放射線の話

本当は怖いだけじゃない

大朏博善(科学ジャーナリスト) 著
定 価:
本体886円+税
判 型:
新書版
ページ数:
252ページ
ISBN:
9784898316467
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文科系でも一読即解!
放射線は不思議だ!

人間のからだは放射線を出している、銀座通りは3倍も放射線が強い、ジャンボ機は宇宙線(放射線)の真っ只なかを飛ぶ、自然放射線の強い地域ではガンの死亡率が低い、放射線は遺伝子を切断する、放射線で損傷した細胞は修復される、放射線がなければ生物は進化しなかった、飛行機のひび割れ検査も放射線を利用、などなど不思議な興味津々の話題を満載。

著者プロフィール

大朏博善(おおつき・ひろよし)
ノンフィクション作家。日本科学ジャーナリスト会議会員。早稲田大学理工学部在学中から雑誌記者となり、科学雑誌のライターを経て、現在、技術、生命科学系のテーマを中心に執筆活動中。また、科学技術番組のプロデューサーも務める。著書に『いま、遺伝子革命』『新幹線のぞみ白書』(新潮社)、『ES細胞』(文春新書)、『携帯電話で脳は破壊されるか』(ワック)など著書多数。

目次

第1章 放射線は「異常で怖い」ものか
  • 身体から放射線が出ている?
  • カリウムで肥満度がわかる
  • 雨の銀座はなぜか放射線が強い
  • 放射線量が多いのにガン死亡率が低い
  • ラドン温泉は保養地で有名
  • ジェット旅客機は宇宙船のなかを飛ぶ
  • 放射線の利用価値
  • 【コラム】「放射線」という単語の意味
第2章 生命は放射線の海の中で進化した
  • 地球はなぜ温かいか
  • 自然放射線のルーツは宇宙の生成
  • 地球が放射線を放つ理由
  • そもそも放射性物質とは何か
  • 太陽の恵みには放射線もある
  • オーロラは何を示しているか
  • 【コラム】放射線と放射能
第3章 自然放射線を浴びて平気なのはなぜか
  • 放射線の基本的な作用とは
  • 電離作用とはどういうことか
  • 活性酸素は遺伝子にどう影響するか
  • 塩基が破壊されるとどうなるか
  • 人体には予防・修復機能がある
  • 損傷した細胞の修復システム
  • 修復不可能だとガン化するか
  • アポトーシス(細胞死)が発動されるとき
  • 【コラム】放射線の種類と特徴
第4章 生物機能を高める「ホルミシス現象」
  • 宇宙飛行士はダメージを受けないか
  • 適量の放射線という発想
  • 「少量の放射線は生命にとって必須」
  • 放射線はホルモンに似ている
  • 免疫力が高まった
  • ガンの転移や増殖も抑えた
  • 人間でもホルミシス現象はあるか
  • 【コラム】放射性物質と半減期
第5章 どんなときに障害が現れるか
  • 自然放射線による障害
  • 人工放射線による障害の始まり
  • 自然でも人工でも性質は同じ
  • 「しきい値」という境界値
  • 臓器によって異なる感受性
  • ベルゴニー・トリボンドーの法則
  • 放射線の影響は特異か
  • 【コラム】放射線を表す単位
第6章 こうして放射線研究は進んだ
  • 放射線との出会いは偶然から
  • ベクレルとキュリー夫妻の功績
  • ラザフォードが築いた現代物理学の基礎
  • 発見と同時に着目された光と影
  • 鉱山労働者に肺ガンの発生が多い?
  • ダイヤル・ペインターの悲劇
  • X線の発見と同時に始まった防護の歴史
  • 積み重ねられた防護データ
  • 【コラム】ラジウムの「崩壊」
第7章 「放射線から身を護る」ということ
  • 放射線防護の基本的な考え方
  • 百ミリシーベルト未満での「がん、遺伝性影響」の確率とは
  • 放射線防護のマジックナンバーは「100」「20」「1」
  • 緊急事態かどうか、境界は年間二十ミリシーベルト
  • 「短時間・二十ミリシーベルト」と「年間・二十ミリシーベルト」の違い
  • 「食品・水の放射能汚染」防護のポイント
  • 影響の有無ではなく「回避できるものは防ぐ」という発想
  • 【コラム】「職業被ばく」の線量について
第8章 原爆の放射線被害とは何か
  • 安全対策と予防法の進展
  • 広島・長崎の原爆被害と放射線
  • ヒロシマ原爆の被害の実態とは
  • 原爆の放射線による障害
  • 晩発影響と遺伝的影響への誤解
  • 【コラム】「崩壊」と「核分裂」
第9章 チェルノブイリとJCOの場合
  • チェルノブイリ原発事故
  • 特徴は「放射能漏れ」
  • ガン発生は予測より軽度だった
  • JCO事故の内容と規模
  • 特徴は「放射線漏れ」
  • 【コラム】放射線の測りかた
第10章 原発から放射線が出ているか
  • 原子力発電と放射線
  • 煙突の不思議
  • どこで放射性物質ができるか
  • 放射性廃棄物というゴミ
  • 現実にどの程度の放射線が出ているか
  • 安全性に対する考えかた
  • どれだけ安全ならじゅうぶんか
  • 【コラム】放射線のつくりかた
第11章 放射線を活かして使う知恵
  • 放射線なくしてヒトは誕生しなかった?
  • 特性を利用した品種改良
  • 技術の次元を変えた
  • 放射線・放射能の工業利用
  • 農漁業関係への利用
  • 医療技術としての放射線
  • ガン治療で期待が大きい
  • 「メリット」と「デメリット」のバランス
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