
インドを知ると世界が見えてくる!
インドにとっては、アメリカとの関係をこれ以上緊密化するよりは、あるいは中国との経済的な関係がこれ以上深まるよりも、日本との関係を緊密化したほうがいいと考えている。ところが日本は、インドと結ぶメリットがわかっていない。インドの中都市にはビジネスチャンスがいっぱいある。日本はインドの多種多様性、多価値論に踏み込んでいくことで、活路を見出していくべきだ!
著者プロフィール
日下公人(くさか・きみんど)
評論家。日本財団特別顧問。社会貢献支援財団会長。三谷産業株式会社監査役。日本ラッド株式会社監査役。1930年、兵庫県生まれ。東京大学経済学部卒業。日本長期信用銀行取締役、(社)ソフト化経済センター理事長を経て東京財団会長を務める。ソフト化・サービス化の時代をいち早く先見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍。未来予測の正確なことには定評がある。著書に『アメリカはどれほどひどい国か』(PHP研究所)、『自主防衛を急げ!』『日本既成権力者の崩壊』(李白社)、『つくられた「環境問題」』『アメリカ、中国、そして日本経済はこうなる』『2012年〜日本と世界はこうなる』『それでも、日本が一人勝ち!』(ワック)など多数がある。
森尻純夫(もりじり・すみお)
インド・カルナータカ州マンガロール大学客員教授。早稲田大学演劇博物館招聘研究員。1941年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部中退。早稲田大学文学部演劇科非常勤講師、中央大学総合政策学科特任講師、インド・カルナータカ州カンナダ大学客員教授、東京財団研究員を経て現在に至る。
目次
プロローグ 日本人が知らないインドの実像- 驚異的な経済発展の二つの要因
- 百五十以上の言語があるという国家の事情
- 飢えがなくなって教育に目が向いた
- 日本人の人口に匹敵する数のインドの大卒者
- 出口のない先進国はインドを見習えばいい
- インドの動きをカバーできない外務省、新聞社
- ヒラリー・クリントン訪印の本当の意味
- EU危機に対するインドの対応のクールさ
- 印僑は華僑よりもしたたか
- 「中国になったらおしまいだ」
- 鉄鋼業はインド人にとっては悲願
- ガンディーからの脱却がインドの課題
- 世界の反対を押し切って核武装した理由
- 欧米にとってはインドが核武装していてよかった
- 中国に対するインド人の大人の対応
- インドは賢いから全方位外交?
- いま印パ関係がよくなっている
- アメリカにとってのインドの重要性
- 大戦後のインドにとって何より農業政策が優先だった
- イギリス植民地時代の悲惨
- 日本では木綿ができたから戦国時代がはじまった?
- イギリスはインドに対していいこともしたか
- インドの政権はずっと国民会議派が握ってきた
- 一九九〇年代半ばくらいから起こってきた経済発展
- インドはいまや社会主義ではない?
- 未来展望を失っているインドの共産党
- 中国との関係は「政冷経熱」
- 日中の尖閣トラブルは日印関係にとって絶好のチャンスだ
- インドは慈悲の国
- 昔から図像化にすぐれていた
- 多言語だからこそ自己表現が鍛えられる
- インド人はまず地図を思い浮かべる
- 将棋の先の手を打つように考える
- 幕末までの日本人は多様な見方ができた
- インドは多層で詰め込み教育
- 英語の共通語化がどんどん進んでいる
- エネルギーが横溢しているインドの若者
- 多様さを認めざるを得ない社会
- グローバリズムをはねつけるインド、受け入れる日本
- 「お金が唯一のスタンダード」の価値観に対する疑問
- インドを見れば「豊かさとは何か」と考える
- インド人のマナー、日本人のマナー
- 日本人は正直で自己主張しなさすぎる
- なぜインドは世界の中で日本よりも存在感があるのか
- インド人は過去の恩義を忘れない?
- インドは日本との関係を緊密化したい
- スズキの七十〜八十万円の車が一番売れている
- 日本的経営をインドに当てはめようとするな
- 大産業になりつつあるジェネリック薬品
- 農産物はインドの主力輸出産業になる
- 地方の中都市にこそ金のなる木が転がっている
- それぞれの州で税体系が違う
- インド新幹線建設は日本のチャンス
- 世界はまったく新しくなる