絶滅恐竜からのメッセージ

松井孝典(東京大学大学院教授) 著
定 価:
本体880円+税
判 型:
新書版
ページ数:
224ページ
ISBN:
9784898315071
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天変地異は
環境をどう変えたか?

恐竜の楽園だった地球に、6500万年前のその日、太陽系最大級の巨大隕石が衝突した。……植物は枯れ、草食動物も肉食動物も消えていく。大量の餌を必要とする恐竜は、どうすればその巨体を養えるのか。……しかし正常に戻ったかに見えた大気には、岩石から蒸発した二酸化炭素が、数十万年つづく温暖化をおこすべく、その濃度を保ちつづけていた……。

著者プロフィール

松井孝典(まつい・たかふみ)
東京大学大学院教授、理学博士。1946年静岡生まれ、東京大学理学部、同大学院修了。惑星物理学者として宇宙、地球、生命の歴史から地球システムの未来などを論じる比較惑星学という学問分野を育てた。宇宙レベルで生命進化を考えるアストロバイオロジー研究の日本における第一人者。著書に『宇宙生命、そして「人間圏」』(ワック出版)、『宇宙誌』『地球・宇宙・そして人間』(以上、徳間書店)、『宇宙人としての生き方』(岩波新書)などがある。

目次

プロローグ 衝突の日
第1章 何が恐竜を滅ぼしたか
「自然」という古文書を読み解く
五つの「大絶滅」
諸説紛々、恐竜絶滅原因説
なぜ隕石衝突説が注目されなかったか
第2章 隕石衝突の痕跡
アルバレス論文の衝撃
巨大隕石が食物連鎖を断ったのか
隕石衝突の痕跡を探せ
クレーターはどこだ
ユカタン半島の重力・地磁気異常
チチュルブにたどりつく
地下の巨大クレーター
第3章 ユカタンの地下に眠る巨大クレーター
巨大隕石と「核の冬」
クレーターの規模が焦点
シュルツが提起した斜め衝突説
地球創成の秘密が埋まっている
第4章 マヤ遺跡から地球擾乱を読む
フィールドワークはおもしろい
マヤ暦がしめす文明成立の要因
「聖なる泉」セノーテが語るもの
ユカタンの地層が環境擾乱を加重した
重力異常から地下構造を解く
第5章 地殻を突き破った爆発
ヒートフローを調べる
マントルの上昇はあったのか
熱異常が明確にあった!
地震波がみせる地下構造
爆発実験を試みる
五〇個の地震計が揺れた
プロローグ 衝突の日
第1章 何が恐竜を滅ぼしたか
  • 「自然」という古文書を読み解く
  • 五つの「大絶滅」
  • 諸説紛々、恐竜絶滅原因説
  • なぜ隕石衝突説が注目されなかったか
第2章 隕石衝突の痕跡
  • アルバレス論文の衝撃
  • 巨大隕石が食物連鎖を断ったのか
  • 隕石衝突の痕跡を探せ
  • クレーターはどこだ
  • ユカタン半島の重力・地磁気異常
  • チチュルブにたどりつく
  • 地下の巨大クレーター
第3章 ユカタンの地下に眠る巨大クレーター
  • 巨大隕石と「核の冬」
  • クレーターの規模が焦点
  • シュルツが提起した斜め衝突説
  • 地球創成の秘密が埋まっている
第4章 マヤ遺跡から地球擾乱を読む
  • フィールドワークはおもしろい
  • マヤ暦がしめす文明成立の要因
  • 「聖なる泉」セノーテが語るもの
  • ユカタンの地層が環境擾乱を加重した
  • 重力異常から地下構造を解く
第5章 地殻を突き破った爆発
  • ヒートフローを調べる
  • マントルの上昇はあったのか
  • 熱異常が明確にあった!
  • 地震波がみせる地下構造
  • 爆発実験を試みる
  • 五〇個の地震計が揺れた
第6章 キューバ島に露呈する津波跡
津波がつくった堆積層を探す
厚さ一二〇メートルの堆積層を発見
しぼりだされた水の痕跡
もうひとつの証拠になるか
三カ所の異なるK-T境界層を確認
ペニャルベル層の形成を解析する
津波堆積層がつくられたシナリオ
堆積過程から擾乱の内容を知る
第7章 隕石は日常的な訪問者
そもそも隕石とは何か
チチュルブ級の確率は三〇億年に一度
衝突エネルギーは全核弾頭の一〇万倍
第8章 激突で何が起きるか
フロリダ半島に達する爆風
地震波と津波が地球をおおう
岩石のチリが地球をとりまく
飛散物質が擾乱の主役
衝突がもたらす長い冬
濃硫酸の雨とオゾン層の消滅
気候変動は一〇〇万年単位でつづく
そして恐竜が絶滅する
大擾乱はどのように吸収されるか
第9章 人間圏の肥大と新たな擾乱
地球システムから見た人間圏
ストック利用文明が招く地球擾乱
温暖化はほんとうに悪なのか
ゾウ一〇〇億頭の社会は生き残れるか
終章 自滅を回避する方途
恐竜絶滅から学ぶ
「レンタルの思想」を提案する
第6章 キューバ島に露呈する津波跡
  • 津波がつくった堆積層を探す
  • 厚さ一二〇メートルの堆積層を発見
  • しぼりだされた水の痕跡
  • もうひとつの証拠になるか
  • 三カ所の異なるK-T境界層を確認
  • ペニャルベル層の形成を解析する
  • 津波堆積層がつくられたシナリオ
  • 堆積過程から擾乱の内容を知る
第7章 隕石は日常的な訪問者
  • そもそも隕石とは何か
  • チチュルブ級の確率は三〇億年に一度
  • 衝突エネルギーは全核弾頭の一〇万倍
第8章 激突で何が起きるか
  • フロリダ半島に達する爆風
  • 地震波と津波が地球をおおう
  • 岩石のチリが地球をとりまく
  • 飛散物質が擾乱の主役
  • 衝突がもたらす長い冬
  • 濃硫酸の雨とオゾン層の消滅
  • 気候変動は一〇〇万年単位でつづく
  • そして恐竜が絶滅する
  • 大擾乱はどのように吸収されるか
第9章 人間圏の肥大と新たな擾乱
  • 地球システムから見た人間圏
  • ストック利用文明が招く地球擾乱
  • 温暖化はほんとうに悪なのか
  • ゾウ一〇〇億頭の社会は生き残れるか
終章 自滅を回避する方途
  • 恐竜絶滅から学ぶ
  • 「レンタルの思想」を提案する
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