名上司

谷沢永一(関西大学名誉教授) 著
定 価:
本体905円+税
判 型:
新書版
ページ数:
304ページ
ISBN:
9784898315258
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ついていきたい上司になるための
凝縮された59篇の心得!

人はどうしたらやる気を起こすか──人間は、いま自分が重要視されていると実感したとき、自己の能力を十二分に発揮し、自分の価値を認めてくれた上位の者の、むつかしい指令にでも喜んで従う。統率学という学問がもしありとすれば、それは即ち人間学そのものなのである。

著者プロフィール

谷沢永一(たにざわ・えいいち)
関西大学名誉教授。昭和4年、大阪市生まれ。関西大学大学院博士課程修了。専門は日本近代文学、書誌学。社会評論にも幅広く活躍。サントリー学藝賞、大阪市民表彰文化功労、大阪文化賞、2004年には『文豪たちの大喧嘩─鷗外・逍遥・樗牛』(新潮社)で読売文学賞受賞。著書に、『完本・紙つぶて』(文藝春秋)、『百言百話』(中公新書)、『回想 開高健』『雑書放蕩記』(以上、新潮社)、『日本近代文学研叢』全五巻(和泉書院)、『書物耽溺』(講談社)、『人間通』(新潮文庫)、『聖徳太子はいなかった』(新潮新書)、『嫉妬する人、される人』(幻冬舎)、『歴史通』『名上司』(ワック出版)ほか多数。

