩序維持のための 収容所 か
- 学校は「日常性」を突き破る場だ
- 大学四年間の膨大な空費
- 不況で人づくりの失敗が見える
- エリートを否定してきた国
- 偏差値社会が生んだ歪み
- 「誰もがサラリーマン」の不幸
- 「教室力」が衰退してきた
- 子どもも日本も殻に閉じこもってしまった
- 傍観者も「暗黙のいじめっ子」
- 心の空白、身体の変調
- 中央集権教育の功と罪
- カメをガメラにした国家主導教育
- イデオロギー対立の場となった教育
- 対立が消えて馴れ合いが生まれた
- 免罪符の審議会は廃止せよ
- 予定調和のシナリオ
- 「金八先生」は現実像になりうるか
- プロ教師の会の限界
- 教員採用の再検討も必要だ
- 教師の育成法が肝要
- 自由と義務、権利と責任のバランスの回復を
- ボランティア論議は本末転倒
- お金万能「迷信」が親子を蝕んだ
- 存在が希薄になった父親たち
- 「親不在」「学校・塾任せ」のツケ
- 親の価値観の方が問題だ
- 豊かな社会が招いた不幸せ
- 戦後三代の核家族は何をしてきたか
- 国も社会も親も常に誰かに頼ってきた
- 家庭は永遠に社会の原型である
- 子どもたちは「老人化」している
- まず第一に父母を教育せよ
- 近代日本の教育を全否定してよかったか
- 江戸時代を見直す意味
- 消えた闊達な社会
- 国家と個人をつなぐ新しい価値観を
- 根なし草になった米国流理想論
- アメリカの改革モデルは日本だ
- 自己責任あっての自由
- 世界で生きる 意味を考えよ
- 依存意識が「訓練された無能」をつくる
- 日本人の特性四点セット
- IT社会の危うさ
- テレビが教師になった
- 日本のあるべき姿を示すとき
- 教育再生の鍵は子ども自身が握っている