「スーパードライ」を生んだ統率力(リーダシップ)!
シェア60%の巨人・キリンに挑戦した
シェア10%割れの弱小アサヒの戦略とは!
シェア60%の巨人・キリンに挑戦した
シェア10%割れの弱小アサヒの戦略とは!
“滅びゆく平家”のようだといわれていたアサヒが、奇跡と称えられるような業績をあげ、生まれ変わることができた。当時シェア10%だったアサヒビールが、なぜシェア60%のキリンを追い抜き、勝つことができたのか。幾多の困難に遭遇し、迷いがちな作戦に的確な指針をもたらしてくれた兵法があったからこそである。兵法は、戦争に使うだけのものではなく、いち個人が、あるいは組織が生き抜いていくための、類まれな教科書ともいえる。長引く不況に低迷する経済。今回の東日本大震災によって揺れ動く社会で、どうすれば生き残っていけるのか。動乱の現代における戦いに勝つ極意を、本書は教えてくれる。
著者プロフィール
中條高德(なかじょう・たかのり)
英霊にこたえる会会長、日本戦略研究フォーラム会長、㈳日本国際青年文化協会会長。1927年長野県生まれ。陸軍士官学校60期生。旧制松本高校から学習院大学に進む。1952年、アサヒビール入社。常務取締役営業本部長、専務取締役営業本部長、代表取締役副社長、アサヒビール飲料会長を経て、アサヒビール名誉顧問に。一貫して「ビールは生が正しい」の信念のもと、ミニ樽ブームに火をつけ、「スーパードライ」の生みの親としてドライ戦争の第一線で陣頭指揮に立った。著書に『おじいちゃん戦争のことを教えて─孫娘からの質問状』『おじいちゃんの「わが闘争」』(致知出版社)、『誇れる国』『「靖国」のことを語ろう』(ワック)など。
目次
第1章 戦捷の要は、敵に優る威力を要点に集中発揮せしむるにあり。- 将たる者、方向を指示し、兵站す
- 小が大を制する「一点集中」の理
- 生ビールに経営資源を全力投入
- シェア10%割れの土壇場に追い込まれる
- 算多きは勝ち、算少なきは勝たず
- 上下、欲を同じくする者は勝つ
- 紀律こそが衆心一致の行動を生み出す
- 上下一心の〝ニューセンチュリー計画〟
- 経営理念は中間管理職がまとめてこそ意味がある
- 大声を出して士気を奮い立たせる
- 死地には則ち戦え
- 勢いに乗って勝ちをつかむ
- 「天の時」を知ることができるか
- 驕りを持つ人間は必ず失敗する
- 消費者ニーズに謙虚に耳を傾ける
- 欲を捨てると先が見えてくる
- 自分を捨て、欲を捨てる
- 志立たざれば、舵なき舟、銜なき馬の如し
- 経営に「心」を忘れるな
- 勝っても名声を求めるな
- 「気下し」の心で諫める
- 驕りがないか、わがままがないか
- 仕事上の意見は「協同一致」の趣旨に合する
- 上司は常に部下から見られている
- アサヒマンの忘れられない日
- 「心の若さ」を失うな
- 君の若さを買ってやるんだ
- 山本為三郎をめぐる「慎独」の人びと
- 桜田の〝私心なき〟を見習え
- 「工業俱楽部は料理屋じゃない」
- 借りをつくるな、貸しをつくれ
- 人は信念とともに若く、疑惑とともに老いる
- 兄弟牆にせめぐ
- 常に攻撃を決行すべし
- 企業分割の凄まじい破壊力
- なぜキリンだけは分割を免れたのか
- 合併ほど難しいものはない
- 名を成すは毎に窮苦の日にあり
- 遭遇戦の要訣は先制にあり
- 泣いて馬謖を斬る
- サントリーに軒を貸した〝ビール王〟の決断
- 相手の立場にたってものごとを考える
- 迂を以て直と為し、患を以て利と為すなり
- アサヒの看板を一身に背負った男
- 卒強く吏弱きを弛と曰う
- 〝強い集団〟になるための秘訣
- リーダーはまず自らの徳を磨け
- 「勝ち」を信じないかぎり戦うな
- 疑を以て疑を決すれば、決必ず当たらず
- 虞を以て不虞を待つ者は勝つ
- 高級指揮官は身を細務の外におき大局を指導すべし
- ラガーはビール本来の姿ではない
- 用意準備をして備えなき者を撃てば勝つ
- アサヒの再生をかけた涙の「建白書」
- 「アサヒスタイニー」で巻き返しを図る
- 善く戦う者は勝ち易きに勝つ者なり
- 戦いの「勢い」に乗れば絶対に勝つ
- 勝ち戦のときこそ援軍を出せ
- 鋭卒を攻むる勿かれ
- 一の信念は百の知識を撃倒する
- 社長と激しくやり合った生ビール論争
- 「生に関してはいっさい口をはさまない」
- 我が予期を以て敵の不期に当る
- 保守エネルギーにどう対処するか
- 大平正芳の処世の指針「任怨分謗」
- 善く戦う者は、人を致して人に致されず
- 高きに登りて梯を去る
- トップダウンこそ勝つための最高のノウハウ
- グレシャムの法則を克服した「AQC」
- どうすれば部下に自主独立の精神が育つか
- 「常に戦場にあり」の心で生きる
- 四百四十名にのぼる恥ずべき人員整理
- 心中の賊を破るは難し
- マークの変更は手段にすぎない
- 正正の旗、堂堂の陣
- ピンチをチャンスに変える発想
- 四つの「心中の賊」に挑む
- 企業イメージの恐さを知る
- 商品づくりの心を変える
- 消費者には最大・最良にパフォーマンスする
- 逐次投入は必ず失敗する
- フレッシュ・ローテションに徹する