目次

第1章 ついていきたくなる上司の条件
我が国に於いてトップの地位に就くのは激烈な競争の結果ではない
トップは寡黙のうちに先見力を発揮して信頼と期待を得るべきである
リーダーが切羽詰って決断する時は自分がすべてを引っ被ると覚悟すべし
組織の上に立つ者は人の世話をし面倒を見ることを怠ってはならない
秀吉の人間的魅力は殺伐の世に人をいたわり優しく遇したところにある
三河武士を興奮させ希望を持たせ天下に鳴り響かせた家康の統率力
司馬遼太郎が選びだしたサラリーマン処世法の身に沁みる名言
腕があって交際が広くて面倒見がよければ皆の衆が慕い寄る
自由で独立した人格を認め合う労働協約が昭和二十年にあった
世が移ろいゆく流れに即して既存勢力を牽引統率する現実主義
トップの地位に辿り着いたら燃え尽きるつもりで全精力を集中すべきである
人を統べるとは誰もの自尊心と欲望に対処する配慮である
人柄に見どころがあろうとなかろうと若年にして有能の評判をとれ
武藤山治は労働問題に新機軸を開拓しようと悪戦苦闘した
QC〈品質管理〉の運動が我が国でのみ定着、成功したのは統率者の人徳に拠る
第2章 嫉妬、逆境、悪評を克服するための心得
エンゲルスの一方的な友情と奉仕は古今東西に例を見ない純情であった
老功の将とは一度は重大な敗戦の経験をした者である
理由もなく悪評を被った場合にジタバタしないで耐える者が最後に勝つ
苦労するより苦労しない方がよいのだが運悪くはまった場合は死ぬ気で戦う
逆境から這い上がるには世間の信用を得て引き立てられるしかない
丸い卵も切りようで四角物も言いようで角が立つ
この人のために尽くして世に出そうと思う人々に推された男
リーダーとして問われる力量
意志を集中して相手の眼を睨むほど見詰めると強い感銘を与える
位階勲等褒賞名誉は人間世界に必須であると伊藤仁斎は言った
嫉妬心は万有引力の如く動かし難い自然の法則であると松下幸之助は言った
世に属する世界の同僚全員を嫉み憎むイヤゴーがいる
汝自身を知れとの有名な銘文は心を以て心を知ることであり見えていなかった心を見出すことである
女の難をいうべからず、よき事をば申し沙汰すべし、あしきをかくし給うべし
調停者を買って出て人間関係正常化の極意を悟る
革命に成功して政権は放棄する古今東西の例を見ない恬澹
日本人の美質を十箇条に絞って透視する
第1章 ついていきたくなる上司の条件
  • 我が国に於いてトップの地位に就くのは激烈な競争の結果ではない
  • トップは寡黙のうちに先見力を発揮して信頼と期待を得るべきである
  • リーダーが切羽詰って決断する時は自分がすべてを引っ被ると覚悟すべし
  • 組織の上に立つ者は人の世話をし面倒を見ることを怠ってはならない
  • 秀吉の人間的魅力は殺伐の世に人をいたわり優しく遇したところにある
  • 三河武士を興奮させ希望を持たせ天下に鳴り響かせた家康の統率力
  • 司馬遼太郎が選びだしたサラリーマン処世法の身に沁みる名言
  • 腕があって交際が広くて面倒見がよければ皆の衆が慕い寄る
  • 自由で独立した人格を認め合う労働協約が昭和二十年にあった
  • 世が移ろいゆく流れに即して既存勢力を牽引統率する現実主義
  • トップの地位に辿り着いたら燃え尽きるつもりで全精力を集中すべきである
  • 人を統べるとは誰もの自尊心と欲望に対処する配慮である
  • 人柄に見どころがあろうとなかろうと若年にして有能の評判をとれ
  • 武藤山治は労働問題に新機軸を開拓しようと悪戦苦闘した
  • QC〈品質管理〉の運動が我が国でのみ定着、成功したのは統率者の人徳に拠る
第2章 嫉妬、逆境、悪評を克服するための心得
  • エンゲルスの一方的な友情と奉仕は古今東西に例を見ない純情であった
  • 老功の将とは一度は重大な敗戦の経験をした者である
  • 理由もなく悪評を被った場合にジタバタしないで耐える者が最後に勝つ
  • 苦労するより苦労しない方がよいのだが運悪くはまった場合は死ぬ気で戦う
  • 逆境から這い上がるには世間の信用を得て引き立てられるしかない
  • 丸い卵も切りようで四角物も言いようで角が立つ
  • この人のために尽くして世に出そうと思う人々に推された男
  • リーダーとして問われる力量
  • 意志を集中して相手の眼を睨むほど見詰めると強い感銘を与える
  • 位階勲等褒賞名誉は人間世界に必須であると伊藤仁斎は言った
  • 嫉妬心は万有引力の如く動かし難い自然の法則であると松下幸之助は言った
  • 世に属する世界の同僚全員を嫉み憎むイヤゴーがいる
  • 汝自身を知れとの有名な銘文は心を以て心を知ることであり見えていなかった心を見出すことである
  • 女の難をいうべからず、よき事をば申し沙汰すべし、あしきをかくし給うべし
