私たちは、なぜ放射線の話をするのか

1時間で読める

木元教子(評論家)/碧海酉癸(消費生活アドバイザー)/東嶋和子(科学ジャーナリスト) 著
定 価:
本体476円+税
判 型:
新書版
ページ数:
136ページ
ISBN:
9784898319031
アマゾンのショッピングサイトへリンクします。
放射能を、むやみに怖がっていませんか?

「国民の多くが、原子力の平和利用の恩恵を受けていながらそれに気づいていない」「私たちが日常的に摂取している食品にも放射性物質は含まれている」「日本の食糧自給率は39%、エネルギー自給率はたったの4%」──宇宙が誕生したときから存在し、私たちの身の回りに常にあるのに、まだよく知られていない放射線のことを、ETT(フォーラム・エネルギーを考える)の3人のメンバーが、鼎談形式でわかりやすく解説する。

著者プロフィール

木元教子(きもとのりこ)
評論家、ジャーナリスト。立教大学法学部卒業。TBSアナウンサーとして司会、キャスターを歴任。退社後はエネルギー、環境、教育、高齢社会、政治などの問題に取り組み、テレビ・ラジオの解説、講演、シンポジウムを行う。各省庁の審議会委員も務める。前内閣府原子力委員会委員。

碧海酉癸(あおみ・ゆき)
消費生活アドバイザー、ETT(フォーラム・エネルギーを考える)コア・メンバー。東京大学文学部卒業。TBSディレクターとして教養番組・料理番組等の制作に当たる。夫の海外赴任に伴い退社。帰国後、企業と消費者のパイプ役の「ヒーブ」の導入を推進し、以後、企業のアドバイザーを務める。

東嶋和子(とうじま・わこ)
科学ジャーナリスト。筑波大学比較文化学類卒業。在学中、米国カンザス大学留学。外務省外交フォーラム外務大臣賞受賞。読売新聞記者を経て独立。「いのち」をキーワードに科学と社会の関わりを追っている。『放射線利用の基礎知識』『遺伝子時代の基礎知識』『死因事典』(講談社)など著書多数。

目次

プロローグ 放射線を、むやみに怖がっていませんか? 第1章 原子力の平和利用
  • いまこそ、原子力基本法・第二条の「基本方針」を確認しよう
  • 「善」に利用するか、「悪」に利用するか、使い方ひとつ
  • ゴールド二十世紀梨はガンマ線照射で誕生した
  • ラジアルタイヤも放射線照射している
  • 日本の食品照射は、誤解で、世界から大きく遅れた
  • 〝ネガティブ情報〟には要注意!
第2章 放射線はどこにでもある
  • 無料で借りられる放射線測定器「はかるくん」
  • 日常摂取している食品にも放射性物質が含まれている
  • 人工放射線も自然放射線も、問題はその量にある
第3章 海外での原子力利用
  • グリーンピース創始者が、原子力の平和利用の推進者になった
  • 脱原子力を選択しても、他国の原子力発電を利用するドイツ
  • 日本は島国で、しかも〝風況も悪い〟
  • ニューヨーク全体が風力発電でまかなえる!?
  • 世界は原子力回帰に向っている
第4章 放射線の安全を図る基準
  • 「十分に検証されていないデータ」
  • 私たちは、放射線が飛び交っている世界のなかで生きている
  • 放射線に関する単位を知っておこう
第5章 放射線を怖がる理由
  • 「自然放射線は安全で、人工放射線は有害」?
  • 放射線を怖がる最大の理由とは
  • 核兵器保有国以外で、核燃料の再処理を認められた唯一の国
  • メディア・リテラシーを高めよう
第6章 将来の原子力利用
  • 日本の放射線治療率は二五%、欧米先進国では五六%〜六六%
  • 私たちは、「原子力の平和利用」をもっと真剣に考えよう
トップへ戻る