ビジネスマン必読の書!
クラウゼヴィッツの『戦争論』には勝利をつかむための戦略的思考と行動のすべてが書いてある。戦争をどのように設計し実行するか、スピードは最重要事項、最悪の事態を想定することで沈着が生まれる、状況の変化に右往左往したとき敗北が始まる……。『戦争論』は、「勝利の鉄則」と「失敗の教訓」に満ちており、まさに、混迷した経済環境で生き抜くビジネスマンにとって“知恵の宝庫”といえる。
著者プロフィール
田母神俊雄(たもがみ・としお)
元航空幕僚長。1948年、福島県生まれ。防衛大学校電気工学科卒業。航空自衛隊入隊。航空幕僚監部装備部長、統合幕僚学校長、航空総隊司令官を経て、航空幕僚長に就任。2008年10月、民間の懸賞論文に応募した論文が政府見解と異なるとして、職を解かれる。同年11月に定年退官。以後、執筆、講演など精力的な活動を展開している。著書に『田母神国軍』(産経新聞出版)、『騙されるな日本!領土、国益、私ならこう守る』(ベスト新書)、『ほんとうは危ない日本』(PHP新書)、『自らの身は顧みず』(ワック)など多数。
目次
まえがき- クラウゼヴィッツは二十一世紀に通用するか
- 戦争における「不易」と「流行」
- 戦争は自らの意志に相手を屈服させるための暴力行為であり、政治の手段である
- 戦争を始めるのも終えるのも政治の決断にかかっている
- 日本のシビリアン・コントロールは異常である
- 軍のトップは政治を知らなければならない
- 絶対戦争と制限戦争
- 戦争は三つの要素が一体となって構成される
- 戦争の誘因となる「敵対感情」と「敵対意図」
- 戦争は偶然に左右され、リスクを取らない秀才タイプには不向きである
- 相手が「戦わない」ことを選んだときのみ「戦わない道」が開ける
- 戦争をするには最初に「目的」と「目標」を定めなければならない
- 専守防衛では不意打ちを食らわないための情報収集が不可欠だ
- 戦略とは「戦争目的に沿って戦闘を運用する方策」
- 戦術とは「個々の戦闘をどう進めるかという具体的な手段」
- 戦略・戦術において気をつけるべき三つのポイント
- 有事における日本の指揮体制
- 「任務の分析」によって命令の徹底を期する
- 武器が進化すると戦術が変わり、戦術が変わると戦略に影響する
- 実行可能性を保証されていない命令は現場を混乱させる
- 現代は攻撃が有利だが、防御が有利なケースもある
- 戦争の準備をしておけば戦争にならない
- 兵器の質だけでなく、人間の質も軍の強さを決める一因である
- 「戦争に勝つ」とはどういうことか
- 敵の重心を打つことが勝利への王道である
- 情報は不確実で変化しやすい性質をもつ
- スピードは軍事行動における最重要事項である
- 敵の戦意を挫き、戦う意欲を失わせる
- 「個人の危険に対する勇気」と「責任に対する勇気」
- 戦場において、智慮を勇気に優先させる理由はない
- 大胆さは戦争において独特の優先権を有している
- 最悪の事態を想定することで沈着が生まれる
- 状況の変化に右往左往したとき、敗北が始まる
- 敗戦の選択と復活する権利の確保
- 子弟の生命、祖国の名誉と安全を託し得る指導者とは?
- 最高司令官として必ずやらなければならない仕事がある
- リーダーに求められる基本的な精神力は胆力である
- 決断心は「責任を取る」という強い気持ちによって支えられる
- 物事を成し遂げるには四つの段階がある
- 統御の能力は幅が広く、中身が深い
- 部下を守らないリーダーは責任を果たしていない
- 人の特性に応じて使い分ける知恵
- 上司の疲労は部下の疲労にも繫がる
- 軍人は特別な資質を必要としない
- 近代は絶対戦争の方向に進んできた
- 二十一世紀に世界大戦が起こる可能性は小さい
- 非対称戦争に備えるには「必要悪」がもたらす情報が不可欠である
- 新しい戦争は「合法的に富や資源を分捕る戦争」
- 軍事バランスが取れないと外交力は低減する
- 日米同盟の効果は抑止力にある
- せめて中堅国レベルの諜報体制は整備しなければならない
- 正々堂々と戦う精神は宣伝戦に不利である
- 兵器の開発を公表するのは世界で日本だけだ
- 暗号も情報端末もアメリカ製を使っている日本
- 各国の要人にトラップをかけるような外交が求められる