当事者だからこその
迫真のノンフィクション!
迫真のノンフィクション!
高知県東洋町にもちあがった、放射性廃棄物処分場誘致の話。誘致賛成派である著者は、町民に信任を問うため、職を辞し選挙にうってでる。しかし、「原発は原爆と同じ」、「容器に近づけば20秒で即死」。反核派の過激な扇動とマスコミのバッシングで選挙の争点は雲散、結果、惨敗を喫する。日本のエネルギー政策はどうなるのか? 敗軍の将が語る問題提起の書!
著者プロフィール
田嶋裕起(たしま・やすおき)
前東洋町長。1943年、高知県安芸郡東洋町生まれ。1962年、室戸高等学校甲浦分校(普通科)卒業。1970年、東洋町議会議員初当選。以後、1996年まで町議会議員を務める。1996年、東洋町長に初当選。以後、2007年まで東洋町長を務める。2007年4月、東洋町長を辞任。2007年4月22日の東洋町長選挙で初の落選。東洋町長在職中に、高知県町村会副会長、市町村振興協会理事、こうち人づくり広域連合議会議員、高知県漁港漁場協会監事などを務める。
目次
序章 覚悟していた町長選の惨敗- 「核廃棄物最終処分場をあきらめたら、話を聞いちゃるきに」
- 横行したデマや誹謗中傷
- 文献調査の応募は、最終処分施設の建設ではない
- 産業の三本柱が〝右肩下がり〟に
- 財源確保のためのさまざまな試み
- 行政サービスができないくらいの経費削減
- 交付金を行政に活用でき、国のエネルギー政策にも寄与できる
- 原子力政策についての真摯な検討を
- 町会議員から町長へ
- 「あいつは隠れ日本共産党だ」
- 文献調査への応募による交付金は、東洋町にとって魅力的だった
- NUMO(原子力発電環境整備機構)との第一回目の勉強会を開催
- 反核派が掲げる二つの反対根拠
- 「文献調査に応募することを前提として取り組んでいきたい」
- 態度変更を繰り返した議員も
- 「東洋町を考える会」の請願書には三つの大きな勘違い
- 文献調査への応募を決断する
- 一月二五日、「文献調査への応募」のための記者会見
- 〝核廃拒否条例〟を再議で廃案に
- 見るに耐えない内容の「東洋町長に対する辞職勧告決議案」
- 反核派・反対派住民を勇気づける橋本知事のコメント
- 平成一九年度修正予算案をなんとか可決成立
- 二〇〇七年四月五日、町長を辞する
- 一二回目の選挙で初めての敗北
- これが、「反核の方程式」
- 核兵器には断固反対だが、原子力の平和利用には賛成
- 原子力エネルギー政策は、国家プロジェクトだ
- もっとも安全で現実的なのが地層処分
- 地層処分された高レベル放射性廃棄物から受ける放射線の被ばく量は?
- 「麻薬に手を出すに等しいこととさえ思われるのです」
- 間違いだらけの反対陳述書
- まるで極左集団の政治スローガンのよう
- 一層激しさを増すネガティブ・キャンペーン
- 「放射能! 子・孫に絶対残したくない!」
- 大都市に対する地方の反乱?
- 匿名をいいことに、掲示板やブログでの誹謗中傷はひどすぎる
- 町長選四カ月後には、一転して新町長を批判
- 食品偽装問題に見るマスコミの報道姿勢
- 「軽率」と非難され、「独断」と決めつけられる
- 〝敵意〟に満ちた報道記事
- 事実・実態の検証をしない記者たち
- 事実を冷静に書いてくれたのは電気新聞と産経新聞だけ
- マスメディアの情報をうのみにせず、国民一人ひとりが冷静に判断する
- かけ声は耳にここちよく、パフォーマンスは目立った
- これではまるで反核派のヒーロー
- 「町民が理解できるレベルの話ではない」
- 原子力関連施設誘致に反対すればするほど影響力が強くなる
- 「札束で頰を張るようなやり方は、おかしいんじゃないか!」
- 橋本知事のとても変わったコメント
- 将来的には世界に誇れる町になれる
- 風評で売り上げが減るどころか、農林業や漁業の売り上げが伸びる
- 地震や津波対策を考えた安全・安心の町づくり
- 高齢者が住みやすく、子供の教育施設が充実した町
- IT基盤の充実をはかり、原子力平和利用地域をつくる
- 夢のまた夢となって消えた私の大きな理想
- もっとわかりやすい「安全性」のPRが必要
- 間違った報道や情報には断固たる対応をとるべき
- 風評被害の実態把握とその対応マニュアルの作成を
- 教育現場でも、子どもたちに事実を伝えてほしい