  • 調停者を買って出て人間関係正常化の極意を悟る
  • 革命に成功して政権は放棄する古今東西の例を見ない恬澹
  • 日本人の美質を十箇条に絞って透視する
第3章 知っておきたい先達のこの智恵、この凄み
日本の新聞記者は報道をしないで世論操作に熱心である
学問の目的は孔子や孟子を深く学んで孔子や孟子より秀れた人格となることである
我が国独特の国家体制を整備完成し内乱の種を持たぬ社会を築きあげた
信長は東南亜細亜貿易圏と地中海を結ぶ競合を構想した
墨股(墨俣)の一夜城の大規模な分業構想は経済学の分業論より二百年早い
川中島の合戦は全国に喧伝されるよう狙う示威の八百長であった
君子重からざれば威あらずと言うが時と場合に使い分けよと朝倉敏景は訓した
四万三千石の津和野藩の無役の典医の子である外が家柄絶対を強調する矛盾
外国語を学んだ者が各国別に党派を組む弊害を排する統率者
能の謡に切れ目や舞の動きが止まる所に藝の深みを感じる
猿だけではなく人間もまた反省したのは一九四四年以来である
戦争は最も不確実な条件のもとに行われるから決断の勇気が不可欠である
「もはや戦後ではない」という診断は謳歌ではなく警戒警報であった
銀行の狭い窓口から世界経済を見ているつもりの視野狭窄症
人生で大切なものは勇気と想像力それに少しのお金だ
明治の活版印刷を軌道に乗せるには紙漉きから始めた
教養が身につくのは自分の好き嫌いを押し通した場合である
放蕩するなら中途半端でなく行けるところまで行け
社史と伝記から人物を掘り起こし事業の盛衰を知る
第4章 名上司の極意は中国の古典にあった
惹きつけるような劉邦の可愛気に人材が吸い寄せられ天下を取らした
富貴にして故郷へ帰るは男の誉と信じる虚栄心が身を亡ぼす
他人の意見を聞かない者は成長しないが耳学問だけでは坊主の鉢巻〈耳で持ってる〉と称して嘲われる
仁とは広く言えば世の人々に対する愛の感情であるが親疎の別を立てなければいけない
政治の要は人であり親しき者に親しみ賢を尊ぶを至高とす
事が起こらないうちに危険を知って対策を施し事なきを得るのが君子である
戦いて勝つは易く守りて勝つは難く五戦五勝は宜しからず
中国最古の教訓書があらゆる語法で民を愛せよと説くのはそれが行われていなかったゆえの繰り返しであろう
第3章 知っておきたい先達のこの智恵、この凄み
  • 日本の新聞記者は報道をしないで世論操作に熱心である
  • 学問の目的は孔子や孟子を深く学んで孔子や孟子より秀れた人格となることである
  • 我が国独特の国家体制を整備完成し内乱の種を持たぬ社会を築きあげた
  • 信長は東南亜細亜貿易圏と地中海を結ぶ競合を構想した
  • 墨股(墨俣)の一夜城の大規模な分業構想は経済学の分業論より二百年早い
  • 川中島の合戦は全国に喧伝されるよう狙う示威の八百長であった
  • 君子重からざれば威あらずと言うが時と場合に使い分けよと朝倉敏景は訓した
  • 四万三千石の津和野藩の無役の典医の子である外が家柄絶対を強調する矛盾
  • 外国語を学んだ者が各国別に党派を組む弊害を排する統率者
  • 能の謡に切れ目や舞の動きが止まる所に藝の深みを感じる
  • 猿だけではなく人間もまた反省したのは一九四四年以来である
  • 戦争は最も不確実な条件のもとに行われるから決断の勇気が不可欠である
  • 「もはや戦後ではない」という診断は謳歌ではなく警戒警報であった
  • 銀行の狭い窓口から世界経済を見ているつもりの視野狭窄症
  • 人生で大切なものは勇気と想像力それに少しのお金だ
  • 明治の活版印刷を軌道に乗せるには紙漉きから始めた
  • 教養が身につくのは自分の好き嫌いを押し通した場合である
  • 放蕩するなら中途半端でなく行けるところまで行け
  • 社史と伝記から人物を掘り起こし事業の盛衰を知る
第4章 名上司の極意は中国の古典にあった
  • 惹きつけるような劉邦の可愛気に人材が吸い寄せられ天下を取らした
  • 富貴にして故郷へ帰るは男の誉と信じる虚栄心が身を亡ぼす
  • 他人の意見を聞かない者は成長しないが耳学問だけでは坊主の鉢巻〈耳で持ってる〉と称して嘲われる
  • 仁とは広く言えば世の人々に対する愛の感情であるが親疎の別を立てなければいけない
  • 政治の要は人であり親しき者に親しみ賢を尊ぶを至高とす
  • 事が起こらないうちに危険を知って対策を施し事なきを得るのが君子である
  • 戦いて勝つは易く守りて勝つは難く五戦五勝は宜しからず
  • 中国最古の教訓書があらゆる語法で民を愛せよと説くのはそれが行われていなかったゆえの繰り返しであろう
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