
環境は汚染され、経済は崩壊寸前、暴動が続発する中で、庶民の憎しみはすべて金持ちと官僚に向い、金持ちはみな海外へ逃げていく。同じ中国人なのになぜこんなに格差があるのか。庶民の集団的焦燥感が、集団的憤怒に変化し、それは革命意識につながっていく──「ラストエンペラー」と呼ばれる習近平の断末魔の叫びが聞こえる。気鋭のチャイナ・ウォッチャー二人の最新報告!
著者プロフィール
宮崎正弘(みやざき・まさひろ)
評論家。1946年、石川県金沢市生まれ。早稲田大学中退。『日本学生新聞』編集長。月刊『浪曼』企画室長などを経て貿易会社を経営。1983年、『もう一つの資源戦争』(講談社)で論壇へ。以後、世界経済の裏側やワシントン、北京の内幕を描き、『ウォールストリートで読む日本』『ウォール街 凄腕の男たち』などの問題作を次々に発表してきた。著書に『現代中国「国盗り物語」』(小学館101新書)、『中国の「反日」で日本はよくなる』(徳間書店)、『絶望の大国、中国の真実』『増長し、無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』『2012年、中国の真実』『2013年の「中国」を予測する』(以上、ワック)など多数。
石 平(せき・へい)
評論家。1962年、中国四川省成都生まれ。北京大学哲学部卒業。四川大学哲学部講師を経て、1988年来日。1995年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関に勤務ののち、評論活動へ。現在、中国、日中関係問題を中心に活発な執筆、講演活動を展開する。2007年末、日本に帰化する。著書に『「中国の終わり」のはじまり』(徳間書店)、『なぜ中国人はこんなに残酷になれるのか』(ビジネス社)、『絶望の大国、中国の真実』『増長し、無限に乱れる「欲望大国」中国のいま』『2012年、中国の真実』『2013年の「中国」を予測する』『私はなぜ「中国」を捨てたのか』(以上、ワック)など多数。
目次
まえがきに代えて 序 章 反日暴動が安倍政権を生んだ- 日本の政界、財界の全体的風潮を一変させたアベノミクス
- 習近平が優先しているのは軍権の掌握と強い中国の演出
- 習近平が口にしている三つのキーワード
- 対日開戦論が喧しい
- 沿岸部の工業団地は、もう二年前からゴーストタウン
- 反日的だったアジアのメディアが好意的になっている
- 人民元の乱発でインフレに
- 金持ちはみんな海外へ逃げている
- フランス革命のような大革命が起きる?!
- 「ラストエンペラー」と呼ばれている習近平
- アジア関与が濃厚になってきたアメリカの事情
- 中国を警戒し、日本に期待するアジア諸国
- 「戦区」の意味するもの
- 庶民の憎しみは、すべて金持ちと官僚に向かっている
- 市場経済が中国人の意識を根本的に変えた
- 集団的焦燥感を抱く庶民たち
- 大学新卒の四分の一は職がない
- 言論の自由はたしかに進んだ
- 毛沢東か、鄧小平か? 習近平の進む道
- 独裁政権に思想はいらない
- 中華思想は不滅です
- レーダー照射は盧溝橋事件の蒸し返し
- 日本人は明るい未来を感じている